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三章
3ー137
しおりを挟む『マユの頭は鳥頭なのかえ?』
タマちゃんが小馬鹿にしたように呟いた。
「え?」と思い、タマちゃんを思わず凝視する。
『プーちゃんも飼い主に似て鳥頭じゃな。』
今度は、タマちゃんがプーちゃんに向かって小馬鹿にしたように呟いた。
『むっ。我は鳥頭などではないっ!』
『ほほっ。では、思い出してみよ。』
タマちゃんが挑発するようにプーちゃんに告げる。
プーちゃんは、『うう・・・。』と呻きながら考え込んでいる。
その間、私はタマちゃんにバカにされることを承知で恐る恐る質問をした。
「ねぇ、タマちゃん。どうしてタマちゃんは産まれたばかりなのに過去のことを知っているの?さっきの話ってかなり遠い過去の話だよね?」
確認してみると、案の定タマちゃんからは小馬鹿にしたような視線が投げつけられた。
『妾たち大精霊は生まれ変わる前の記憶を引き継ぐのじゃ。よって遠い過去のことも覚えておるのじゃ。』
「あ、そういえばそうだった。じゃあ、プーちゃんも生まれ変わっても以前の記憶を覚えているっていうこと?」
そういえば、以前説明されたような気がする。
すっかり忘れてしまっていたよ。
でも、タマちゃんたちがそうやって過去の記憶を覚えているのであれば、プーちゃんも同じように生まれ変わっても過去の記憶を覚えているのかな?
って、そういえばプーちゃんって何歳だったっけ?
こちらに来てからずっと一緒にいるのに、そういえばプーちゃんの誕生日も年齢も知らないことに気が付いた。
『・・・あれは、この世界の誕生と共に神によって生み出された存在なのじゃ。妾たちとは次元が違う。妾たちがぴちぴちの娘ならば、あやつはよぼよぼのじじぃじゃ。』
ぴちぴちの娘って・・・。っというか、タマちゃん産まれたばっかりだから【娘】というよりかは産まれたての【赤子】だと思うんだけど・・・。
まあ、あえて口に出さないでおく。
臍を曲げられてしまっても話が進まないし。
「プーちゃんって長生きだったんだね。」
この世界と共に産まれたプーちゃんって何それ、神様みたい。
・・・ん?
・・・・・・あれ?
「神竜っ!?」
神の竜って書いて神竜!!
やっぱりあれってプーちゃんのことだったの!?
え・・・。
なんだか、プーちゃんってそんなにすごい存在だったんだ。
今まで全然気が付かなかったけど。
でも、なんで神竜ともあろうプーちゃんがダンジョンの10階に捕らわれてたんだ?
いろいろと疑問点が頭の中に浮かび上がってくる。
そのどれもが、処理能力に欠けた脳内では理解が追い付かず答えが導き出されない。
『神竜は孤独な存在じゃ。産まれた時には側に誰もおらず、一人っきりで生物たちが誕生し、進化していく様を見ておったのじゃ。神竜が一人でいるのが寂しくなったころに産み出されたのが精霊王じゃ。その精霊王も話し相手が神竜だけじゃ寂しくての、大精霊たちを産み出したのじゃ。』
タマちゃんが過去を思い出しながらしんみりとして告げる。
その内容は衝撃的だった。
まさか、プーちゃんが精霊王を産み出して、精霊王が大精霊を産み出していたなんて。
そうすると、精霊王より上の存在がプーちゃんってことになるんだけど。
あのプーちゃんが精霊たちの頂点でもいいの?
『精霊どころか魔族も産み出したのじゃぞ。プーちゃんは。魔力を持つ人間もプーちゃんが産み出したのじゃ。魔力を持つ動植物もな。』
タマちゃんから加えられる追加情報の数々。
あまりにも衝撃的すぎて、頭がクラクラしてきた。
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