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番外編 厳しく育てられたお姉様の顛末9 エレノア視点
★エレノア視点
「……エレノア。君が公費を私的に使用していると聞いたんだが、本当か?」
皇太子であるジュドー殿下が私に問いかけてきた。
ジュドー殿下の額には薄らと汗がにじみ出ている。困惑したようにこちらを見てくるジュドー殿下に私はそっと視線を逸らした。
「……はあ。臣下からの報告は真であったのだな。」
ジュドー殿下は大きなため息をつくと、右手で顔を覆った。
「……申し訳ございません。」
私は謝罪することしかできない。
指先が白くなるほどに拳を握りしめて震えながらジュドー殿下に謝罪をする。
「君がなんでそんなことをしたのかについては理解している。君は家族に指示されて公費を家族の借金返済に当てたんだろう?」
ジュドー殿下の温かな声に私は目に涙を浮かべた。
ジュドー殿下の逞しい腕が私に伸びてきて、目に浮かんだ涙をそっと拭った。
「私は……君の家族のことが許せないよ。でも、それ以上に自分自身が許せない。」
「ジュドー殿下……。」
自分を責めるような言葉を発するジュドー殿下に私はジュドー殿下にまで迷惑をかけていたことを知った。
「私が……私が、いけないのです。私が……家族からの要求をはねつけることができなかったから……。私が弱いから……。私が……私が……。」
いけないことをしているという自覚はあった。
皇太子妃に与えられた公費を私的に使うなどあってはならないことだと頭では理解していた。けれど、お父様やお母様、オフィーリアのことが頭の中に浮かぶとどうしても拒否することができなかった。
弱くてなにもできない自分に嫌気がさす。
皇太子妃になったとて、私は自分を保つことができていない。
皇太子妃の責任感から逃れようとあがくばかりだ。
「君はとてもよくやっている。皇太子妃として皆の見本になろうと努力をしていた。私は、それを知っていたから君を皇太子妃に選んだんだ。」
「私は……。」
「君はとても誠実に皇太子妃という職務をこなしてくれた。けれど、皇太子妃という役割は君には重荷だったようだ。」
ジュドー殿下の声が一段と低くなる。
私はジュドー殿下が言おうとしていることを察して視線を床に落とした。
一つの汚れも無いほどに磨かれた床がよりいっそう私がここにいるべきではない汚れだということを示しているように見えた。
「君はとても疲れてしまったんだね。家族というしがらみと、皇太子妃という重圧に。」
「……はい。私は……私は……。」
ジュドー殿下は私の細く白い腕をそっと掴んだ。そうして、ぎゅっと私の身体を優しく抱きしめる。ジュドー殿下の顔が私の胸元に埋められると、彼は大きく息を吐いた。
「……すまない。私は今まで、君のおかれた状況に気づきもしなかった。あの家から君を連れ出したくて皇太子妃にしてしまった。君だったら皇太子妃として国民の模範になるだろうと思って。私は、君のことをまったく考えていなかった。私は、君を皇太子妃とすることで、君を守ったつもりでいたんだ。けれど、君はこんなにも傷ついていた……。」
痩せ細った身体を確かめるように、ジュドー殿下は私のことを抱きしめる。
皇太子妃としての重圧と、実家からの圧力で私の身体は最近では食事すら受け付けなくなっていた。骨と皮ばかりの身体はとても惨めに思えた。
「……すべては私の心の弱さが招いたことです。ジュドー殿下のせいではありません。」
「……こんなになるまで、私は君の心に気づかなかった。これは私の落ち度でもある。」
「いいえ。ジュドー殿下。ジュドー殿下は悪くありません、悪いのは私で……。」
涙ながらにジュドー殿下に訴える。
ジュドー殿下は悪くない、と。悪いのは私だと。私だけが悪いのだと。
けれど、ジュドー殿下は優しく首を横に振った。
「……君は皇太子妃ではなくなる。そして、君のことを唆した侯爵家は解体される。君の父親は強制労働の刑に処されるだろう。君の母親と妹君は修道院に送られることだろう。すまない。君のことを守れなかった。」
ジュドー殿下の口から飛び出たのは私のしでかしたことへの罰だった。
罰ではあった。
