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僕の名前は「マオ」である。
由来は、中国語で「猫」をマオと発音するところから来ている。
飼い主の安直な名前の付け方がうかがえる名前である。

猫にもいろいろな種類があるが僕は雑種だ。MIXとも言われている。
野良猫の子供だ。
生後六ヶ月の僕は、母さんが世話になっていた人間の家に、僕だけおいていった。
この家なら僕が可愛がってもらえると信じて。
でも、僕は母さんと一緒にいたかった。
でも、一緒にはいられないと断られてしまった。

僕は母さんから人間と一緒に暮らすためにはどうしたらいいかを教わった。
人間に捨てられたときの生きていく術も教えてもらった。

教えてもらったそれらを、近所にいる猫たちに教えることにした。
一匹でも多くの猫が可愛がってもらえるようになるために。

これは、そんな僕の奮闘記である。

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