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しおりを挟む「ようこそおいでくださいました。ジュドー様。」
「お待ちしておりました。ジュドー様。」
「ああ。久しぶりだね。エレノア嬢。オフィーリア嬢。今日はお招きありがとう。」
雲一つない快晴のある日、ジュドー様はお父様に伴われてオールフォーワン侯爵家にいらっしゃいました。
「もうすぐ、私の婚約者を決めなければいけないからね。少しでも婚約者候補の皆と交流を深めようと思って今日は時間をとってもらった。」
ジュドー殿下は開口一番に今日の訪問の目的を告げた。
確かに、ジュドー殿下の誕生日まであまり日にちがない。ジュドー殿下の中でもまだ婚約者を決めかねているのかもしれない。
「ご配慮ありがとうございます。」
「ジュドー様。私もその婚約者候補の一人にいれてくださいますか?」
ジュドー殿下にお礼を言うと、即座にオフィーリアが私とジュドー殿下の間に割り入ってきた。
「ははっ。オフィーリア嬢は面白いことを言うね。」
「ふふっ。私、エレノアお姉さまよりも皇太子妃に向いていると思うんですよね?」
「オフィーリア。ジュドー殿下に失礼ですよ。」
「ほお。どういうところがそう思うのかな?」
オフィーリアはジュドー殿下の腕に触りながら、上目遣いでジュドー殿下に問いかける。
可愛いオフィーリアは、自分が一番魅力的に相手の目に映るにはどうしたらいいかを知っている。
ジュドー殿下も笑顔を浮かべたままオフィーリアに相対する。
「ふふっ。私、エレノアお姉さまよりも魅力的な女性ですわ。それに、エレノアお姉さまと違って、意地悪されても黙って落ち込んだりいたしませんわ。意地悪されないように自分の意見ははっきり言うようにしていますの。エレノアお姉さまみたいに、自分の意見を飲み込んでしまったりなどいたしませんわ。」
オフィーリアは自慢気に胸を張った。
「ほおぉ。それは頼もしい限りだね。」
ジュドー殿下もオフィーリアのことを気に行ったのか、目を細めてオフィーリアを見つめる。
オフィーリアの発した言葉に私はグッと息を飲みこんだ。
「そうでしょう?皇太子妃たるもの。はっきりと発言をしなければならないと思いますの。それに、女性たちの頂点に立つのですもの。他の人たちから侮られたりしてはなりませんわ。」
「そうだね。確かに、オフィーリア嬢の言うことは一理あるね。」
「そうでしょう?私、エレノアお姉さまとは違うんです。ねえ、ジュドー様?私、エレノアお姉さまには皇太子妃というのは重すぎるのではないかと思っておりますの。皇太子妃になってしまったらエレノアお姉さまは重責で押しつぶされてしまいますわ。エレノアお姉さまは真面目過ぎますし、積極性が足りないと思いますの。」
「そうか。オフィーリア嬢はエレノア嬢のことが大好きなんだね。」
「ふふっ。そうなんですの。私はエレノアお姉さまのことが大好きなんですの。ジュドー様はよくわかってらっしゃいますわ。」
そう言って、ジュドー殿下とオフィーリアは互いに笑みを見せながら笑いあった。
二人がとてもお似合いのように私には映った。
「……オフィーリア。確かに私には足りないところがあるかもしれないわ。それでも、皇太子妃教育をおこなってきたのよ。オフィーリアは皇太子妃教育を受けていないでしょう?今からでも良いから、皇太子妃になりたいのなら、皇太子妃教育をちゃんとに受けてほしいわ。」
「もーう。エレノアお姉さまのそういうところが固いのですわ。皇太子妃教育がなんなんだというのです。お堅いだけの授業でしょう?もっと、エレノアお姉さまは楽しまなきゃなりませんわ。皇太子妃になってしまったら、自由なんてないのだから。今のうちに楽しまいきゃ。」
「……オフィーリア。」
オフィーリアの言葉に私はまた何も言えなくなってしまった。
こんな私だから、オフィーリアに皇太子妃に相応しくないと言われてしまうのだ。
「エレノア嬢はいつも頑張っている。それは私も知っているよ。誰よりも皇太子妃という役割に責任を持っている。私はそう思っているよ。けれど、確かにオフィーリア嬢の言うとおり今のうちに楽しめることを楽しんだ方がいいと思う。まあ、オフィーリア嬢はちょっとばかり楽しみすぎだとは思うけれど。」
そう言ってジュドー殿下は苦笑した。
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