でも、ジュドー殿下の口から私が皇太子妃でなくなると聞いたとき、私の心に浮かんだのは絶望ではなく、やっと皇太子妃という重圧から解放されるという安堵だった。
「……ありがとうございます。ジュドー殿下。」
きっとこの罰はジュドー殿下が決めたのだろう。
私のための罰だということがわかった。
「……君は仮にも皇太子妃であった。罪をおかしたとしても、命まで奪うことはできない。いや、してはいけない。君はとても苦しんでいたのだから。だから、君は皇太子妃ではなくなるけれど、離宮で暮らすことはできる。いや、離宮で暮らしてくれ。なにも心配することなく、これからは離宮で心穏やかに暮らして欲しい。」
ジュドー殿下はまるで泣き叫んでいるようにも見えた。
「……ありがとうございます。ジュドー殿下。罪を犯した私にはもったいないほどの処罰にございます。私は喜んでその処罰を受け入れます。」
離宮に行けるだけの体力は今の私にはないだろう。
今だって、栄養不足からくるめまいと戦っているのだ。
皇太子妃だとて医者にかかれば公費がかかる。周りからは医者にかかるようにと何度となく言われたが、私は少しでも自分のために使う公費を少なくしたかった。すでに公費の大半は実家の借金返済に使い込んでいたのだから。
だから、きっと私はもう長くはない。
でも、それでいいのかもしれない。
この牢獄のような場所から逃げることができるのならば。
「……エレノア、本当にすまない。」
「いいえ。いいのです。ジュドー殿下。私は、こうしてジュドー殿下に気に掛けていただけただけでも幸せです。」
私はそう言って最後の力を振り絞って微笑んで見せた。
もう視界はぼやけてジュドー殿下の表情すら判別できない。
「……エレノア。」
最後に見えたのはジュドー殿下の今にも泣き出しそうな表情だった。
「……笑ってください。ジュドー殿下……。」
私は、そっと目を閉じた。
疲れた……。
すべてに疲れてしまった私は、やっと目を閉じることができることが酷く嬉しかった。
「エレノアっ……。」
部屋の中にはジュドー殿下の嗚咽が響き渡った。
☆☆☆☆☆
2日ほど更新日が空いてしまいすみませんでした。本日以降は完結まで毎日更新いたします。もう少しだけお付き合いください。
「……エレノア。君が公費を私的に使用していると聞いたんだが、本当か?」
皇太子であるジュドー殿下が私に問いかけてきた。
ジュドー殿下の額には薄らと汗がにじみ出ている。困惑したようにこちらを見てくるジュドー殿下に私はそっと視線を逸らした。
「……はあ。臣下からの報告は真であったのだな。」
ジュドー殿下は大きなため息をつくと、右手で顔を覆った。
「……申し訳ございません。」
私は謝罪することしかできない。
指先が白くなるほどに拳を握りしめて震えながらジュドー殿下に謝罪をする。
「君がなんでそんなことをしたのかについては理解している。君は家族に指示されて公費を家族の借金返済に当てたんだろう?」
ジュドー殿下の温かな声に私は目に涙を浮かべた。
ジュドー殿下の逞しい腕が私に伸びてきて、目に浮かんだ涙をそっと拭った。
「私は……君の家族のことが許せないよ。でも、それ以上に自分自身が許せない。」
「ジュドー殿下……。」
自分を責めるような言葉を発するジュドー殿下に私はジュドー殿下にまで迷惑をかけていたことを知った。
「私が……私が、いけないのです。私が……家族からの要求をはねつけることができなかったから……。私が弱いから……。私が……私が……。」
いけないことをしているという自覚はあった。
皇太子妃に与えられた公費を私的に使うなどあってはならないことだと頭では理解していた。けれど、お父様やお母様、オフィーリアのことが頭の中に浮かぶとどうしても拒否することができなかった。
弱くてなにもできない自分に嫌気がさす。
皇太子妃になったとて、私は自分を保つことができていない。
皇太子妃の責任感から逃れようとあがくばかりだ。
「君はとてもよくやっている。皇太子妃として皆の見本になろうと努力をしていた。私は、それを知っていたから君を皇太子妃に選んだんだ。」
「私は……。」
「君はとても誠実に皇太子妃という職務をこなしてくれた。けれど、皇太子妃という役割は君には重荷だったようだ。」
