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破滅のフィヨルド
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宴会の準備が終わり、全員が飲み物の注がれたグラスを手に取るとエヴァさんが立ち上がり。
「新しい上級冒険者の誕生に」
『乾杯!!』
ヨーコさんの店であんなに食べたというのに、緊張から解き放たれた私は気がつくと腹ペコになっていた。
「タタラ!タタラ!シチューがあるんじゃ!」
私ではなく私達は腹ペコになっていた。そんな食欲旺盛な新参パーティーにベテラン冒険者達が酒ビンを持って近づいてくる。
「みんなおめでとう」
「全員俺と同列かよ、やるじゃねぇか」
「イーグルさん、スカイさん、ありがとうございます」
「みんながどうして君のことを擁護するのか理解できなかったけど、まさか初クエストでワームロワ討伐にプルガサス攻略とはね、恐れいったよ」
そう言うと、イーグルさんは酒ビンを突き出し、私は急いでグラスを飲み干してヘコヘコしながらお酌をしてもらう。これは元サラリーマンの悲しい習性である。
「プルガサスの新層では何が採れそうなんだい?」
「えっと……鉄鉱石が採れるのは確認できましたが、他はちょっとわからないです」
『鉄!?』
渡り鳥メンバー以外の全員が驚きながら私の顔を見つめる。そういえば、イザベルでは鉄は希少だって鉱石屋が言ってたっけな。
「凄い!それはこの街に大きな発展をもたらす大発見じゃないか!」
「つーかよぉ、アンタはどうしてプルガサス迷道なんて攻略しようと思ったんだ?」
「えっ?と……それは……」
プルガサス迷道を攻略しようというか、そこにあるであろう鉄鉱石が当初の目的だったわけで、それを知ったのは鉱石屋に流れの冒険者が持ち込んだプルガサス迷道で採掘した鉄鉱石を【鑑定】したのがきっかけなのだが……そういえば、プルガサス迷道は3階の大空洞まで石ぐらいしか採れないから、鉱石屋に鉄鉱石を持ちこんだ冒険者は4階層に到達していた、もしくは到達した人物と知っているってことに……んっ?ちょっと待てよ、私達の他にも4階層に到達した人がいたような……。
「あっ」
「あっ?」
「あああああぁぁ!!」
私はアイテムボックスからダンジョン入口の封印の解錠符を取り出してエヴァさんに差し出した。
「お前……どうしてこれを?コレを使わずにどうやってダンジョンに入った?」
「それがですね、俺達がダンジョンに着くと入口の封印は解かれていたんです」
「そんな報告受けてねぇぞ!!」
「何を言うか!報告も何もする前に問答無用で帰宅させたのは誰じゃ!?」
また始まったリアスとエヴァさんの口論を横に、他のメンバーにプルガサス迷道に行こうと思った経緯から、実際行った現場の状況などの詳細を報告をする。
「……そして、マロフィノがとどめの一撃を放った直後、【フィヨルド】と名乗る褐色の肌の女が現れ、迷宮核の魔石を奪っていきました」
『フィヨルド!?』
みんなの反応からすると、やはりあの女は名の通ったヤバイやつのようだ。
「チッ。【破滅のフィヨルド】かよ……だったらダンジョンの封印を破壊するくらいわけがないだろうな。でっ……タタラ、お前はどう見る?」
リアスの頭を鷲掴みにしながらエヴァさんが私の見解を求める。つーか、破滅のって、めちゃめちゃヤバイ通り名じゃない?
