輝夜物語

輝夜

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音楽の力

レコーディング

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待ち合わせは、漁師さん達の船がある港だった。
もしかしたら、この中に、おじいちゃんの船のエンジンを乗せた船があったりして・・・

懐かしい船筏・・・

水面を除けば、たくさんの魚たちが泳いでいる。

美味しそうだ・・・

水底には海藻やヒトデが・・・

あ!ウミウシ!!

子供の頃、釣り上げたときがあったっけ・・・あれ、重かったなぁ~・・・。

クラゲは気持ちよさそうにフヨフヨしている。

カゴカキダイはいるかな・・・。

カゴカキダイは、熱帯魚のような黄色に黒の縞模様がある魚で、人懐こく、釣り客の前にあらわれるという。

トンビが鳴き、清々しい風が吹いている。

良い所だな・・・

ゆったりした時間が流れる。

「よしえちゃ~ん!!こんにちは!!」

遠くから声が聞こえてきた。

まぁしぃだ!

「こんにちは~!先日はありがとう!」

「ほんま、ええ上映会じゃったね!」

近くに恵比須社があり、その前に立つと、まぁしぃは、大祓詞を唱えはじめた。

「高天原に神留まり坐す・・・」

そして、亀島に行き、太鼓を叩き始めた。

太鼓の音が身体中に響く。

やっぱ、日本人は太鼓だな・・・。
太鼓の音は日本人の魂を呼び起こす気がする・・・。

そして、案内されたのは、一件の家だった。

『精神と時の部屋』・・・?

まぁしぃ曰く、この部屋で過ごす一年は三年に匹敵し、ここで語った夢は全て実現するという。

マジか・・・。

仏教では、『一念三千』という言葉があるが、自分の一念が変われば三千世界が変わるという。
この精神と時の部屋は、この部屋で語った一念(一年)が三年に匹敵するというのだ。

ギャグか・・・。
マジですげぇ・・・。


レコーディングは二階の部屋でするらしく、まぁしぃは鼻歌まじりで階段をのぼっていく。
私も続いてあがって行く。

広い・・・。

カチャカチャ、カチャカチャ・・・

準備が終わったのだろう。

よし!と私にヘッドホンをくれた。

「それをつけてみて。」

慣れない手つきでヘッドホンをつける私・・・

「じゃあ、曲流すね~!」

「は~い!」

「ねが~いはかな~う末広~がりに・・・」

願いは叶う、末広に・・・

そうだな・・・これからの人生は、
友と共に喜び、イメージをシェアしながら、
多くの人達と一緒に色んなものを創造していきたいな・・・

そう思った。

「このCDを名刺がわりにして、私は歌うことが大好きなんですって、アピールしていったら良いよ!!」

まぁしぃは、そう言って、私に一枚のオリジナルCDをつくってくれたのだった。




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