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しおりを挟む「うさぎちゃん、気持ちいい?」
「・・・うん。」
うさぎちゃんはオレの問いかけにうっとりとした表情を浮かべながら頷いた。
オレの問いかけに素直に答えてくれるうさぎちゃん。これなら、うさぎちゃんが何を悩んでいるのか今なら答えてくれるかもしれない。
「なにか、困っていることや悩み事はあるの?」
「・・・寂しいの。」
オレが問いかけると、うさぎちゃんはポツリと言葉をこぼした。それは、か細く今にも消え入りそうな声だった。
「え?」
寂しい?
思ってもみなかった言葉がうさぎちゃんから飛び出てきたので驚いてしまった。
まさか寂しかったからだなんて。
「あの、アメリーさん。今までうさぎちゃんはずっと一匹でここにいるんですか?ミルクの味が変わる前もずっと一人でいたんですか?」
「いいえ。少し前までうさぎちゃんのそばにはいつもニャーがいたわ。でも、ニャーは2年前に天寿をまっとうしたの。」
「そうですか。うさぎちゃんは、寂しいって言ってます。ニャーちゃんがいなくなってしまってからずっと寂しかったのではないでしょうか。」
「そう・・・だったの。そうよね。どうして私、気づかなかったのかしら。うさぎちゃんとニャーはずっと一緒だったのに。」
アメリーさんはそう言って涙を一筋流した。仲がよかったうさぎちゃんとニャーちゃんのことを思い出したのだろうか。
でも、天寿をまっとうしたニャーちゃんを呼び戻すわけにはいかない。
うさぎちゃんの新しい友達を増やすのが良いのだろうか。でも、ただ増やしても気が合わないと意味が無いだろう。
「うさぎちゃん。お友達が欲しい?」
オレはうさぎちゃんと視線を合わせてそう尋ねた。うさぎちゃんの性格に合う子を迎えられたらと思ったのだ。
「欲しい。ずっとずっと一緒にいれる友達が欲しいの。」
うさぎちゃんはそう言って俯いてしまった。正直ずっと一緒にいれる友達というのは難しいだろう。
「男性と女性、性別はどちらがいいかな?」
「どっちでもいいの。ずっと一緒にいてくれるなら。」
「種族は?猫がいい?それともうさぎちゃんと同じ種族がいいかな?」
「なんでもいいの。ずっと私と一緒にいてくれるなら。」
どうやら、うさぎちゃんにとって一番大切なことはずっと一緒にいてくれることらしい。
「アメリーさん。うさぎちゃんはずっと一緒にいられる友達を欲しがってます。性別や種族は問わないようです。心当たり、ありますか?」
オレはそばで見守っていたアメリーさんに視線を移すと問いかけた。
アメリーさんはしばらく首を傾げて考え込んでいたようだが、しばらくして顔を上げた。
「そうね・・・。ねえ、もうひとつお願いしてしまって悪いのだけど、はぐれニャーがいたら連れてきてくれないかしら?何匹でもいいわ。うさぎちゃんのお友達にするから。」
アメリーさんはそうオレにお願いしてきた。
というか、はぐれニャーってなんだろうか。
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