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三章
3ー25
しおりを挟む「なっ!なんで女性を紹介するのよ!!私は男を紹介してほしいのよ!裕太よりかっこよくてお金を持っている人を紹介してほしいの!!」
あ、優花さんが女王様相手に啖呵を切っている。すごいなぁ。優花さん。
目の前の人、女王様なのに。
しかも、プーちゃんに背負われている裕太目を覚ましているいるみたいで、目を大きく見開いて優花さんをガン見しているんだけど。
これは・・・裕太ってば、優花さんの本性知らなかったな・・・。
「ふむ。そなた活きが良くて面白そうね。気に入ったわ。私と一緒に来なさい。」
って!!
女王様ってば優花さんのこと気に入ってしまったようだし。
でも、活きが良くて面白そうってなんだか、どうなんだろう。
まさか、いじめがいがありそうって意味じゃないよね?
「なんで一緒に行かなきゃなんないわけ!」
「優花さん。そのお方はこの国の女王様ですよ。」
女王様に向かってキャンキャン吠えている優花さんにそっと近づいて耳打ちする。
すると、優花さんの動きがピタッと止まった。そうして、私の方をギギギッと壊れたおもちゃのようなぎこちない動きでゆっくりと振り向いた。
「・・・マジ?」
「マジ。」
この国の最高権力者に楯突いた優花さん。その顔は真っ青だった。
「うふふふふ。マユさん言っちゃったの?もう少し遊びたかったのに。ネタバレにはまだ早すぎるわ。」
「も、申し訳ございませんっ!」
女王様がにこにこと笑いながら私を見ている。
って、優花さんで遊んでいたのか、女王様ってば。優花さんが不敬罪にあたるからって嗜めなきゃよかったなぁ。
「うふふ。気にしないで、マユさん。ああ、そうだわ。マユさんのところに面白いトマトがあるんだってね?」
「はっ!はいいいい!!」
ああああああ。トマトのこと女王様にバレているしぃ。やっぱりマリアが鑑定ボックスに入れちゃったからかぁ・・・。
ベアトリクスさん女王様に報告してたのね・・・。
「私にもくださらない?もちろん褒美は弾むわ。」
「い・・・いえ。前回女王様には褒美をいただきましたので、ごれ以上いただくわけには・・・。トマトはお好きなだけ・・・。」
『ならぬ!!トマトは我のものだっ!!』
『お・・・おおおお俺だってトマトが食べたいんだっ!!』
プーちゃんに続きピーちゃんまでもが私が言い終わる前に乱入してきた。
っていうか、ピーちゃん私の髪の中でブルブル震えているんだけれど。
女王様の威圧感ハンバないもんね。
「まあ。ほほほ。なにも全部のトマトをほしいと言っているわけではないわ。そうねぇ、10個くらいくださらない?」
『まあ10個くらいなら構わないが・・・っ!!!!』
プーちゃんはトマトが全部持っていかれないことに安心して、やっと目の前の人の威圧感に気づいたらしい。
急に怖じ気づいて後ずさりしている。
プーちゃんどれだけトマトが大事なんだよ。まったく。
「では、すぐにお持ちいたしますね。」
私はプーちゃんとピーちゃんを連れてその場を後にした。
ちなみに、裕太はその場に置いてきた。
なぜならばパールバティー様が裕太を置いていくように言ったからだ。
裕太もパールバティー様が連れていく気かしら・・・?
まあ、何はともあれ私はトマトを収穫しにいくまでである。
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