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五章
5ー9
しおりを挟むプーちゃんと連絡が取れない。
なぜだろうか。
プーちゃんはキャッティーニャ村の私が住んでいた家にいるはずなんだけど。
マリアに連絡をしてみようかな。マリアだったら何か知っているかもしれない。
『マリア。久しぶり。元気だった?』
私はマリアに念話で話しかけた。
『え!?マユ。久しぶりね。』
よかった。マリアには念話がつながるようだ。
『連絡しなくてごめんねー。あのさ、私の家、どうなってるかな?ちょっと気になっちゃって。』
私の家は今、精霊王であるタマちゃんと始祖竜であるプーちゃんが住んでいるはずである。そして、ついでに管理もお願いしている。
プーちゃんはマオマオがいた頃はトマトの管理に専念しているみたいだけど。今は知らない。
『大丈夫よ。安心して。私がちゃんと管理してるから。まあ、管理料として畑の作物もらっちゃってるけどね。』
『どうせ私は作物収穫に行けないからいいよ。どんどん持ってって。・・・でも、他の人に配るのは避けてね。危険だから。』
『そうね。大丈夫よ。そこはわかっているから。そうそう。鶏もね、どんどん増えているわよ。お陰で畑の野菜の半分は鶏たちにあげてしまっているけどいいかしら?私も食べきれないし、腐らせるなら鶏たちに食べてもらった方がいいわよね?あ、卵は食べきれないから食堂に卸しているわよ。卵自体を鑑定することがなければ、マユの鶏の卵が異常だってことは気づかないだろうし。料理に効果があってもダンさんの料理のスキルレベルが高いからってことにできるしね。』
『あはは。そうなんだ。全然いいよ。有効活用してちょうだい。』
へぇー。鶏増えたんだぁ。しかも畑の半分の野菜を鶏にあげているってどれだけ鶏が増えたのかしら。まあ、毎日食べるものだからいっか。
私は数年ぶりの自宅に思いを馳せる。
うーん。懐かしいなぁ。
たまには帰ってみようかなぁ。まあ、ホンニャンとタイチャンが許せばだけど。
ホンニャンは「いいよー。」って言ってくれると思うんだけど、タイチャンがいつも許してくれないんだよねぇ。
まあ、タイチャンに許可を取らずに行くって手もあるけどさ。後で怖いし。
『それから、マユの化粧水のオークションはもうやらないのかって、王都の鑑定士さんからちょくちょく連絡がくるのよ。マユから連絡してあげてくれないかしら?』
『え?鑑定士さんから?マリアのところへ?なんで、私のところに直接連絡してこないのかしら。』
王都の鑑定士さんだったら私にも念話で連絡を取れるはずなのに。
って、あれ?そう言えば、魔王城に来てからマリアからの念話もまったくなかったなぁ。
『マユ・・・。マユから連絡してくれれば念話繋がるんだけど、こっちからだと繋がらないのよね。魔王城にいるからかもしれないわよ。』
『えっ!?そうだったの!?』
マリアの言葉に愕然とする。
まさか、こちらから連絡を取らなければ、私への連絡手段がなかっただなんて思ってもみなかった。
これは、魔王城にいるからってことなのかな?あとでタイチャンに聞いてみようかな。
怒られるかもしれないけど。
私はそれからマリアと少し話をして念話を止めた。
ちょうどタイチャンがライチャンを連れて戻ってきたからだ。
タイチャン戻って来たし、念話についてちょっと確認してみようかなとも思ったし。
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