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本編
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しおりを挟む「ふ、ふははははっ。プーちゃんとはのぉ~。実に面白い人間じゃ。」
精霊王は何が面白いのかゲラゲラと笑い転げている。
プーちゃんはその反対にしかめっ面だ。
名づけろといったから名づけたというのにどうしてそう浮かない顔をしているのだろうか。
首を傾げて意見を伺うようにアクアさんを見るとアクアさんの頬が引きつっていた。
あれ?
と、思ってメリードット先生を見るとこちらも頬が盛大に引きつっていた。
さらには、邪竜と相対しているトリードット先生の方に視線を向けると、トリードット先生の頬も引きつっているような気がした。
「えっとぉ。みんなどうしたのかな・・・?」
恐る恐るアクアさんに確認すると、アクアさんは「はぁ・・・。」と大きなため息をついた。
「エメロードちゃんってさぁ、ネーミングセンスなさすぎだね。さすがにプーちゃんって名前じゃあちょっとこの精霊さんが可哀相だと思ったのよ。」
「そ、そうだぞぉ。さすがにプーちゃんという名前は間抜けすぎるというかなんというか・・・。こうもうちょっとまともな名前はなかったのか?」
どうやら、私のネーミングセンスの問題らしいです。
アクアさんもメリードット先生も私がつけた名前に反対のようです。
「でも・・・プーちゃんってイメージなんだよねぇ。」
そうなのだ。
一目見たときからプーちゃんって名前が一番相応しいような気がしていたのだ。
「・・・プーちゃん。よりによってまたプーちゃん・・・。」
プーちゃんは何やらブツブツ言っているが気にしないことにする。
「ちょっと!!少しくらいはこっちを気にしなさいよね!そんな蛇モドキを構っていないで!なんで私の育てた精霊の卵から邪竜が孵るとかそんな話になっているのよ。この私が育てたのよ!邪竜が生まれてくるはずないじゃない!まったく失礼な人たちだわ。お父様に言って、あなたたち皆罰してもらいますわっ!」
プーちゃんの名づけでもめていると奥の方からシルヴィアさんらしき声が聞こえてきた。
シルヴィアさんったらこの状況でも動じていなかったんだ。
「ジェリードット先生でしたっけ?私の卵をよくも邪竜、邪竜と・・・。私の精霊の卵が怒っても仕方がありませんわ。だからジェリードット先生が負傷していても私のせいじゃありませんわ。」
「なぜじゃっ!その卵は邪竜なのじゃ!!早く手放すのじゃ!」
トリードット先生が必死に言葉を紡ぐ。
しかし、シルヴィアさんはその言葉には耳を貸さなかった。
シルヴィアさん・・・無事だったんだ。
まだ卵が孵化していないからかシルヴィアさんは無事だったようだ。
「私の精霊の卵は邪竜ではないと何度言ったらわかりますの!!失礼ですわっ!!」
そして、シルヴィアさんが激高した瞬間、シルヴィアさんの胸元から黒い霧が立ち上り、その霧はトリードット先生の胸に突き刺さった。
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