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【リリィ、最後の言葉】
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手紙を最後まで読み終わると、背後に強い気配を感じた。
近くにいる。
何かは分からない、単数かもしれないし、複数なのかもしれない。
ゆっくりと、気付いていることを悟られないよう手紙を閉じる。それを封筒に入れる瞬間、最初に動いたのは相手側だった。
背後から血の匂いを携えた何かが一直線に霧島の方に向かってきた。霧島の反射神経がギリギリのところで働く。ほんのわずかな時間視界にとらえたそれは、情報屋を殺したナイフと形状が酷似したものだった。反射的に振り返ったので、ナイフを投げたものと目が合う。
黒いパーカーに身を包んだ、緑色も髪をした少女、。その眼にはありありと、鮮烈な殺意が見て取れた。彼女は無言のままもう一つ、二つとナイフを取り出していく。分が悪いな、と思った。相手の戦闘慣れはナイフの扱い方でわかる。元警察官とはいえブランクがあり、実践の少なかった霧島が敵う相手ではない。だが、このまま死ぬ、というわけにもいかないだろう。霧島は軽く構え、体の中心に向けて力を込めていった。
相手が左右に揺れながらナイフで鮮やかに切りかかってくる。霧島は自分にあたりそうになるナイフの刃を必要最小限に避けていく。服と左手の甲が軽く裂けた。だが動けなくなるほどの傷ではない。霧島は相手の隙を探っていく。
故に、彼は相手が体を捻った僅かな瞬間を見逃さなかった。すかさず拳を入れていく。三発しか当たらなかったが、うち一発は彼女の肩を外した。また一歩引いて彼女の隙を窺おうとする。
だがそう上手くはいかない。関節が外れた方の手で彼女はナイフを放ってきた。それは霧島の左腕に深く突き刺さる。流石に霧島も動揺した。馬鹿な。関節は完全に外したはずだ。何故意のままに動かせる?
その一秒弱の思考が霧島の隙となった。彼女は霧島の脇腹にナイフを突き立てる。対応できない。霧島は体勢を崩しその場に倒れこんだ。彼女のナイフが自分の体に入ってくる感覚が、妙に落ち着いて感じられた。
銃声が鳴る。霧島の頭上で鮮血が舞った。黒いパーカーの彼女が誰かに撃たれたのだ。ナイフが抜けないように、位置が変わって内臓をこれ以上傷つけないように気を付けながら目を銃声の鳴った方へ向ける。
成田が拳銃を片手に霧島の方へ駆けてくる。どうやら彼が助けようとしてくれたらしい。「大丈夫ですか?」その必死な表情を見ていると昔の同僚を思い出す。自分の目の前で撃たれて息を引き取った同僚の顔を。
傷口はそれほど深くないし、大きな動脈は傷つけられていない。致命傷は避けられたようだ。だが失血のショックで頭がくらくらする。
徐々に目の前が暗くなっていく。「しっかりしてください、霧島さん、霧島さん、」成田の声が遠く、遠く、遠くで響くように、反響して消えていった。
「ニャオ。」
猫の声で目が覚めた。霧島が起き上がると、そこは何時ぞやの空港のように、人だけがいない、あの居酒屋だった。傷口の痛みを感じない。見ると傷口は完全に塞がっていた。黒いパーカーの彼女も姿は見えない。だが自分と情報屋を刺したものと同じであろうナイフは床に転がっていた。二人分の血の跡をこびり付かせて。
霧島を起こした猫は足元にいた。首元で鈴が鳴る。この音、この茶色い毛並み、金色の目。あの時の猫なのか?霧島の殺された友人、隆史の手紙を届けてくれた猫、なぜこんなところに。
突然、その猫は二足歩行で歩き出した。あっけにとられて後ろから見ていると、次第にその後ろ姿は猫のものから人間のものとなってゆく。何が起こっているのか理解できなかった。
思わず後ずさると、後ろにも気配を感じたので振り返る。そこにいたのは空港で出会った『運び屋』と、情報屋と霧島を襲ったであろう黒パーカーの少女だった。
「僕が二人を遣わせたんだよ。」猫から人間になった女性は霧島の方を見つめながら、女性の声で言った。
「この姿では初めまして、僕がリリィだよ。」
「もう君が察している通り、ここは現実から少しだけ離れた世界だよ。僕らはここでいつも現実の皆を見ているんだ。」彼女の金色の目が霧島を直視する。
