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四章

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「あの・・・。」

「本当に可愛いのぉ。名前はなんというのかね?」

「えっと・・・。マーニャとクーニャとボーニャです。」

「そうか、そうか。可愛いのぉ。ふむ。名前はなんといったかね?」

うぅ・・・。

どうしよう。

会話が堂々巡りになってるんだけど・・・。

なんで?

え?もしかして、私の名前を聞かれてるのだろうか・・・。

「えっと、私の名前でしょうか?私はマユと言います。」

「そうかそうか。マユと言うのか。して、この可愛い猫たちの名前を教えてはくれぬかの?」

・・・やっぱりマーニャたちの名前を聞いていたのか。

っていうか、さっきから何度もマーニャたちの名前を教えているのだけれども・・・。

「この子たちはマーニャとクーニャとボーニャといいます。」

「そうかそうか。名前まで愛らしいのぉ。可愛いのぉ。して、名前はなんというのかね?」

・・・あ、ダメだ。これ。

何回、このやり取りを繰り返せばよいのだろうか。

「あっ!!いた!やっと見つけたっ!まおーさま!タイチャンがカンカンだから早く帰って来てくださいっ!!」

お婆ちゃんとの会話が堂々巡りとなってしまい途方にくれていたところに、助け船がやってきた。

やってきたのは黒髪の男の子だ。

見たところまだ10歳前後といったところっだろうか。

可愛らしい丸い目が僅かに吊り上がっているところが印象的だった。

この男の子のお婆ちゃんなのだろうか。

「んー?可愛い子じゃのぉ。名前はなんていうんだい?」

・・・お孫さんと思われる男の子にも名前を聞くだなんて・・・。

知り合いじゃないのだろうか?

男の子はお婆ちゃんのことを知っているように思えたのだけれども。

「・・・まおーさま。ボケが進みましたね。僕はライチャンですよ。タイチャンがまおーさまがいなくなってカンカンなんで早く帰りますよ。あ、チーチャンも探してましたからね!」

「んー?ああ、ライチャンじゃったか。大きくなったのぉ。こないだ会った時はまだ赤ん坊だったのに成長するのは早いのぉ。」

「まおーさま・・・。僕が赤ちゃんだったのは何百年も前ですって。それに昨日もお会いしてます!」

「んー?そうじゃったかのぉ。」

「そうですっ!!」

男の子には私たちの姿が目に入っていないのか、お婆ちゃんと言い合いを始めてしまった。

っていうか、さっきからこの男の子ってば気になる言葉ばかり発しているのだけど・・・。

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