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しおりを挟む「あらあら。ブチもマリアちゃんのことが大好きなのね。うふふ。よかったわね。マリアちゃん。きっと近いうちにブチを撫でることができるわよ。」
ユリアさんはそう言ってにこやかに笑った。
「ええ。そうだといいんですけど。このブチ様の連れない感じも私は好きなんです。ブチ様もどことなく気品に溢れているんですよね。なんか猫様なんですけど一匹狼を気取っているような感じもします。そんな連れないブチ様も私は大好きですっ!」
ブチ様に触れるかもしれないと思ったら、少し元気が出てきた。嫌われているかと思っていたブチ様に触れる機会がある。それはとてつもなく嬉しいことだった。
「うふふ。嬉しそうね。マリアちゃんは泣き顔よりも笑顔が似合うわ。だからずっとここにいていいのよ。ブチも貴女が側にいると嬉しそうだし、モモもシルバーグレイも他の猫もみんなマリアちゃんのことが大好きなんだから。」
「あら?なんのお話かしら?」
私とユリアさんの会話に今度は女性の声がかけられた。ここの長であるナーガさんだ。
ナーガさんは豊かな金色の髪を後ろで一つに縛っている。それでも女性としての魅力をあますことなく振りまいている。
「ナーガ様。マリアちゃんが例のばか王子に学園から追い出されたそうなんです。それで落ち込んでいたマリアちゃんを、あのブチが慰めようとしていたんですよ。」
「あっ……。ユリアさん。」
ユリアさんはさらりと私のことをナーガさんに告げた。
まあ、隠していたって学園のある日中に保護猫施設にいるのだもの。すぐにわかってしまうけれど。
「まあ。本当にどうしょうもない子ね。学園長もあの子の言いなりなのかしら?」
ナーガさんは綺麗な眉を顰めた。
ナーガさんの言葉はどこか引っかかる。
「あ、いえ……。学園長に伝わる前に出てきました。学園長から追放すると言われる前に、自分から出て行った方がまだ気が楽だと思いまして……。」
「まあ。マリアちゃんは行動力があるわね。私、マリアちゃんのことはとっても気に入っているの。私の息子のお嫁さんに欲しいくらい。マリアちゃんがあの子の婚約者だってきいて内心ガッカリしてたのよ。でも、それもなくなったんだもの。ねぇ、マリアちゃん。私の息子のお嫁さんになってくれるかしら?そうしたら、いつでも……朝も昼も夜も、ずっとずっと好きなだけここで過ごして良いわよ。」
ナーガさんの息子さんと結婚する気はないけれど、ここに好きなだけずっといることが出来るのはとても魅力的だ。
可愛い猫様たちに囲まれてずっと過ごす。なんて素敵なことなんでしょう。
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