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乙女ゲームのヒロインに転生したはずなのに、闇魔法しか使えません
私、リリーナ・オルトフェンは5歳の誕生日に高熱を出した。
「はぁ……。はぁ……。おかあ……さまぁ……。」
頭が痛い。目の前がぐるぐるとまわる。呼吸も苦しい。
身体は熱くとても息苦しい。
酸素を求めるように口を大きく開けて息を吸い込もうとするが、うまくいかない。
私は、このまま死んでしまうのだろうか。
「リリーナ。リリーナ。今、お医者様が来てくださいますからね。」
「……おかあ…………しすたぁー……。」
孤児院のシスターエーステが私の顔を覗き込みながら優しく頭を撫でてくれる。
優しく触れるシスターエーステの手のぬくもりのお陰で少し息が吸えるようになったような気がした。
「大丈夫ですよ。リリーナ大丈夫です。きっと貴方は病に打ち勝ちますよ。」
「しすたー……えーすて……。」
「リリーナっ!」
優しいシスターエーステの笑顔を見た私は、安心してそのまま意識を手放した。
☆☆☆☆☆
「友梨香。メメラニアメモリーどこまで進んだ?」
「んー。王子ルートに入ったとこだよ。悪役令嬢のマチルダは学園追放になったし、あとはどの選択肢を選んでも王子ルートからは外れないと思う。」
「相変わらず早いねぇ。私はねぇ、光魔法の適性があることが判明して、メメラニア王立学園に入学したところだよぉ。」
「……へ?それってプロローグじゃ……?」
「うふふ。そうだねぇ。だって、メメラニアメモリーが発売されたのは期末テストの3日前だよ?そして今日はテスト明け初日。友梨香が早すぎるんだって。」
「……そうかな?徹夜でプレイしてればこれくらい軽いって……。」
「テスト勉強でほとんど寝てなかったから昨夜は寝ちゃってたわよ。むしろ友梨香が徹夜でプレイしていることがおかしい。」
「そうかな?」
「そうだよ。ね?主人公の名前なににしたの??やっぱり自分の名前かしら?」
「んー?名前はデフォルトのままだよ。自分の名前をつけるなんて恥ずかしいし。」
「ふぅん。じゃあ、リリーナ・オルトフェンのままなんだ。」
「うん。そう。」
「ねえ。リリーナってさ、孤児なんだよね?やっぱり親はどこかの御貴族様だったり?だから、光魔法が使えるとか?」
「……それは、ネタバレじゃない?自分でプレイして確かめてみなよ。」
「気になるんだもーん。」
「……気になるなら、早くプレイしなよ。」
「ええー。いいじゃん。もったいぶらないでさぁ。」
「……ないしょ。楽しみが減っちゃうでしょ?」
「そうだけど、気になるしぃ。」
何気ない会話。何気ない風景。
私、友梨香は友達と新しく発売した乙女ゲームの話で盛り上がってたっけ。
でも、友達と別れて家に帰宅して自宅のドアを開けたときに、自宅から出てきた目出し帽をかぶった強盗と鉢合わせしてしまった。
驚く間もなく腹部に熱い痛みが二度走る。
「うっ……。」
思わず玄関に制服姿のまま蹲る私。
そんな私を押しのけて、強盗は慌ただしくうちから出て行った。
そこから先の記憶はない。
けれど、記憶がないということは友梨香としての私はきっと死んだのだろう。
☆☆☆☆☆
「……リリーナ。リリーナ。」
シスターエーステが私を呼ぶ声がする。
私はシスターエーステの声に導かれるようにそっと目を開けた。
「ああっ……。リリーナ。よかった。リリーナ。熱が下がっても目を覚まさないから心配していたのよ。喉が渇いていない?果実水があるのよ。」
「……しすたー……えーすて?」
喉がひりついていて声がかすれる。思うように声が出せない。
シスターエーステは私のかすれた声に気づいて、すぐに果実水を口に含ませてくれた。
ほんのり甘い果実水をゆっくりと飲み込むと、少し喉の具合がよくなったように思えた。
「シスターエーステ。心配かけてごめんなさい。」
「……リリーナ。いいのよ。こうして熱が下がったのだもの。なにか食べたいものはあるかしら?」
「……アイスクリーム食べたい。」
冷たいアイスクリームが食べたい。
熱が出ると……具合が悪くなると人に甘えてしまう癖がでてしまう。
冷たくて甘いアイスクリームが食べたくて、何も考えずに声に出す。
「……あいす、くりぃむ?リリーナ、それはなぁにかしら?」
しばらくの後、シスターエーステは困惑したように聞き返してきた。
「アイスクリーム」をシスターエステは知らないようだ。
「……アイスクリームってなんだっけ?甘くて冷たいものが食べたい。」
「まあ、リリーナったら熱の所為ね。ちょうど桃が冷えていたわね。持ってくるから待っていてね。」
