韋駄天の運び屋 女神さまからレアギフトで外れギフトを貰った僕が英雄になるまで

すのもとまさお

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説得

説得 アンナ視点

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「さぁ!!お代は良いよ!たくさん食べとくれ!!」
わたしとアルフはお店の中に戻り、テーブルに案内された。
そこでさっきの人を追い返したお礼としてたくさん料理をごちそうしてくれることになった。

ちなみにさっきの暴れていた人は警護団に連れてかれてた。
これからあの人がどうなるのか分かんないけど、とりあえず怖い人がいなくなったのは安心した。
正直、わたし怖くてお店には入らなかったもん・・・
そのせいか完全に空気だった・・・・

それにしても・・・・テーブルにはたくさんの料理が並べられてる・・・
揚げ物にチャーハン、おにぎりやサーロインステーキ、それにピザに餃子・・・
なんだこの組み合わせ・・・

わたし・・・こんなに食べれないよ・・・・どれもおいしそうだけど・・・

アルフと・・・もう一人・・・・名前は確か・・・ジン・・・さん?
その人も一緒に食事を取ることになった。

「えっと・・・おばさん・・・僕も一緒に食べちゃってていいんですか・・・?」
なんか、気まずそうにしてる・・・
そりゃそうだ・・・
わたし達は初対面だ。
それなのに一緒に食べようなんてアルフが言うもんだから、この人も困ってるよ・・・

「店の恩人があんたと話したいって言ってんだから、ついでに食っちまいな!あんたも飯はまだなんだからさ!」
「いやぁ・・・でも・・・」
彼とわたしの目が合った。
うん・・・わたしも気まずいです・・・
何とも思ってないのはアルフだけなんです・・・

「ジン・・・あんたもしかして・・・店の恩人の頼みも聞けないってのかい?」
「い、いえ!!そんなこと無いです!!!さぁ、お二人とも!!一緒に頂きましょう!!おじさんの料理は本当に美味しんですよ!」

あ・・・うん・・・なるほど・・・
この人・・・お店のおばさんが怖いんだな・・・・

「ああ。それじゃあ頂きます」
「えっと・・・頂きます」

わたしたちはとりあえず、箸を勧めることにした。
じゃあ・・・から揚げから食べてみようかな・・・

パクっ
「「!!!!????」」
何これ・・・・
外はサクサクで中はジューシー・・・それなのにしつこくない・・・程よく味が染込んでて口の中に美味しさが広がってくる・・・

え、嘘、ホントにメチャクチャ美味しい・・・
アルフを見てみると同じような反応だ・・・

「ほ、ホントに美味いな・・・お世辞とかじゃなく・・・ホントに・・・」
「で、でしょう!古いお店ではあるんですけど、本当に料理は美味しいんですよ!」

いや、これ美味しいとかのレベルじゃないよ・・・
口の中が幸せ・・・・

気付けば私もアルフもバクバク食べていた。
お昼が遅くなったのもあり、本当にお腹空いていたからなぁ・・・


気付けば、私たちはあっという間にご飯を平らげていた。

「「「ごちそうさまでした!!!」」」
わたし・・・こんなに食べたの生まれて初めてだよ・・・・

「はははは!!流石!!3人とも若いねえ!!」
厨房でおじさんが笑っていた。
ううう恥ずかしい・・・

「アンナ・・お前も相当食べてたみたいだが、大丈夫か?」
「う、うん・・・ちょっとだけ苦しいけど、大丈夫。それよりもこんなに美味しいのに、お腹いっぱいなのが悲しいくらい」
「いや、でもよく平らげましたよね・・・僕ら3人で」

アルフはともかく・・・このジンさんって人もよく食べるんだな・・・

「あ、ジン・・すまない・・・食事に夢中になってしまって・・・話をするのを忘れていた」
「あ、いえいえ大丈夫ですよ!おじさんの料理、喜んでもらえて嬉しいです」
「いや、ホントに美味かった・・・思わず夢中になってしまった。アンナがあそこまで食べる姿を見たのは初めてだ・・・」
「ちょっと!!アルフ止めてよ!!恥ずかしいよ!!」
わたしは思わずアルフをポカっと叩いてしまった。

「ぐぁああっ!!」
「え!!??」
「あああ!!ごめんアルフ!!大丈夫!!?」
しまった・・・
わたし、さっき貰ったギフトの事、忘れた・・・
アルフが叩いた所を抑えて悶えてしまった。

「え・・・えっと・・!?」
ジンさんもビックリしたままだ・・・


「だ、大丈夫だ・・・だが、これからは気を付けてくれ・・・今まで見たいに笑ってられる威力じゃなくなったからな・・・」
「う、うん・・・・」
あうう・・
これからは気を付けないと・・・

「あ、あの・・・・」

ジンさんが困惑してる・・・
そりゃそうだ・・・
女の子が軽く叩いただけなのに、どう見てもダメージを負ったように見えるんだから・・・
いや、実際ダメージ負ってるんだけど・・・