ジュドー殿下の声が一段と低くなる。
私はジュドー殿下が言おうとしていることを察して視線を床に落とした。
一つの汚れも無いほどに磨かれた床がよりいっそう私がここにいるべきではない汚れだということを示しているように見えた。
「君はとても疲れてしまったんだね。家族というしがらみと、皇太子妃という重圧に。」
「……はい。私は……私は……。」
ジュドー殿下は私の細く白い腕をそっと掴んだ。そうして、ぎゅっと私の身体を優しく抱きしめる。ジュドー殿下の顔が私の胸元に埋められると、彼は大きく息を吐いた。
「……すまない。私は今まで、君のおかれた状況に気づきもしなかった。あの家から君を連れ出したくて皇太子妃にしてしまった。君だったら皇太子妃として国民の模範になるだろうと思って。私は、君のことをまったく考えていなかった。私は、君を皇太子妃とすることで、君を守ったつもりでいたんだ。けれど、君はこんなにも傷ついていた……。」
痩せ細った身体を確かめるように、ジュドー殿下は私のことを抱きしめる。
皇太子妃としての重圧と、実家からの圧力で私の身体は最近では食事すら受け付けなくなっていた。骨と皮ばかりの身体はとても惨めに思えた。
「……すべては私の心の弱さが招いたことです。ジュドー殿下のせいではありません。」
「……こんなになるまで、私は君の心に気づかなかった。これは私の落ち度でもある。」
「いいえ。ジュドー殿下。ジュドー殿下は悪くありません、悪いのは私で……。」
涙ながらにジュドー殿下に訴える。
ジュドー殿下は悪くない、と。悪いのは私だと。私だけが悪いのだと。
けれど、ジュドー殿下は優しく首を横に振った。
「……君は皇太子妃ではなくなる。そして、君のことを唆した侯爵家は解体される。君の父親は強制労働の刑に処されるだろう。君の母親と妹君は修道院に送られることだろう。すまない。君のことを守れなかった。」
ジュドー殿下の口から飛び出たのは私のしでかしたことへの罰だった。
罰ではあった。
でも、ジュドー殿下の口から私が皇太子妃でなくなると聞いたとき、私の心に浮かんだのは絶望ではなく、やっと皇太子妃という重圧から解放されるという安堵だった。
「……ありがとうございます。ジュドー殿下。」
きっとこの罰はジュドー殿下が決めたのだろう。
私のための罰だということがわかった。
「……君は仮にも皇太子妃であった。罪をおかしたとしても、命まで奪うことはできない。いや、してはいけない。君はとても苦しんでいたのだから。だから、君は皇太子妃ではなくなるけれど、離宮で暮らすことはできる。いや、離宮で暮らしてくれ。なにも心配することなく、これからは離宮で心穏やかに暮らして欲しい。」
ジュドー殿下はまるで泣き叫んでいるようにも見えた。
「……ありがとうございます。ジュドー殿下。罪を犯した私にはもったいないほどの処罰にございます。私は喜んでその処罰を受け入れます。」
離宮に行けるだけの体力は今の私にはないだろう。
今だって、栄養不足からくるめまいと戦っているのだ。
皇太子妃だとて医者にかかれば公費がかかる。周りからは医者にかかるようにと何度となく言われたが、私は少しでも自分のために使う公費を少なくしたかった。すでに公費の大半は実家の借金返済に使い込んでいたのだから。
だから、きっと私はもう長くはない。
でも、それでいいのかもしれない。
この牢獄のような場所から逃げることができるのならば。
「……エレノア、本当にすまない。」
「いいえ。いいのです。ジュドー殿下。私は、こうしてジュドー殿下に気に掛けていただけただけでも幸せです。」
私はそう言って最後の力を振り絞って微笑んで見せた。
もう視界はぼやけてジュドー殿下の表情すら判別できない。
「……エレノア。」
最後に見えたのはジュドー殿下の今にも泣き出しそうな表情だった。
「……笑ってください。ジュドー殿下……。」
私は、そっと目を閉じた。
疲れた……。
すべてに疲れてしまった私は、やっと目を閉じることができることが酷く嬉しかった。
「エレノアっ……。」
部屋の中にはジュドー殿下の嗚咽が響き渡った。
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