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大空洞へ
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この世界に来て約10日、もう地球での生活を思い出すこともほとんどないのだが、なぜか突然会ったこともない父親のことが頭をよぎった。
母親の話によると、私の父親は運動神経抜群、頭脳明晰、容姿端麗、極め付けは性格は穏やかで超優しいパーフェクトな男だったらしい。高卒で入社した大手の自動車会社で出会った2人は25で結婚、その後父は28の若さで取締役まで昇進、まさに順風満帆のサクセスストーリーを生きていた。そんな完璧な父だったが、母が私を身篭った29の時に急に壊れ始めた。
突然、読み書きができなくなったり、当たり前の生活用品が使えなくなったり、自分はどこか聞いたこともない国の王子だと言い出したりして、数日するとまた元の父に戻る。そんな事を何度か繰り返し、母が病院に連れて行こうとした矢先に道路に飛び出し、母とお腹の中いる私を残し死んでしまったのだった。
「……タ……」
突然1人にさせられたのにも関わらず、母はいつも父を誇りに思っていた、なぜそう感じたかというと、父のことを語る母の瞳はいつも少女のように輝いていたからだ。だから私も父の話を聞くのが絵本の読み聞かせをしてもらっているみたいに、心から大好きだった。
「タタラ!」
「はっ!へっ?」
「はへ?ではない!いつまで寝ておるんじゃ!先を急ぐぞ!」
不覚にもどうやら父を思い出しながら寝てしまっていたようだ。魔獣に襲われなくてよかったが、どうして今、父のことを思い出したのだろう。
「フィーン!」
「いつまでも寝ぼけていると置いて行くぞ」
少し離れたところで先に進みたそうに2人は足をパタパタさせながら私を待っている。
「はは、そりゃあ父親みたいな気分にもなるか」
「何をニヤニヤしておる気持ち悪い、本当においていくぞ」
娘の方は全然可愛気がない。
リーダーの先導で3階層へ下りる地点を目指す。
スカルスコーピオン(Lv31)×5
「リアス!死角を作りつつ攻撃を」
「了解じゃ!土魔法【針の大地】
リアスのショートステッキが光に包まれ前へかざすと、スカルスコーピオンの足元の地面が無数の槍のごとく突き上がりダメージを与えつつ、せまい通路に死角を作り出す。リアスの使う土魔法は【AQURIS online】に存在する土魔法より多彩で強力だ。
せり上がった地面の隙間からスカルスコーピオンが顔を出した瞬間、待ち構えていたマロフィノの牙が硬い甲殻を突き破り砂煙が立ち昇る。
「フィン!」
まるでモグラ叩きゲームのように頭を出した順から次々とスカルスコーピオンを撃破していくマロフィノ。私は【索敵】を使いマップを確認する。
「行きましょう。今のでラストです」
「マロフィノはすごいのぉ、えらい!えらいぞ」
「フィン!」
地面がゆっくりと戻る中、リアスはマロフィノに駆け寄り頭を撫でまわす。
……はっ!私何もしてないんですけど。みんな強くなるのはいいんですけど、私の存在意義が……。
ふと顔を上げると、2人に姿は豆粒ほどに小さくなっている。
「サラッと置いていくんじゃねぇよ!!」
「ハハハハ。冗談じゃ冗談!」
実際置いていってんだから冗談もクソもないだろうが、ガッカリミニエルフが。心の中で悪態をつきながら次の戦闘での活躍を誓ったのであった。
歩き続けること数分、私達の目の前に3階層へ続く階段が現れた。次の階の大空洞でセリカさんから貰った地図は途切れている。イザベルの冒険者達が発見できなかったその先を見つけ、必ず鉄鉱石を見つけてやる。
私達は気合を入れて階段を下り出した。
「しかし、本当にあるのかのう、タタラの言う鉄鉱石は」
「実際目にしてますからあるにはあると思いますが、ここまでの道中それらしい石もドロップしそうな魔獣もいませんでしたね」
「やはり、この地図の先に行かなければどうにもならないということか」
「フィン!フィン!」
「ついたようじゃな」
階段を下りきった私達を待っていたのは、途方もなくただただ広い空間だった、暗いわけではないのに周囲を見ると地面が闇に飲まれ先が見えず、天井へと伸びているであろう石の壁は見上げてもかすれて途中までしか確認することもできない。
「広すぎないっすか」
「フィーン」
「まさかここまでとは」
あまりにも広大な空間に私達の目的達成が容易にはすまないことを悟る。