「ああ・・すまないジン。改めて自己紹介させてくれ。俺はアルフ、こっちはアンナ。俺たちはマリネールという村で育って、今日こっちに来たんだ。よろしくな」
いや・・・アルフ・・・
ジンさんが今気にしてるのはそっちじゃない・・・

・・・というわたしもアルフの紹介にぺこりと頭を下げた。

「あ・・・えっと・・・僕はジンです。こちらこそ、よろしくお願いします・・・」
・・・うん、ジンさんそれどころじゃないよね・・・
説明しないと・・・・

「えっと・・・・さっきのはわたしが貰ったギフトが関係してて・・・」
「ギフト・・・ですか?」
「ああ。アンナが授かったのは"鬼神"というギフトなんだ」
「!!???あ、そういうことですか・・・」

やっぱビックリしちゃうよね・・・
わたしも最初はビックリしたもん・・・
まさか・・・・レアギフトで最強枠に入る"鬼神"を貰えるなんて思ってもみなかった。

鬼神は全ての攻撃を強化する非常に強力なギフト。
それは武器でも魔法でも何なら、素手でも強化しちゃうすごいギフト。
だから、さっき軽く叩いてしまったアルフに結構な一撃を与えてしまった・・・
気を付けないとな・・・

「・・・・い・・な・・・」
???
ジンさんが何か言った気がするな・・・?
気のせいかな・・?

それから少し沈黙してしまった。
その沈黙を破ったのは、料理のおじさんだった。

「はは!ジン!!今度はお前の料理をごちそうしろよ!お前の飯だって俺に負けてねえんだから!」
厨房から料理のおじさんが顔を出して話しかけてきた。

「え!!?ジンさんも料理出来るの!!?こんな美味しく!??」
わたしは驚いてしまった。
だってこんな美味しいご飯を作れる人間がもう一人いるんだから・・

「いやいやいや!!僕なんかじゃおじさんの料理には遠く及びませんって!!」
「何言ってんだ!俺の料理を完全マスターしておいて!それでいて新メニューまで考えてるじゃねえか!!」
「い、いえだってそれも僕の仕事ですし・・・」
「ん?冒険者になるんじゃないのか?ジンは」
「あ・・・・えっと・・・・・」
ジンさんは途端に暗い顔になってしまった。
どうしたんだろう・・・?

「実は・・・さっきまではそう思ってたんですけど・・・・」
「??良かったら、事情説明してくれないか?」

それからわたしたちはジンさんの話を聞いた。

英雄譚や祖父母の冒険の話を聴いて、自分も冒険者になろうと決心したこと。
自分には剣や魔法の才能が無く、未だに訓練から卒業できていないこと。
それでも夢を諦めきれずに、ギフトに賭けていたこと。
韋駄天を授かってしまったこと。
それでも諦めきれず、運び屋になろうとしたこと。

ジンさん・・・
わたしと一緒で英雄譚に憧れたんだ・・・
それなのに・・・魔法も剣もダメで・・・
それでも諦めずに頑張ってきたのに・・・


「ジン・・・お前は冒険者になることを諦めるのか?」
「・・・・さっきまでは諦めるつもりはありませんでした・・・反対していたおばさんを何とか説得して、冒険者になろうと思いました・・・」
「さっきまでは・・・?」
「・・・アルフさん・・・でしたよね・・?あなたとトーマス・・・さっきの暴れていたヒューマンを制圧したのを見て思ったんです・・・僕は何も役に立ってないなって・・・」
「・・・・」
「人のケンカでも何も出来ないんです・・・これじゃあモンスターとの戦いじゃ役に立たないどころか足を引っ張ってしまうでしょう?」
「・・・・・」
「いや・・・役に立たないどころか、僕のせいで誰かが傷ついてしまうかもしれません・・・それならいっそ、冒険者を諦めようと思います」
「!?・・・ジン・・・!」
おばさんもどうやら話を聞いていたみたいでホッとしたような顔をした。

「・・・おばさん・・・さっきはごめんなさい・・・僕、分かってなかったです・・・自分が諦めないで行動していたら、もしかしたら誰かが傷ついていたかもしれないって・・・そんな当たり前のことすら思いつかなかったんです」

「ジン・・・」

「おばさん・・・もし良かったら、これからもこのお店で・・・・・」

ジンさんは冒険者を諦めようと決心したみたいだけど・・・
ホントに良いのかな・・・?
だって・・・小さいころからの夢なんじゃ・・・・

わたしがそう思っていた時だった。

「待ってくれ!!!」

突然アルフが大声を出した。

「ジン・・・・冒険者を諦める・・・ホントにそれでいいのか?」
「・・・・・」
「もし、そうじゃないなら、俺の頼みを聞いてくれないか?」
「た、頼み・・・?」
「ああ」



アルフ・・・・
もしかして・・・














「ジン、俺たちと一緒に来て欲しい。俺たちのパーティの運び屋として」

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