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英雄と呼ばれた王子
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私達が居酒屋の店主だと思っていたヨーコさんは、まさかの店主で領主だった。開いた口が塞がらないとは聞いたことがあるが、今まさに私はその状態になった。
「ごめんね、黙っていたわけではないの。だって誰からか聞いていると思うじゃない、もうほんとにあの子達ったらイタズラ好きなんだから」
確かに、ここに至るまでに何人かに聞きながら来たのに誰も領主様にご用ですか?とか言わなかった。きっと余所者だからヨーコさんが領主だって知らないと思って驚く顔を想像して笑っているに違いない。
「でも、みんな仲良しでいい子達だから怒らないであげてね」
ヨーコさんの言う通り、この街の人はみんな人が良く仲が良い印象だ。前の世界だったらこれほどの規模の街ではありえないほどに。
「領主様がお一人で居酒屋なんてやっていて大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ。だって私こう見えて結構強いのよ、本気を出せばリコウさんにだって負けないわよ!ねっアナタ」
無言で頷くリコウさん。そういえば前に解析した時にヨーコさんのレベル500オーバーだったな。
「そう、それで、しばらくしたら私が本気を出さなきゃいけない時が来そうだから今回のお願いをしたのよ」
「それは……戦争ですか?」
「そうね、そうならないなら一番良いのだけれど……ちょっと難しい状況になってきたみたいにね」
そっとリコウさんの膝に手を置くヨーコさんはとても悲しそうな表情をしていた。
その顔を見て少しためらいはしたが、シロ村のゴブリン事件の時の疑問を投げかける。
「魔王軍は何故ここにあなたを勧誘しに来たのですか?」
ヨーコさんは一瞬うつむき、ためらったような仕草をしたが。
「その話をするなら、私が何者なのかをお話ししなければいけませんね……少し昔話をしましょうか……この話は、【英雄】と呼ばれた王子の話……」
今から40年ほど前まで、この大陸【ディアンタ】では、乱立する国家どうしによる大陸の覇権争う戦争が100年以上続き【血の大陸】と呼ばれていた。
その100年戦争を終わらせたのがアスガルズ王国の亡き王子【テイルズ】だった。
戦争を終わらせるため当時16歳のテイルズ王子はある策を思い付き実行に移したのだが、その策というのがディアンタ大陸で自身の支配領域を持つ魔者を自軍に招き入れるという大それたものであり、さらにテイルズ王子が候補にあげた魔者は【三獣王】と呼ばれる強力な力を持つ魔者ばかりで自殺行為のようなその策に協力しようとするものはほとんどいなかった。
しかし、テイルズ王子はたった一人の部下とともに何度も三獣王の元を訪れて、時に瀕死の重傷を負いながらもたった2年でなんと三獣王全てをアスガルズ軍に引き入れてしまった。
その三獣王というのが、コープスマウンテンの支配者【屍山の魔狼】。ガラン平原の雷帝【雷の千獣】。そして、イザベル大森林の大妖【九尾の妖狐】である。
「ちょっ、イザベル大森林!?大妖!?って……まさか」
「そう……今は人の姿に化けているけど、本当の私は九本の尻尾を持つ狐の魔者……」
そうか、それでヨーコさんはフェンリルのことをあんなに気にしていたのか!同じ軍にいた同じ境遇の仲間ならあの涙は納得できるな。
「テイルズ王子は私にこう言ったわ……」
テイルズ王子が九尾の妖狐の元を初めて訪れた時、彼が九尾の妖狐にした提案は、イザベル大森林に難民の為の街を作りたいというものだった。
街を作るということは当然、森を切り払うということであり、戦線布告ととらえた九尾の妖狐はテイルズ王子と交戦した。
テイルズ王子は戦闘力だけをみると高く見積もってもBランク冒険者相当でしかなかったが、彼にはひとつだけ得体の知れないスキルなのか魔法なのかすらわからない特殊技があった。
それは2秒だけ時間を止め自分だけが行動できるというもので、瞬間移動のごとく消えるテイルズ王子とたった一人の部下の凄まじい戦闘力に押され、死を覚悟した九尾の妖狐にテイルズ王子が言った言葉に衝撃を受けた。