「とりあえずマッピングしながら、壁づたいに行ってみますか。何か見つけたら教えてくれよマロフィノ」
「フィン!」
「まさかここまでとは」
若干絶望しているリアスをなだめながら壁沿いを左周りに歩き出したのであった。
母親の話によると、私の父親は運動神経抜群、頭脳明晰、容姿端麗、極め付けは性格は穏やかで超優しいパーフェクトな男だったらしい。高卒で入社した大手の自動車会社で出会った2人は25で結婚、その後父は28の若さで取締役まで昇進、まさに順風満帆のサクセスストーリーを生きていた。そんな完璧な父だったが、母が私を身篭った29の時に急に壊れ始めた。
突然、読み書きができなくなったり、当たり前の生活用品が使えなくなったり、自分はどこか聞いたこともない国の王子だと言い出したりして、数日するとまた元の父に戻る。そんな事を何度か繰り返し、母が病院に連れて行こうとした矢先に道路に飛び出し、母とお腹の中いる私を残し死んでしまったのだった。
「……タ……」
突然1人にさせられたのにも関わらず、母はいつも父を誇りに思っていた、なぜそう感じたかというと、父のことを語る母の瞳はいつも少女のように輝いていたからだ。だから私も父の話を聞くのが絵本の読み聞かせをしてもらっているみたいに、心から大好きだった。
「タタラ!」
「はっ!へっ?」
「はへ?ではない!いつまで寝ておるんじゃ!先を急ぐぞ!」
不覚にもどうやら父を思い出しながら寝てしまっていたようだ。魔獣に襲われなくてよかったが、どうして今、父のことを思い出したのだろう。
「フィーン!」
「いつまでも寝ぼけていると置いて行くぞ」
少し離れたところで先に進みたそうに2人は足をパタパタさせながら私を待っている。
「はは、そりゃあ父親みたいな気分にもなるか」
「何をニヤニヤしておる気持ち悪い、本当においていくぞ」
娘の方は全然可愛気がない。
リーダーの先導で3階層へ下りる地点を目指す。
スカルスコーピオン(Lv31)×5
「リアス!死角を作りつつ攻撃を」
「了解じゃ!土魔法【針の大地】
リアスのショートステッキが光に包まれ前へかざすと、スカルスコーピオンの足元の地面が無数の槍のごとく突き上がりダメージを与えつつ、せまい通路に死角を作り出す。リアスの使う土魔法は【AQURIS online】に存在する土魔法より多彩で強力だ。
せり上がった地面の隙間からスカルスコーピオンが顔を出した瞬間、待ち構えていたマロフィノの牙が硬い甲殻を突き破り砂煙が立ち昇る。
「フィン!」
まるでモグラ叩きゲームのように頭を出した順から次々とスカルスコーピオンを撃破していくマロフィノ。私は【索敵】を使いマップを確認する。
「行きましょう。今のでラストです」
「マロフィノはすごいのぉ、えらい!えらいぞ」
「フィン!」
地面がゆっくりと戻る中、リアスはマロフィノに駆け寄り頭を撫でまわす。
……はっ!私何もしてないんですけど。みんな強くなるのはいいんですけど、私の存在意義が……。
ふと顔を上げると、2人に姿は豆粒ほどに小さくなっている。
「サラッと置いていくんじゃねぇよ!!」
「ハハハハ。冗談じゃ冗談!」
実際置いていってんだから冗談もクソもないだろうが、ガッカリミニエルフが。心の中で悪態をつきながら次の戦闘での活躍を誓ったのであった。
歩き続けること数分、私達の目の前に3階層へ続く階段が現れた。次の階の大空洞でセリカさんから貰った地図は途切れている。イザベルの冒険者達が発見できなかったその先を見つけ、必ず鉄鉱石を見つけてやる。
私達は気合を入れて階段を下り出した。
「しかし、本当にあるのかのう、タタラの言う鉄鉱石は」
「実際目にしてますからあるにはあると思いますが、ここまでの道中それらしい石もドロップしそうな魔獣もいませんでしたね」
「やはり、この地図の先に行かなければどうにもならないということか」
「フィン!フィン!」
「ついたようじゃな」
階段を下りきった私達を待っていたのは、途方もなくただただ広い空間だった、暗いわけではないのに周囲を見ると地面が闇に飲まれ先が見えず、天井へと伸びているであろう石の壁は見上げてもかすれて途中までしか確認することもできない。
「広すぎないっすか」
「フィーン」
「まさかここまでとは」
あまりにも広大な空間に私達の目的達成が容易にはすまないことを悟る。
「とりあえずマッピングしながら、壁づたいに行ってみますか。何か見つけたら教えてくれよマロフィノ」
「フィン!」
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