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一章
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しおりを挟む「マリア、この金色の卵、鑑定できなかったわ」
「うぅ~ん。できなかったかぁ。鑑定士さんと話した?レベルいくつの人か確認した?」
マリアは金色の卵を指でツンツンしながら、確認してきた。
マリアの顔は思案顔だ。
どうしたらいいか迷っているのだろう。
「うん。鑑定レベル512だって」
「512!?そのレベルで鑑定できなかったのっ!?」
マリアが驚いている。そうだよね、500レベルを越えるのが王都で5人しかいないっていっていたし・・・。
でも、そんなにレベルが高い人が鑑定しても詳細がわからないっていったいこの卵はなんなのかしら・・・。
「その卵、危険ね・・・。見つかったら解剖されちゃうかもしれないから気をつけて」
あ、鑑定士さんと同じこと言ってる。
「しっかり保護しておいた方がいいと思うわ。その卵からは悪い感じはしていないから大切に卵を育てるといいわ。でも、盗まれたりしないようにね」
「う、うん」
盗む人いるのだろうか。と、思ったが、ピンクの卵も探している人はいた。
鑑定もできない金色の卵だと、よりプレミア感があっていくらだしても、どんなことをしてでも欲しいって人が現れてもおかしくない。
せっかく、うちに来た卵なんだから大切に育てなければならない気がする。
「マーニャ様たちに守ってもらうのが一番いいかもね。猫様に手をだせる人はこのレコンティーニ王国にはいないし、レコンティーニ王国からでなければ猫様の側は一番安全よ」
「そうだね。マーニャ、クーニャ、ボーニャおいで~」
私は、マーニャたちを呼んだ。
マーニャたちは呼ばれたらすぐに飛んできて、私の前にちょこんと並んでお座りしている。
なんて可愛いのかしら。
マーニャ、クーニャ、ボーニャをそれぞれ順番に褒めて撫で回す。
ふわっふわで気持ちいい。
っと、猫の可愛さに思わず脱線してしまった。
私はマーニャたちに向き合って座る。
そして、マーニャたちにお願いをする。
「この金色の卵はね、とても大切で貴重なものなの。でも、この卵がなんの卵だかわからないの。だから、孵化するまでマーニャたちが守ってくれないかしら?」
マーニャたちの前に金色の卵を差し出す。
マーニャたちは卵を見つめながら、
「「「にゃん」」」
と、快く返事をしてくれた。
そして、マーニャがそっと私の手の中にある金色の卵に手を伸ばして、ツンツンと触っている。
「にゃ、にゃあ~」
続いて、クーニャが金色の卵に手を伸ばした。
「にゃん、にゃ~ん、にゃ」
クーニャが金色の卵をペシペシ叩いていると、ボーニャがその手を止めるように手を伸ばしてきた。
「にゃ~にゃんにゃんにゃぁ~」
クーニャの手をどかすと、ボーニャは優しく金色の卵を撫でた。
そうして、三匹で金色の卵をしばらく愛でていると、マーニャががさごそと自分の背負っている袋に卵をしまった。
「にゃあ」
そうして、私を見つめるとまるで「任せておけ」と言うように鳴いた。
「よろしくね、皆」
こうして、金色の卵はマーニャたちに守ってもらうことにした。
しかし、何が孵るんだろう。
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