シスターエーステは、そう言って部屋から出て行った。
シスターエーステが部屋から出て行くと部屋の中は急に静寂に包まれる。誰もいない薄暗い空間。どこか寂しくて涙がでそうになった。
「……アイスクリーム、食べたいな。」
夢で友梨香だった記憶を見たからか、具合の悪いときはハーゴンダッチョのアイスクリームを食べていたことを思い出して、思わずシスターエーステにねだってしまった。
この世界にはハーゴンダッチョどころかアイスクリームだって存在しないのに。
「……わたし、転生したのかなぁ。」
友梨香の記憶は途中で途絶えている。強盗に刺されてからの記憶がまったくない。つまりは、私はそのまま死んでしまって、リリーナ・オルトフェンとして転生したと考えた方が自然だ。
……転生か。
異世界転生って創作物の中だけの話かと思っていた。まさか、自分が経験するだなんて。
乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生したって話は良く聞く。
でも、リリーナ・オルトフェンは悪役令嬢じゃない。
10歳の誕生日に光魔法を使えるようになって、乙女ゲームのヒロインとしてメメラニア王立学園に編入することになるんだ。
……悪役令嬢じゃなくて、ヒロインに転生してよかった。悪役令嬢だったら困難がいっぱい待っているものね。その点、ヒロインであるリリーナなら、どんなに悪くても攻略対象とのお友達エンドですむから、そんなに意気込まなくても大丈夫そうだ。
まだ、メメラニアメモリーやりこんでないし。王道の王子ルートの攻略中だったしなぁ。まあ、メインの攻略対象にはそれほど惹かれなかったし。攻略対象とはお友達エンドでいいのかもしれない。
だって、攻略対象は誰も彼も大きな使命を持っていて、私にその相手を務めるのは荷が重いと感じる。王子たちとの恋の課程を楽しめるのは創作物だからであって、実際に体験したいわけじゃない。
「リリーナ。桃を持ってきたわよ。食べれるかしら?」
考え事をしていると、シスターエーステが一口大に切った桃を持ってきてくれた。
私は「あーん」と言いながら口を開ける。
「まあ、リリーナったら。甘えん坊さんね。」
シスターエーステは笑いながら私の口に良く冷えた桃をいれてくれた。
「……おいしい。」
アイスクリームほど甘くはないけれど、とても優しい甘みが口の中に広がって私は笑みを浮かべた。
このときの私は、10歳になったら光魔法を使えるようになると信じていた。でも、現実は……。
私、リリーナ・オルトフェンは5歳の誕生日に高熱を出した。
「はぁ……。はぁ……。おかあ……さまぁ……。」
頭が痛い。目の前がぐるぐるとまわる。呼吸も苦しい。
身体は熱くとても息苦しい。
酸素を求めるように口を大きく開けて息を吸い込もうとするが、うまくいかない。
私は、このまま死んでしまうのだろうか。
「リリーナ。リリーナ。今、お医者様が来てくださいますからね。」
「……おかあ…………しすたぁー……。」
孤児院のシスターエーステが私の顔を覗き込みながら優しく頭を撫でてくれる。
優しく触れるシスターエーステの手のぬくもりのお陰で少し息が吸えるようになったような気がした。
「大丈夫ですよ。リリーナ大丈夫です。きっと貴方は病に打ち勝ちますよ。」
「しすたー……えーすて……。」
「リリーナっ!」
優しいシスターエーステの笑顔を見た私は、安心してそのまま意識を手放した。
☆☆☆☆☆
「友梨香。メメラニアメモリーどこまで進んだ?」
「んー。王子ルートに入ったとこだよ。悪役令嬢のマチルダは学園追放になったし、あとはどの選択肢を選んでも王子ルートからは外れないと思う。」
「相変わらず早いねぇ。私はねぇ、光魔法の適性があることが判明して、メメラニア王立学園に入学したところだよぉ。」
「……へ?それってプロローグじゃ……?」
「うふふ。そうだねぇ。だって、メメラニアメモリーが発売されたのは期末テストの3日前だよ?そして今日はテスト明け初日。友梨香が早すぎるんだって。」
「……そうかな?徹夜でプレイしてればこれくらい軽いって……。」
「テスト勉強でほとんど寝てなかったから昨夜は寝ちゃってたわよ。むしろ友梨香が徹夜でプレイしていることがおかしい。」
「そうかな?」
「そうだよ。ね?主人公の名前なににしたの??やっぱり自分の名前かしら?」
「んー?名前はデフォルトのままだよ。自分の名前をつけるなんて恥ずかしいし。」
「ふぅん。じゃあ、リリーナ・オルトフェンのままなんだ。」
「うん。そう。」
「ねえ。リリーナってさ、孤児なんだよね?やっぱり親はどこかの御貴族様だったり?だから、光魔法が使えるとか?」
