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四章

4ー5

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「宿・・・探そっか。」

「そうだね。」

寝る場所を確保するためには早めに宿を探さなければいけないという結論にいたり、マリアと私とで宿を探すことになった。

プーちゃんやマーニャたちはもちろん一緒に来ているのだが、マーニャたちがいると目立ってしまうということでタマちゃんが作った空間でくつろいでいるはずだ。

そろそろご飯が食べたいと言い出すかもしれないけれども。

マーニャたちにご飯を提供するためにも一度どこか安全な場所で誰にも見られずにタマちゃんの空間と接触する必要がある。

私たちは今まで見てきた中でも一番綺麗そうな宿にまず向かった。

その宿は大通りに面していて5階建ての宿だった。

暖かそうな光が中から溢れてきている。

「すみません。2泊ほど泊まりたいのですが・・・。」

「申し訳ございません。あいにく当店は満室でして・・・。」

思い切って宿の中に入ってカウンター越しに話しかけると満室という回答が帰って来た。

マリアと顔を見合わせてすぐに宿から出る。

「駄目だったね。」

「そうね。王都でも一番人気がありそうだものね。仕方がないわ。次に行きましょ。」

目をつけていた一軒目の宿は満室だったので次に目をつけていた宿に向かった。

こちらも大通りに面した立派な宿である。

しかしながらやっぱりここも満室でお断りをされてしまった。

その後は手当たり次第に大通りにある宿に片っ端から声をかけるもどこも満室で今日泊る宿も確保できない有様だ。

「・・・どうしよっか。」

「そうね。大通りの宿には全て断られてしまったし・・・。」

「野宿は嫌だからプーちゃんにお願いして一旦キャティーニャ村に戻る?」

「そうねぇ。宿での話も聞きたかったんだけど・・・。」

「そうだよね。女二人で酒場に行って話を聞くってのもなんかねぇ・・・。」

「だからこそ宿での食事の時に聞くっていうのがよかったんだけどね。」

二人して大きなため息をつく。

「この際、大通りから外れている宿にでも泊る?」

「・・・治安によるわね。でも、路地に入り込むのは少し抵抗があるわね。どこか良い宿がないか聞いて回る?」

「そうだね。さっきの屋台のおじさんとおばさんにお勧めの宿を聞いてみようか。」

「そうね。」

そういうことになった。

私たちは一旦、串焼きの屋台のおじさんとホットケーキを売っているおばさんの元へと戻った。

「だろうねぇ~。大通りの宿はもういっぱいだと思ったよ。」

「一か月前から予約があったって話だからなぁ。」

「そうなんですね。どこかいいところ知りませんか?」

そうマリアが尋ねると、おばちゃんはちょっと考え込んでしまった。

やっぱりよさげな宿はないのだろうか。

「おお!そうだ。あそこなんてどうだ?森の木陰亭。確か二階が宿になっていただろう?」

「ああ。あそこかい。確かにあそこの奥さんは信頼がおけるねぇ。旦那さんも腕っぷしだし。ただ、信用した相手にしか二階の部屋を貸してないっていうからねぇ。」

「確かになぁ。だから部屋が空いているかもしれないんだけどなぁ。どうするお嬢ちゃんたち?」

どうやらいい宿があったようです。

と言っても信用している相手にしか部屋を貸さないということなので、ちょっぴり不安ですが。

ま、まあ断られたらキャティーニャ村に帰ればいいしね。

「そうですね。行ってみます。場所を教えていただけませんか?」

そうして私たちは森の木陰亭という宿に行くことになったのだった。

 

 

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