「君は、この世界から現実の世界に戻った時に失血のショックで死ぬことになる。『コミチ』の仕事は正確だよ。情報屋?だっけ?も彼女は確実に殺した。銃で撃たれてたけど気にしないで。彼女はその程度じゃ死なないよ。」
「何故俺たちを殺す必要がある?」声が無意識に震える。
「当たり前じゃないか。核に対して一般の人間が反感なんて持ってしまったらたまったもんじゃないからね。」リリィは笑いながら答える。
「反感じゃない、知識を持つ必要があると言ってるんだ。核の力は時として脅威になる。人間に害を及ばす可能性は十分にある。」
「何を今更、」リリィはさわやかな笑みを浮かべたまま、軽快な口調で言った。
「核を、僕らを創り出したのは人間じゃないか。」
「原子力はもともと兵器の為に作り出された、つまり僕らは人を殺すための道具として作られた存在なんだ。そういえば今では兵器のほかに発電にも使われてるんだよね。ねぇ、君は沖縄の像の話を聞いた時滑稽に思わなかったかい?核に対してのイメージの中から、戦争兵器のニュアンスを消そうと始めた発電なのに、結局はその廃燃料を兵器として使うんだよ?」リリィはここで笑みを消す。
「僕は人間が嫌いだよ。創り出してしまってから、やっぱりやめておいた方がよかったんじゃないか、とか。僕らを利用して惨禍を引き起こして、自分たちを破滅に導いていったり、ね。人間は愚かだ。そして僕は馬鹿が嫌いだ。そんな馬鹿共を消そうとしてるのが今のお山の大将ってわけ。だから僕の利害と、今人類の数を減らそうとしてる人間共の利害は一致しているんだよ。だから僕は彼らに協力することを決めたんだ。」再び顔に笑みが浮かぶ。
「今、この事実を知ったところで、僕に直接話をしたところで、もう何も止めることなんてできやしない。成田とかいう刑事も後でコミチが殺してくれるよ。もうこの世に、この事実を知っている人間はいなくなる。切ないね、愚かだね、馬鹿だね、救いようがないね。だから僕はあれだけ言わせたのに、君は忠告を聞かなかった。運び屋は全てを知り、全てを為す。君の行動も、意思も、思惑も、全部オミトオシだったわけ。どう?君はこれでも僕らに楯突くっていうの?まだ君は僕らに抗おうっていうの?」
「…お前は、」霧島は振り絞るような声で言う。
「お前は、焼却炉の煙突から見える煙を見たことがあるか?あの煙には意味がある。とても大きな意味が。だがあの光に、原爆に焼かれたものはそれを見せることはなく、無意味に、無秩序に、残酷に、黒い雨となって消えるんだ。確かに人間は核によって人間を滅ぼすことができるだろう。何もかもを破滅に導くことができるだろう。だがそれは断じて支配できたということではない。俺たちの心は、たとえ報われなかったとしても、無為に消滅してしまったとしても、お前たちには支配などできはしない。お前がいくら命を伸ばそうが、俺たち人間を滅ぼそうが、お前たちは結局俺たちに敗北するんだ。」霧島はさらに続ける。
「俺が死んだら?成田が死んだら?情報屋が死んだら?その程度でこの火は消えない。俺たちは常に見ている。お前たちの行く末を、そして自分たちのできる範囲の中で抵抗し続けるんだ。お前たちが反抗勢力を皆殺しにしたところで俺たちの意思が消えることはないんだ。どうだ?お前らの方こそ愚かだと、救いようがないと思えてこないか?」霧島は笑みさえ浮かべる。酷くひきつった笑みを。
リリィは霧島の思わぬ切り返しに驚いたようだった。だが、やがて満面の笑みで拍手し始める。
「すごいな、君は。僕の予想のはるか上をいく。だけどごめんね?君がどれだけ崇高な意見を今ここで述べたところで、君たち人間の絶滅は最早時間の問題なんだ。」そういうと彼女は手を霧島の方に差し出した。
「だけど君のことは気に入ったよ。君を僕の世界に招待するよ、霧島武明さん。せめてもの手向けに、ね。」
全部思い出した。
赤く染まったままの、ロザリエの世界。霧島は笑い出してしまう。あんな大口叩いておいて、結末はこれか。笑えねぇぜ。
「まだ終わってないよ。」光莉が霧島にそっと言う。
「成田肇がいつまで生きていられるのか、それは分からなくなってしまったけど、だからこそ彼にバトンを渡すことも一興だと思う。それはあなたのためでもあるし、今後の彼の為でもあると思うから。」光莉の目に宿る強い、まっすぐな光が霧島を貫く。
「最後の仕事をして来い。向こうに着いたらまた会おう、武明。」
隆史は寂しい笑みを浮かべ、静かに消えていった。