「……それは、ネタバレじゃない?自分でプレイして確かめてみなよ。」
「気になるんだもーん。」
「……気になるなら、早くプレイしなよ。」
「ええー。いいじゃん。もったいぶらないでさぁ。」
「……ないしょ。楽しみが減っちゃうでしょ?」
「そうだけど、気になるしぃ。」
何気ない会話。何気ない風景。
私、友梨香は友達と新しく発売した乙女ゲームの話で盛り上がってたっけ。
でも、友達と別れて家に帰宅して自宅のドアを開けたときに、自宅から出てきた目出し帽をかぶった強盗と鉢合わせしてしまった。
驚く間もなく腹部に熱い痛みが二度走る。
「うっ……。」
思わず玄関に制服姿のまま蹲る私。
そんな私を押しのけて、強盗は慌ただしくうちから出て行った。
そこから先の記憶はない。
けれど、記憶がないということは友梨香としての私はきっと死んだのだろう。
☆☆☆☆☆
「……リリーナ。リリーナ。」
シスターエーステが私を呼ぶ声がする。
私はシスターエーステの声に導かれるようにそっと目を開けた。
「ああっ……。リリーナ。よかった。リリーナ。熱が下がっても目を覚まさないから心配していたのよ。喉が渇いていない?果実水があるのよ。」
「……しすたー……えーすて?」
喉がひりついていて声がかすれる。思うように声が出せない。
シスターエーステは私のかすれた声に気づいて、すぐに果実水を口に含ませてくれた。
ほんのり甘い果実水をゆっくりと飲み込むと、少し喉の具合がよくなったように思えた。
「シスターエーステ。心配かけてごめんなさい。」
「……リリーナ。いいのよ。こうして熱が下がったのだもの。なにか食べたいものはあるかしら?」
「……アイスクリーム食べたい。」
冷たいアイスクリームが食べたい。
熱が出ると……具合が悪くなると人に甘えてしまう癖がでてしまう。
冷たくて甘いアイスクリームが食べたくて、何も考えずに声に出す。
「……あいす、くりぃむ?リリーナ、それはなぁにかしら?」
しばらくの後、シスターエーステは困惑したように聞き返してきた。
「アイスクリーム」をシスターエステは知らないようだ。
「……アイスクリームってなんだっけ?甘くて冷たいものが食べたい。」
「まあ、リリーナったら熱の所為ね。ちょうど桃が冷えていたわね。持ってくるから待っていてね。」
シスターエーステは、そう言って部屋から出て行った。
シスターエーステが部屋から出て行くと部屋の中は急に静寂に包まれる。誰もいない薄暗い空間。どこか寂しくて涙がでそうになった。
「……アイスクリーム、食べたいな。」
夢で友梨香だった記憶を見たからか、具合の悪いときはハーゴンダッチョのアイスクリームを食べていたことを思い出して、思わずシスターエーステにねだってしまった。
この世界にはハーゴンダッチョどころかアイスクリームだって存在しないのに。
「……わたし、転生したのかなぁ。」
友梨香の記憶は途中で途絶えている。強盗に刺されてからの記憶がまったくない。つまりは、私はそのまま死んでしまって、リリーナ・オルトフェンとして転生したと考えた方が自然だ。
……転生か。
異世界転生って創作物の中だけの話かと思っていた。まさか、自分が経験するだなんて。
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でも、リリーナ・オルトフェンは悪役令嬢じゃない。
10歳の誕生日に光魔法を使えるようになって、乙女ゲームのヒロインとしてメメラニア王立学園に編入することになるんだ。
……悪役令嬢じゃなくて、ヒロインに転生してよかった。悪役令嬢だったら困難がいっぱい待っているものね。その点、ヒロインであるリリーナなら、どんなに悪くても攻略対象とのお友達エンドですむから、そんなに意気込まなくても大丈夫そうだ。
まだ、メメラニアメモリーやりこんでないし。王道の王子ルートの攻略中だったしなぁ。まあ、メインの攻略対象にはそれほど惹かれなかったし。攻略対象とはお友達エンドでいいのかもしれない。
だって、攻略対象は誰も彼も大きな使命を持っていて、私にその相手を務めるのは荷が重いと感じる。王子たちとの恋の課程を楽しめるのは創作物だからであって、実際に体験したいわけじゃない。
「リリーナ。桃を持ってきたわよ。食べれるかしら?」
考え事をしていると、シスターエーステが一口大に切った桃を持ってきてくれた。
私は「あーん」と言いながら口を開ける。
「まあ、リリーナったら。甘えん坊さんね。」
シスターエーステは笑いながら私の口に良く冷えた桃をいれてくれた。
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