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四章
4ー12
しおりを挟む「ええと・・・。トマト、食べてみます?」
私はガー様にプーちゃんの涙で育ったトマトを食べてみるように告げた。
別にトマト一つだったら問題ないだろう。
多少魔力の上限が上がるだけなのだから。
ガー様は興味深くトマトを見ていたが、
「いただこう。」
と、頷くとトマトに齧り付いた。
「・・・っ!!!!うまっ!!!!うまっ!!!!!うまっ!!!!!!!なんなんだ、これはっ!!!!!」
もぐもぐごっくん。と、ガー様はトマトを飲み込んで叫びだした。
どうやら想像以上にトマトが美味しかったようだ。
「っつか何このトマトっ!!あり得ねぇ!!マジあり得ねぇ!!俺の魔力の上限が上がってるだなんてマジあり得ねぇ!!マジなんなのコレ!!!」
うん。
ガー様ももれなくトマトのお陰で魔力の上限が上がったようだ。
何より何より。
これで、ガー様は信じてくれただろうか。
青竜であるプーちゃんがトマトを育てたんだと。
「おいっ!もっとこのトマトくれ!!」
ガッと身を乗り出すと右手を出してトマトを催促してくるガー様。
「これはプーちゃんが育ててプーちゃんが管理しているトマトなのでこれ以上はあげられません。ごめんなさい。」
「そこをなんとかっ!!」
ガー様はよほどトマトが欲しいのか頭を下げてお願いしてくる。
でもなー。
トマトの減りが早いとプーちゃんが拗ねるし。
「マユ・・・。もうプーちゃんここに呼びなさいよ。そうすればガー様もこれ以上トマトを請求することを諦めるでしょ。」
「う・・・ん。大騒ぎにならないかな?」
「大丈夫じゃない?ここにいるのガー様とエルフの店員さんだけだから。」
ガー様に聞こえないようにマリアとこそこそと相談をする。
で、とりあえずプーちゃんを呼んでしまおうという話になった。
まあ、ガー様プーちゃんの存在のこと信じてなかったし、トマトは請求するし、いいよね。プーちゃんを呼んでしまっても。
と、いうわけでプーちゃんに出てきてもらうことにした。
「プーちゃん、ちょっと出てきてくれるかな?」
多分、傍にいるだろうタマちゃんの空間に向けてお願いをする。
すると、
『なんじゃ?』
『どうしたのだ?』
タマちゃんとプーちゃんが仲良く揃ってタマちゃんの空間から顔だけをのぞかせた。
タマちゃんとプーちゃんの顔を見て、ガー様の顔色が一気に青ざめた。
うん。
生首だもんね。
タマちゃんの空間から顔だけ出してると生首が浮いているみたいに見えるもんね。
普通に考えたら怖いよね。
でも、ガー様は生首が怖くて青ざめたわけではなかった。
「・・・し、ししししししし始祖竜様っ!!!!・・・・・・せ、せせせせせせ精霊王様っ!!!!」
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