「またね、霧島のおじさん。」光莉の声が最後まで聞こえることはなく、霧島はロザリエの世界から消えていった。
近くにいる。
何かは分からない、単数かもしれないし、複数なのかもしれない。
ゆっくりと、気付いていることを悟られないよう手紙を閉じる。それを封筒に入れる瞬間、最初に動いたのは相手側だった。
背後から血の匂いを携えた何かが一直線に霧島の方に向かってきた。霧島の反射神経がギリギリのところで働く。ほんのわずかな時間視界にとらえたそれは、情報屋を殺したナイフと形状が酷似したものだった。反射的に振り返ったので、ナイフを投げたものと目が合う。
黒いパーカーに身を包んだ、緑色も髪をした少女、。その眼にはありありと、鮮烈な殺意が見て取れた。彼女は無言のままもう一つ、二つとナイフを取り出していく。分が悪いな、と思った。相手の戦闘慣れはナイフの扱い方でわかる。元警察官とはいえブランクがあり、実践の少なかった霧島が敵う相手ではない。だが、このまま死ぬ、というわけにもいかないだろう。霧島は軽く構え、体の中心に向けて力を込めていった。
相手が左右に揺れながらナイフで鮮やかに切りかかってくる。霧島は自分にあたりそうになるナイフの刃を必要最小限に避けていく。服と左手の甲が軽く裂けた。だが動けなくなるほどの傷ではない。霧島は相手の隙を探っていく。
故に、彼は相手が体を捻った僅かな瞬間を見逃さなかった。すかさず拳を入れていく。三発しか当たらなかったが、うち一発は彼女の肩を外した。また一歩引いて彼女の隙を窺おうとする。
だがそう上手くはいかない。関節が外れた方の手で彼女はナイフを放ってきた。それは霧島の左腕に深く突き刺さる。流石に霧島も動揺した。馬鹿な。関節は完全に外したはずだ。何故意のままに動かせる?
その一秒弱の思考が霧島の隙となった。彼女は霧島の脇腹にナイフを突き立てる。対応できない。霧島は体勢を崩しその場に倒れこんだ。彼女のナイフが自分の体に入ってくる感覚が、妙に落ち着いて感じられた。
銃声が鳴る。霧島の頭上で鮮血が舞った。黒いパーカーの彼女が誰かに撃たれたのだ。ナイフが抜けないように、位置が変わって内臓をこれ以上傷つけないように気を付けながら目を銃声の鳴った方へ向ける。
成田が拳銃を片手に霧島の方へ駆けてくる。どうやら彼が助けようとしてくれたらしい。「大丈夫ですか?」その必死な表情を見ていると昔の同僚を思い出す。自分の目の前で撃たれて息を引き取った同僚の顔を。
傷口はそれほど深くないし、大きな動脈は傷つけられていない。致命傷は避けられたようだ。だが失血のショックで頭がくらくらする。
徐々に目の前が暗くなっていく。「しっかりしてください、霧島さん、霧島さん、」成田の声が遠く、遠く、遠くで響くように、反響して消えていった。
「ニャオ。」
猫の声で目が覚めた。霧島が起き上がると、そこは何時ぞやの空港のように、人だけがいない、あの居酒屋だった。傷口の痛みを感じない。見ると傷口は完全に塞がっていた。黒いパーカーの彼女も姿は見えない。だが自分と情報屋を刺したものと同じであろうナイフは床に転がっていた。二人分の血の跡をこびり付かせて。
霧島を起こした猫は足元にいた。首元で鈴が鳴る。この音、この茶色い毛並み、金色の目。あの時の猫なのか?霧島の殺された友人、隆史の手紙を届けてくれた猫、なぜこんなところに。
突然、その猫は二足歩行で歩き出した。あっけにとられて後ろから見ていると、次第にその後ろ姿は猫のものから人間のものとなってゆく。何が起こっているのか理解できなかった。
思わず後ずさると、後ろにも気配を感じたので振り返る。そこにいたのは空港で出会った『運び屋』と、情報屋と霧島を襲ったであろう黒パーカーの少女だった。
「僕が二人を遣わせたんだよ。」猫から人間になった女性は霧島の方を見つめながら、女性の声で言った。
「この姿では初めまして、僕がリリィだよ。」
「もう君が察している通り、ここは現実から少しだけ離れた世界だよ。僕らはここでいつも現実の皆を見ているんだ。」彼女の金色の目が霧島を直視する。
「君は、この世界から現実の世界に戻った時に失血のショックで死ぬことになる。『コミチ』の仕事は正確だよ。情報屋?だっけ?も彼女は確実に殺した。銃で撃たれてたけど気にしないで。彼女はその程度じゃ死なないよ。」
「何故俺たちを殺す必要がある?」声が無意識に震える。