「えーっとですね……」
たどたどしく自分の意見を述べたが、簡潔にまとめると、フィヨルドは迷宮核の魔石を狙ってプルガサス迷道に侵入したがアイアンゴーレムを倒すことが出来ずに一時撤退。その際に路銀を稼ぐために鉄鉱石を採取しイザベルで換金、もしかしたら私のような鑑定スキル持ちが、プルガサス迷道で鉄鉱石が採れることに気づき攻略に向かうことを想定していたかもしれない。と、いった内容である。
「まぁ概ねそういうことだろう。お前はフラワルドの連中に斬られた、トムじゃないもう1人の獣人の男を覚えているか?」
「名前は存じ上げませんが、確か昏睡状態で意識が戻らないとか」
「実は、昨日目覚めたそいつから面白くない話を聞いた……」
昏睡状態から目覚めた獣人の名前はサム。トムの職人仲間で、あの日は工房の資材の買い出しに2人で出かけていたらしい。
そこで路地裏で倒れている冒険者風の人物を発見して声をかけたところ、急にトムに襲いかかり次の瞬間トムの様子が急変して突然魔獣のような唸り声をあげたところで自分の胸に衝撃を感じ、見ると胸に血のようにどす黒い赤い石が埋め込まれていた……そこで意識を失い、後の記憶は一切ないとのことだ。
その話を聞きながら、アフラさんの言葉を思い出す。
「血の……魔石」
「そうだ、血の魔石は獣人の野生本能を増幅させ理性を奪い支配し【狂戦士】に変貌させる悪魔の魔石だ。世界各地でバーサーカーによる殺戮行為が起こり、多くの街で被害が出ている。誰が何の目的でそんなことをしているのか、はっきりとしたことはわかっていないが、ただ、バーサーカーの被害にあった街のほとんどでフィヨルドの目撃情報が出ているため、バーサーカー事件の重要参考人としてフィヨルドは世界中に指名手配されている」
「もしかして、血の魔石は迷宮核の魔石から」
「可能性は大いにあるな……お前の推薦状と一緒にこのことも報告書にして送るとしよう。セリカ!そういうことだから、明日の朝一の発送に間に合うように今の話を報告書にまとめておけ」
「えっ!?でもお料理は?お酒は?宴会は?」
「間に合うなら飲んで食ってからやればいいだろ」
「なーんだ。そういうことなら了解しました!」
まじか!?宴会してから報告書を書くつもりか!?ブラックだ、ヤバイ、イザベル冒険者ギルドの闇を目撃してしまった。
「あのー……タタラさん」
「あっ、はい?」
「会計のサニー・ラティオです」
「あっどうも」
【鼠人】のサニーさんは大きな丸い耳と尖った鼻が特徴的な、リアスよりひとまわり小さい小柄な女性だ。
「マスターはすっかり言い忘れてますし、皆さん失念しているようですので一応お伝えしますが、今回のワームロワ討伐及びプルガサス迷道攻略に支払われる報酬金なのですが……」
確かに、すっかり忘れていた。
彼女の話によるとプルガサス迷道攻略はランクAクエストに格上げされ報酬金が上乗せされるのだが、現在調整中のため支払いまでに2、3日待って欲しいとのことだった。そういえば、鉄が目的だったから元の報酬金すら覚えていないや……いくらだったっけなぁ……。
「それからなのですが、ワームロワ討伐は当ギルドではなく、連盟本部発行のクエストのため報告や手続きにさらにお時間がかかりますのでご了承ください」
「ワームロワ討伐のクエストを受けたわけじゃないのに報酬金もらえるんですか?」
「はい、問題なく貰えますが……」
ギルド連盟本部発行の魔獣討伐クエストはどちらかというと賞金首のようなものらしく、事前にクエストを受けなくても討伐の事実があれば大丈夫ならしい。ただし事前にクエストを受けた場合は100%もらえる報酬金も事後報告の場合は90%つまり1割減での支給になる(事後調査費用という名目で)。
ちなみにギルド連盟本部発行クエストの報酬金は討伐者の登録ギルドに支払われ、そこから2割を登録ギルドに代行費用として差し引かれてから残りが冒険者に支払われるのだとか。
「ちなみにワームロワ討伐の報酬額って」
「1億ピックです」
「そうですか、ありがとうございま……って!?おっおっ」
「億じゃと!!?」
「はい1億ピックです、ですので皆さんに支払われるのは色々引かれて7000万ちょっとですね」
これぞアメリカンドリームならぬアクリスドリーム!まさか転生して2週間足らずで億万長者になってしまった。
やっば、何買おう。色々と妄想し始めると、急に肩が重くなり、顔のすぐ横にむさ苦し金髪のオッサンの顔が。
「あとでおごれよ、大富豪」
「うっす。ただし他の冒険者にはコレで」
ニヤニヤしながら肩を組みボソボソと喋るスカイさん、私は自分の鼻の前に人差し指を立ててこの事実を秘密にするように要求するが、ガハハハと豪快に笑い。
「大丈夫、大丈夫。俺が喋らなくても明日にはイザベル中が知ってるよ!」
「マジっすか」
スカイさんは、がっくり落ちた私の肩を、笑いながら豪快にバシバシ叩く。
まぁワームロワは有名な魔獣のようだから仕方ないか。なかば諦めモードの私の横でリアスが放心状態で何かブツブツ呟いている。
「おく?……億?……」
「どうしました?大丈夫っすか?」
私の問いかけで、別世界から戻ってきたリアスは真剣な顔で私にしがみつき。
「そんな大金もらって大丈夫か!?誘拐されたりしないか!?」
「だっ大丈夫……だ……」
「そうか!そうじゃよな!大丈夫じゃよな」
と思う。けど……いわれてみると、リアスは誘拐されやすそうな気がしたのは私だけではないはずだ。
明日から1人で外出は控えさせようと思いながら、すっかりぬるくなったグラスのビールを飲みほした。
あれ、そういえばマロフィノは?
「やだー!マロフィノちゃんったら。そんなところ舐めちゃダーメッ」
「フィン!フィフィフィン!」
我等がリーダーはセリカさんを口説きに入っていた。恐るべしマロフィノ、しかし、あの女性に対する姿勢を私も多少見習わないと、この世界でも嫁無し彼女無し記録を伸ばし続けることになってしまう。
「だぁかぁらぁっ!メッってば」
「フィーン、フィンフィン」
すげぇなアイツ……。
ちなみにこの宴会は日付が変わるまで続いた。
「新しい上級冒険者の誕生に」
『乾杯!!』
ヨーコさんの店であんなに食べたというのに、緊張から解き放たれた私は気がつくと腹ペコになっていた。
「タタラ!タタラ!シチューがあるんじゃ!」
私ではなく私達は腹ペコになっていた。そんな食欲旺盛な新参パーティーにベテラン冒険者達が酒ビンを持って近づいてくる。
「みんなおめでとう」
「全員俺と同列かよ、やるじゃねぇか」
「イーグルさん、スカイさん、ありがとうございます」
「みんながどうして君のことを擁護するのか理解できなかったけど、まさか初クエストでワームロワ討伐にプルガサス攻略とはね、恐れいったよ」
そう言うと、イーグルさんは酒ビンを突き出し、私は急いでグラスを飲み干してヘコヘコしながらお酌をしてもらう。これは元サラリーマンの悲しい習性である。
「プルガサスの新層では何が採れそうなんだい?」
「えっと……鉄鉱石が採れるのは確認できましたが、他はちょっとわからないです」
『鉄!?』
渡り鳥メンバー以外の全員が驚きながら私の顔を見つめる。そういえば、イザベルでは鉄は希少だって鉱石屋が言ってたっけな。
「凄い!それはこの街に大きな発展をもたらす大発見じゃないか!」
「つーかよぉ、アンタはどうしてプルガサス迷道なんて攻略しようと思ったんだ?」
「えっ?と……それは……」
プルガサス迷道を攻略しようというか、そこにあるであろう鉄鉱石が当初の目的だったわけで、それを知ったのは鉱石屋に流れの冒険者が持ち込んだプルガサス迷道で採掘した鉄鉱石を【鑑定】したのがきっかけなのだが……そういえば、プルガサス迷道は3階の大空洞まで石ぐらいしか採れないから、鉱石屋に鉄鉱石を持ちこんだ冒険者は4階層に到達していた、もしくは到達した人物と知っているってことに……んっ?ちょっと待てよ、私達の他にも4階層に到達した人がいたような……。
「あっ」
「あっ?」
「あああああぁぁ!!」
私はアイテムボックスからダンジョン入口の封印の解錠符を取り出してエヴァさんに差し出した。
「お前……どうしてこれを?コレを使わずにどうやってダンジョンに入った?」
「それがですね、俺達がダンジョンに着くと入口の封印は解かれていたんです」
「そんな報告受けてねぇぞ!!」
「何を言うか!報告も何もする前に問答無用で帰宅させたのは誰じゃ!?」
また始まったリアスとエヴァさんの口論を横に、他のメンバーにプルガサス迷道に行こうと思った経緯から、実際行った現場の状況などの詳細を報告をする。
「……そして、マロフィノがとどめの一撃を放った直後、【フィヨルド】と名乗る褐色の肌の女が現れ、迷宮核の魔石を奪っていきました」
『フィヨルド!?』
みんなの反応からすると、やはりあの女は名の通ったヤバイやつのようだ。
「チッ。【破滅のフィヨルド】かよ……だったらダンジョンの封印を破壊するくらいわけがないだろうな。でっ……タタラ、お前はどう見る?」
リアスの頭を鷲掴みにしながらエヴァさんが私の見解を求める。つーか、破滅のって、めちゃめちゃヤバイ通り名じゃない?
「えーっとですね……」
たどたどしく自分の意見を述べたが、簡潔にまとめると、フィヨルドは迷宮核の魔石を狙ってプルガサス迷道に侵入したがアイアンゴーレムを倒すことが出来ずに一時撤退。その際に路銀を稼ぐために鉄鉱石を採取しイザベルで換金、もしかしたら私のような鑑定スキル持ちが、プルガサス迷道で鉄鉱石が採れることに気づき攻略に向かうことを想定していたかもしれない。と、いった内容である。
「まぁ概ねそういうことだろう。お前はフラワルドの連中に斬られた、トムじゃないもう1人の獣人の男を覚えているか?」
「名前は存じ上げませんが、確か昏睡状態で意識が戻らないとか」
「実は、昨日目覚めたそいつから面白くない話を聞いた……」
昏睡状態から目覚めた獣人の名前はサム。トムの職人仲間で、あの日は工房の資材の買い出しに2人で出かけていたらしい。
そこで路地裏で倒れている冒険者風の人物を発見して声をかけたところ、急にトムに襲いかかり次の瞬間トムの様子が急変して突然魔獣のような唸り声をあげたところで自分の胸に衝撃を感じ、見ると胸に血のようにどす黒い赤い石が埋め込まれていた……そこで意識を失い、後の記憶は一切ないとのことだ。
その話を聞きながら、アフラさんの言葉を思い出す。
「血の……魔石」
「そうだ、血の魔石は獣人の野生本能を増幅させ理性を奪い支配し【狂戦士】に変貌させる悪魔の魔石だ。世界各地でバーサーカーによる殺戮行為が起こり、多くの街で被害が出ている。誰が何の目的でそんなことをしているのか、はっきりとしたことはわかっていないが、ただ、バーサーカーの被害にあった街のほとんどでフィヨルドの目撃情報が出ているため、バーサーカー事件の重要参考人としてフィヨルドは世界中に指名手配されている」
「もしかして、血の魔石は迷宮核の魔石から」
「可能性は大いにあるな……お前の推薦状と一緒にこのことも報告書にして送るとしよう。セリカ!そういうことだから、明日の朝一の発送に間に合うように今の話を報告書にまとめておけ」
「えっ!?でもお料理は?お酒は?宴会は?」
「間に合うなら飲んで食ってからやればいいだろ」
「なーんだ。そういうことなら了解しました!」
まじか!?宴会してから報告書を書くつもりか!?ブラックだ、ヤバイ、イザベル冒険者ギルドの闇を目撃してしまった。
「あのー……タタラさん」
「あっ、はい?」
「会計のサニー・ラティオです」
「あっどうも」
【鼠人】のサニーさんは大きな丸い耳と尖った鼻が特徴的な、リアスよりひとまわり小さい小柄な女性だ。
「マスターはすっかり言い忘れてますし、皆さん失念しているようですので一応お伝えしますが、今回のワームロワ討伐及びプルガサス迷道攻略に支払われる報酬金なのですが……」
確かに、すっかり忘れていた。
彼女の話によるとプルガサス迷道攻略はランクAクエストに格上げされ報酬金が上乗せされるのだが、現在調整中のため支払いまでに2、3日待って欲しいとのことだった。そういえば、鉄が目的だったから元の報酬金すら覚えていないや……いくらだったっけなぁ……。
「それからなのですが、ワームロワ討伐は当ギルドではなく、連盟本部発行のクエストのため報告や手続きにさらにお時間がかかりますのでご了承ください」
「ワームロワ討伐のクエストを受けたわけじゃないのに報酬金もらえるんですか?」
「はい、問題なく貰えますが……」
ギルド連盟本部発行の魔獣討伐クエストはどちらかというと賞金首のようなものらしく、事前にクエストを受けなくても討伐の事実があれば大丈夫ならしい。ただし事前にクエストを受けた場合は100%もらえる報酬金も事後報告の場合は90%つまり1割減での支給になる(事後調査費用という名目で)。
ちなみにギルド連盟本部発行クエストの報酬金は討伐者の登録ギルドに支払われ、そこから2割を登録ギルドに代行費用として差し引かれてから残りが冒険者に支払われるのだとか。
「ちなみにワームロワ討伐の報酬額って」
「1億ピックです」
「そうですか、ありがとうございま……って!?おっおっ」
「億じゃと!!?」
「はい1億ピックです、ですので皆さんに支払われるのは色々引かれて7000万ちょっとですね」
これぞアメリカンドリームならぬアクリスドリーム!まさか転生して2週間足らずで億万長者になってしまった。
やっば、何買おう。色々と妄想し始めると、急に肩が重くなり、顔のすぐ横にむさ苦し金髪のオッサンの顔が。
「あとでおごれよ、大富豪」
「うっす。ただし他の冒険者にはコレで」
ニヤニヤしながら肩を組みボソボソと喋るスカイさん、私は自分の鼻の前に人差し指を立ててこの事実を秘密にするように要求するが、ガハハハと豪快に笑い。
「大丈夫、大丈夫。俺が喋らなくても明日にはイザベル中が知ってるよ!」
「マジっすか」
スカイさんは、がっくり落ちた私の肩を、笑いながら豪快にバシバシ叩く。
まぁワームロワは有名な魔獣のようだから仕方ないか。なかば諦めモードの私の横でリアスが放心状態で何かブツブツ呟いている。
「おく?……億?……」
「どうしました?大丈夫っすか?」
私の問いかけで、別世界から戻ってきたリアスは真剣な顔で私にしがみつき。
「そんな大金もらって大丈夫か!?誘拐されたりしないか!?」
「だっ大丈夫……だ……」
「そうか!そうじゃよな!大丈夫じゃよな」
と思う。けど……いわれてみると、リアスは誘拐されやすそうな気がしたのは私だけではないはずだ。
明日から1人で外出は控えさせようと思いながら、すっかりぬるくなったグラスのビールを飲みほした。
あれ、そういえばマロフィノは?
「やだー!マロフィノちゃんったら。そんなところ舐めちゃダーメッ」
「フィン!フィフィフィン!」
我等がリーダーはセリカさんを口説きに入っていた。恐るべしマロフィノ、しかし、あの女性に対する姿勢を私も多少見習わないと、この世界でも嫁無し彼女無し記録を伸ばし続けることになってしまう。
「だぁかぁらぁっ!メッってば」
「フィーン、フィンフィン」
すげぇなアイツ……。
ちなみにこの宴会は日付が変わるまで続いた。
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