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第4話
「奥様。朝食のお時間でございます。食堂に参りますか?それとも、お部屋にお持ちいたしましょうか。旦那様からはお好きな方で召し上がって良いと伺っております。」
翌日の朝、侍女頭のユーフェがやってきた。
「そうね。食堂に行くわ。」
食堂に行かなければきっとルードヴィッヒ様に挨拶することができないような気がして食堂を選んだ。
きっと、ルードヴィッヒ様は私の自室にはよほどの用事がない限り来ないだろう。誰に聞いたわけでもないが、そんな気がする。結局昨夜も私の部屋にルードヴィッヒ様が来ることはなかったのだから。
「かしこまりました。それでは案内いたします。ライラ、奥様を食堂まで案内してください。」
傍に控えていた黒髪の女性にユーフェは命令した。
ライラと呼ばれた侍女は一礼した。
「奥様。食堂までご案内いたします。」
「ええ。お願いね。」
この屋敷に来たばかりで私にはまだ専属の侍女がいない。
誰が指名されるのか、それとも私が指名していいのかもわからない。
これに関してもルードヴィッヒ様に確認しなければならない。
「こちらでございます。」
ライラに案内されて1階の南側にある食堂に案内された。
そこには既にルードヴィッヒ様が……いらっしゃらなかった。
ルードヴィッヒ様はとてもしっかりとされたお方だと聞いている。定刻前には食堂に来ているものと思われたのだが……。
「ありがとう。それで……あの、ルードヴィッヒ様は?」
用意された椅子に座ってから後ろに控えているライラに声をかける。
まさか、ルードヴィッヒ様が寝坊をなさるなんて思えない。でも、寝坊かもしれない。そんな淡い期待を描いて。
「……旦那様は離れでミーア様とお召し上がりになるとのことです。」
ライラは言い辛そうに告げた。
「……ミーア様というのはどなたなのかしら?」
確か、ルードヴィッヒ様にはご兄弟はいらっしゃらないはずだ。それにルードヴィッヒ様のお父様もお母様もルードヴィッヒ様がまだ10歳だった頃に事故で他界したと聞いている。
「あっ……。し、失礼いたしました。今のはお聞き逃し下さい。」
ライラは慌てたように両手で自分の口を押さえた。
どうやら言ってはいけないことを言ってしまったようだ。
「……そう。ミーア様と言うのは女性なのかしら?いつから、離れで暮らしているのかしら?」
ライラは聞かなかったことにして欲しいと言うが、とてもではないが聞かなかったことにはできそうにもない。
新婚である私を置いて、ミーアという人の元に夫は言っているのだ。事情があるのかもしれないが、それならそれで秘密にせずに教えて欲しい。
「も、申し訳ございませんっ……。私の口からはっ……。でも、きっと奥様もミーア様のことを気に入ってくださると思います。」
「そう。ルードヴィッヒ様に口止めされているのね。仕方ないわ……。では、ルードヴィッヒ様にいくつかお聞きしたいことがあるの。ルードヴィッヒ様にお会いできないか確認してもらえないかしら?」
「……承知いたしました。」
ライラが頷いたのを確認してから、出された朝食を口に運んだ。
味は……きっと美味しいのだろうけれど、今の私にはなんの味も感じられなかった。
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