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第一章
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しおりを挟む地面にダイブしそうになった私を助けてくださったのは、金髪碧眼の王子様でした。
って、これ乙女ゲームの王道展開じゃないですか!
もちろん悪役令嬢と王子ではなくて、ヒロインと王子の王道展開。
なぜ、このイベント私が起こしちゃってるの。
しかも、ヒロインのアンナが見ている前で・・・。
ヒロインとも攻略対象者とも会わずにのんびりまったり、スローライフを送りたかったのに。
いくら、公爵家追放を覚悟していたって、断罪イベントはスルーしたいに決まってる。
だから、できればヒロインにも攻略対象にも会いたくなかったのに、なぜ私はメインヒーローのアレキサンドライト殿下に抱き止められているのでしょう。
「ちょっ!それ私のポジションっ!!」
ああ、案の定アンナが地団駄を踏んでる。
こちらを睨んでくる目が、つり上がってるよ。
対して殿下はアンナのことなんて全然みていないし。私のこと見つめて、にっこり微笑んでるし。
このスチルお気に入りだったけどさ、だったけどさ!
相手が私(悪役令嬢)っていうのは絵になっていないんじゃないかしら。
「お怪我はありませんか?子猫ちゃん」
キモッ!!
って思ってしまった私は悪くない。
顔がひきつってしまうのを押さえられない。
二次元なら「子猫ちゃん」呼びもまだ許せるけど、三次元じゃないわ。いくら格好いい王子様でも、それはない。
無理。
私は無理。
ゲームをプレイしているときは、その声と表情にときめいたりしたが、やはり二次元だからだった。
実際にいるとやっぱり無理だわ。
引きつりそうになる笑顔を培った令嬢としての教育でカバーしながら、
「殿下、助けていただいてありがとうございます」
やんわりと殿下の腕から逃れる。
「もっと、僕の腕の中にいてくれていいのに。君だったら大歓迎だよ。ティーガにしたように、僕をその柔らかい身体で包んでくれないかい?」
無理っ!!殿下ってこんな性格だったっけ!?
ああ、そうだ、ヒロインとの好感度が高いとこんな台詞言ってたなぁ。私、ヒロインじゃないんだけど。。。
「殿下。アンナ様が見ております。お戯がすぎますわ。」
なんで、殿下私をロックオンしてるんだろう。
解せぬ。
私は悪役令嬢なのに。
「アレク様!なぜそのような女に!!その女はティーガに悪口を言うような悪役令嬢なんですよ!」
必死になるアンナ。
それもようよね。私とアンナの立ち位置が全くの逆になってしまっているんですもの。
でも、それ逆効果な気がするのは私だけかしら・・・?
「君は誰だい?それにアルメディア嬢はティーガに悪口なんか言っていないよ。嘘を吐くのは好ましくないな」
アンナに笑顔を見せている殿下だが、その目は笑ってはいない。
これは、殿下が怒っているときのスチル!バッドエンドの時の表情と全く一緒。
「きょ、今日のところは許してあげるわ!私はヒロイン!心が広いんだもの!感謝しなさい!!次はこうはいかないからね!」
アンナはそう叫ぶと脱兎の勢いで去っていってしまった。
それ、悪役の捨て台詞だと思うのだけど・・・。
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