48 / 70
本編
47
しおりを挟む目が覚めたらそこには見知らぬ天井が・・・いや、良く見知った天井だった。
最近よく目にする天井だった。
どうやらここは高等魔術学院の寮のようだ。
さっきまで職員棟にいて邪竜と相対していたのに、なぜ寮の自室にいるのだろうか。
あれ?
そう言えば邪竜はどうなったのだろうか。
アクアさんは・・・?
トリードット先生は・・・?
ジェリードット先生は・・・?
メリードット先生は・・・?
みんなどうしたのだろうか?
ムクッと寮に備え付けられているベッドから起き上がると、窓から外を見た。
窓から見える外の景色は真っ黒だった。
いや、真っ暗だった。
夜空には星が浮かび、王都の街の煌びやかな明かりが見える。
いつも通りの夜・・・のように見える。
まるで邪竜が孵化したことが夢だったかのように。
時計の針を見ると午後8時を指していた。
「ぐぅーーーーーーーっ。」
時間を認識してしまったからか、急にお腹の虫が騒ぎ出した。
「ご・・・ご飯。お腹空いた・・・。」
いつもの日常に戻ったようで、まるでとても恐ろしい夢を見ていたようで思わずお腹が減ってきてしまった。
そう言えば今日はお昼ご飯を食べてからなにも食べていなかったということに思い至る。
しかし、この時間に寮の食堂はやっているのだろうか。
いつもは6時過ぎには食堂に行っているのでこの時間に寮の食堂がやっているかわからないのだ。
ただ、事情を説明すればきっと何かしら用意してくれるかもしれないと思い、部屋を出て食堂に向かう。
道中すれ違う生徒たちの視線がなぜか痛かった。
そうして、どうして私を見てみんなヒソヒソ話をするのだろうか。
なんだか、みんなからの視線が集まってきているようでとても歩きづらい。
「あっ!エメロードちゃん。もう起きて大丈夫なの?」
部屋を出て少し行ったところで、アクアさんに出会った。
アクアさんは心配そうにこちらを見ている。
「うん。えっと・・・よく覚えていないんだけど、邪竜はどうなったの?先生たちは無事・・・?」
目覚めてから不安に思っていたことをアクアさんに尋ねる。
するとアクアさんは目を大きく見開いた。
「まさかっ!エメロードちゃん覚えてないの?」
「えっと・・・。うん、なんだかよくわからないんだよね。邪竜と相対していたところで記憶が途切れているんだよね。気づいたら、寮の自室で寝ていたの。」
「ああ~。そっか、そうなっちゃったのかぁ~。」
アクアさんは額に手を当ててガックリと項垂れた。
えっと・・・。
いったい私、なんかしたのだろうか。
覚えていなきゃいけないことがあったのだろうか。
「あのね。邪竜はエメロードちゃんが育てた卵から孵化した始祖竜が倒してくれたんだよ。ほんとうに覚えてないの?」
24
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる