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第三章

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「アンナ嬢がアレキサンドライト様の部屋に夜行っているなんて聞いたことありませんわ。偽りではなくって?」

ヒロインちゃんからは聞いてないよ。アレキサンドライト様のところに言っているなんて。
ヒロインちゃんが本当にアレキサンドライト様のところに行ってたら教えてくれると思う。

「あら?私の取り巻きから聞きましたのよ?嘘なんて言わないわよ。私に嘘なんておっしゃってみなさい。取り巻きから外してあげるんだから」

そんなに取り巻きの人信じちゃっていいのかなぁ。
自分で調べずに、もたらされた情報を鵜呑みにするなんて。
そんな人がアレキサンドライト様のお妃様になれるのかしら。
それに、アレキサンドライト様はただの王子さまではない。ゆくゆくは王太子となっていずれは王になるのだ。
故に、アレキサンドライト様のお妃様は未来の王妃と言っていい。
そんな人が、アクドーイ公爵令嬢みたいに人からもたらせる噂だけを信じてしまうことは、国が傾くことになりかねない。

矯正しなきゃ!

もしくは、婚約を事態してもらわなければ・・・。

「アリア様はご自分の目で確かめてはいらっしゃらないのですね?あまりお側に侍っている方のことを信じてばかりいると、足をすくわれるわよ?」

王宮って怖いんだから。

「まあ!まあ!!貴女もあの女みたいなことをおっしゃるのね!男爵令嬢ごときに感化されるなんて!!」

おめめ吊り上げて怒っているけど、私間違ったこと言っていないよね?
まあ、アクドーイ公爵令嬢がどうなろうと関係ないけれど。

アクドーイ公爵令嬢が金切り声をあげるたびに、なぜか怒りに見ていた心が落ち着いてくる。

結構小者だよなぁ。
アクドーイ公爵令嬢って。

もしかして、いじめの先導をとっているのはアクドーイ公爵令嬢じゃないのかしら?

「アリア様・・・」

「私、失礼いたしますわ。貴女もあの女には肩入れしない方がいいわよ?いつも一緒にいるみたいだけど、それは果たして本当の友情なのかしら?」

いじめのこと、聞こうと思ったのに、そう言うとアクドーイ公爵令嬢は颯爽と去っていってしまった。

・・・なぜ?

もっと、絡まれるかと思ったのに。
不思議に思って首を傾げる。

「・・・華?」

「えっ?」

ふわっと後ろから誰かに抱き締められる。
そうか、人が来たからアクドーイ公爵令嬢は去っていったのね。
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