「当たり前じゃないか。核に対して一般の人間が反感なんて持ってしまったらたまったもんじゃないからね。」リリィは笑いながら答える。
「反感じゃない、知識を持つ必要があると言ってるんだ。核の力は時として脅威になる。人間に害を及ばす可能性は十分にある。」
「何を今更、」リリィはさわやかな笑みを浮かべたまま、軽快な口調で言った。
「核を、僕らを創り出したのは人間じゃないか。」
「原子力はもともと兵器の為に作り出された、つまり僕らは人を殺すための道具として作られた存在なんだ。そういえば今では兵器のほかに発電にも使われてるんだよね。ねぇ、君は沖縄の像の話を聞いた時滑稽に思わなかったかい?核に対してのイメージの中から、戦争兵器のニュアンスを消そうと始めた発電なのに、結局はその廃燃料を兵器として使うんだよ?」リリィはここで笑みを消す。
「僕は人間が嫌いだよ。創り出してしまってから、やっぱりやめておいた方がよかったんじゃないか、とか。僕らを利用して惨禍を引き起こして、自分たちを破滅に導いていったり、ね。人間は愚かだ。そして僕は馬鹿が嫌いだ。そんな馬鹿共を消そうとしてるのが今のお山の大将ってわけ。だから僕の利害と、今人類の数を減らそうとしてる人間共の利害は一致しているんだよ。だから僕は彼らに協力することを決めたんだ。」再び顔に笑みが浮かぶ。
「今、この事実を知ったところで、僕に直接話をしたところで、もう何も止めることなんてできやしない。成田とかいう刑事も後でコミチが殺してくれるよ。もうこの世に、この事実を知っている人間はいなくなる。切ないね、愚かだね、馬鹿だね、救いようがないね。だから僕はあれだけ言わせたのに、君は忠告を聞かなかった。運び屋は全てを知り、全てを為す。君の行動も、意思も、思惑も、全部オミトオシだったわけ。どう?君はこれでも僕らに楯突くっていうの?まだ君は僕らに抗おうっていうの?」
「…お前は、」霧島は振り絞るような声で言う。
「お前は、焼却炉の煙突から見える煙を見たことがあるか?あの煙には意味がある。とても大きな意味が。だがあの光に、原爆に焼かれたものはそれを見せることはなく、無意味に、無秩序に、残酷に、黒い雨となって消えるんだ。確かに人間は核によって人間を滅ぼすことができるだろう。何もかもを破滅に導くことができるだろう。だがそれは断じて支配できたということではない。俺たちの心は、たとえ報われなかったとしても、無為に消滅してしまったとしても、お前たちには支配などできはしない。お前がいくら命を伸ばそうが、俺たち人間を滅ぼそうが、お前たちは結局俺たちに敗北するんだ。」霧島はさらに続ける。
「俺が死んだら?成田が死んだら?情報屋が死んだら?その程度でこの火は消えない。俺たちは常に見ている。お前たちの行く末を、そして自分たちのできる範囲の中で抵抗し続けるんだ。お前たちが反抗勢力を皆殺しにしたところで俺たちの意思が消えることはないんだ。どうだ?お前らの方こそ愚かだと、救いようがないと思えてこないか?」霧島は笑みさえ浮かべる。酷くひきつった笑みを。
リリィは霧島の思わぬ切り返しに驚いたようだった。だが、やがて満面の笑みで拍手し始める。
「すごいな、君は。僕の予想のはるか上をいく。だけどごめんね?君がどれだけ崇高な意見を今ここで述べたところで、君たち人間の絶滅は最早時間の問題なんだ。」そういうと彼女は手を霧島の方に差し出した。
「だけど君のことは気に入ったよ。君を僕の世界に招待するよ、霧島武明さん。せめてもの手向けに、ね。」
全部思い出した。
赤く染まったままの、ロザリエの世界。霧島は笑い出してしまう。あんな大口叩いておいて、結末はこれか。笑えねぇぜ。
「まだ終わってないよ。」光莉が霧島にそっと言う。
「成田肇がいつまで生きていられるのか、それは分からなくなってしまったけど、だからこそ彼にバトンを渡すことも一興だと思う。それはあなたのためでもあるし、今後の彼の為でもあると思うから。」光莉の目に宿る強い、まっすぐな光が霧島を貫く。
「最後の仕事をして来い。向こうに着いたらまた会おう、武明。」
隆史は寂しい笑みを浮かべ、静かに消えていった。
「またね、霧島のおじさん。」光莉の声が最後まで聞こえることはなく、霧島はロザリエの世界から消えていった。
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