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しおりを挟む「あっ、あのっ!ユースフェルト殿下っ!」
門番Aはアンナライラと一緒に王宮内に入っていこうとするユースフェルトに声をかけた。
「なんだ?私は今から父上と義母上の元に行くところなんだ。用があるなら手短に言え。」
ユースフェルトはアンナライラの腰を抱き留めながら門番Aに振り向いた。ユースフェルトの眼光は鋭い。
「しっ……失礼ながら申し上げますっ!そちらのナンクルナーイ男爵令嬢は本日王様との謁見の予定はございません。」
「そうだが?それがなにか?」
門番Aの言葉にユースフェルトは眉をひそめた。
「ユースフェルト殿下の婚約者であろうと王宮内に入るのであれば正式な許可が必要になります。私どもは許可のある人間以外をお通しすることはできません。」
「ほぉ?アンナライラは将来王妃になるのだ。王妃が王宮に入るのに許可はいらぬよな?」
ユースフェルトは門番Aを睨みつける。
「失礼ながら、ユースフェルト殿下。ナンクルナーイ男爵令嬢はまだ王妃ではございません。」
門番Bは勇気を振り絞ってユースフェルト殿下に進言する。
いくらユースフェルトの婚約者であっても、門番の職務としては許可のないアンナライラを王宮内に入れることはできないのだ。
実は王と王妃からも城門を守る門番たちに秘かな命がくだされていた。
ユースフェルトが独断で人を王宮に招くことを阻むようにとの命令がくだされているのだ。
王も王妃も最近のユースフェルトの目に余る越権行為に目を光らせているためだ。
「アンナライラは王妃になる。必ずだ。だから何も問題はない。」
だが、いくら門番たちが頑張っても相手はこの国の王子だ。力づくで止めることなど出来るはずがない。
「……将来王妃になられる方かもしれませんが、まだナンクルナーイ男爵令嬢は王妃ではございません。許可のないナンクルナーイ男爵令嬢を入れたとあっては私どもの首が飛んでしまいます。」
「……まずは正式にナンクルナーイ男爵令嬢が王宮に入る許可をとってくださいませ。ユースフェルト殿下。」
門番Aと門番Bは低姿勢でユースフェルトにお願いをする。だが、地位としてはユースフェルトの方が遥かに格上だ。
「ふんっ。お前たちは将来王妃になるアンナライラに不敬を働いた。その時点でお前たちは罪人だ。罪人は捕えなければな。衛兵たちよ!この者らを捕えよ!!」
ユースフェルトは声高らかに命じた。
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