「王子は私にイザベルの領主として街を納めて欲しいって言い出したのよ!魔者に人の街の領主をさせようなんておかしくて笑っちゃった……それでひとつだけ条件を出したの」
九尾の妖狐は人間の身でありながら自分と互角に渡り合える存在に興味……というか好意……ようは戦闘の最中に今まさに自分を打ち倒そうとしている相手を好きになってしまったのだ。その相手というのがテイルズ王子……ではなく。
「その条件は王子の護衛をしていた当時のアスガルズ王国軍の騎士団長のリコウさんとお付き合いすることです♪」
まったく理解が出来ないのだがとても幸せそうでなによりです。
「それから軍のお手伝いをしたんだけど驚いたわ、だってすでに他の【三獣王】も引き入れていたんだもの」
【三獣王】を全員味方につけたアスガルズ軍の軍事力は圧倒的で、それからわずか半年で戦場を掌握し、テイルズ王子の天才的とも言える交渉能力でディアンタ大陸全ての国と和平交渉を完了してしまった。
「圧倒的な軍事力を手にしてもテイルズ王子は一貫して和平を貫いたのそして、戦争から解放された大陸でテイルズ王子は【英雄】として称えられるようになったの」
しかしテイルズ王子の凄いのはここからであった。
終戦に向けて活動するなか戦争復興の為の準備も怠っていなかったのだ。すでに着工が進んでいたイザベル大森林の街造りは戦争難民のためのもので、全ての難民はイザベルの開発工事に携わり、報酬として完成した街で住居を与えられた。
「敵、味方、種族に関わらずに集めた難民達がどういう行動にでるか心配だったけど、みんな私の言うことを聞いてくれたので思っていたより凄く楽だったわ」
それはそうだ、戦争の最中でもたった一体で領土を死守し続けた魔者に逆らおうなんて根性のある難民がいるはずがない。
「それから三獣王はそれぞれ別の道を進んだわ。フェンリルとなずけられた屍山の魔狼のその後はあなたも知っての通り」
軍に残ったフェンリルはテイルズ王子の死後、地下ダンジョンに幽閉され、ヨーコさん九尾の妖狐はイザベルを発展させ、残りの一体。
「ヌエと名ずけられた雷の千獣は、戦争の最中、武器に魅了されたの、そして……」
自分より圧倒的弱者の【人】が、心血を注ぎ作り出した武器を手に強者の自分に手傷を負わせるほど脅威になる、そのことがたまらなく愉快だったらしく赤子でも自分を殺せる武器を作りたいと単身エンドーレに渡った。
「そのヌエがヨーコさんの鉄扇を借りていった現在のルチザンのギルドマスターと言うことですか」
「そう、私が人化のスキルを覚えた時に一緒に精製された【魔道具】鉄扇【芭蕉】。振るだけで真空波を発生させる強力な武器が気になってしょうがないらしく、あんまりしつこいから貸しちゃったのよ」
【魔道具】というのは、魔獣や魔者が生まれた時もしくは進化した時などに一緒に生まれる専用装備のことである。
例えばゴブリンの棍棒や腰ミノなんかがそれだ、通常【魔道具】は所有する個体が死亡にドロップアイテムとして残る以外は所有する個体から離れると数分で消滅してしまうのだが、ヨーコさんの鉄扇はかなり特殊な魔道具のようだ。
「これで昔話はだいたい終わりかな、そして魔王軍がなんでここに来たのかわかったでしょ?」
「フェンリルの時と同じ、力のある魔者を探していたんですね」
「そういうこと」
「もし良かったら聞かせてください、なぜあなた方【三獣王】は魔者の国に行かなかったのですか?あなた方ほどの力があれば魔者の国でかなりの地位を得られたのではないですか?討伐の危険を感じながらどうして人の国で一人でいたのですか?」
「テイルズ王子にも言われたわ、そして、人と共に生きてみないかともね。フェンリルやヌエのことは私にはわからないし、どうして魔者になった後もイザベルの森にこだわり続けたのかもはっきりとはわからない。でも、今の自分のことならはっきりとわかるわ。私は【人】という者が大好き、弱く愚かでどうしようもないけれど、未来を見据えたときその短い一生を強く美しい輝きで駆け抜けていく、そんな【人】という者が私は愛おしくて仕方ないの」
テイルズ王子はおそらく三獣王という存在が人の営みに興味あることを直感的に悟っていたのだろう。英雄と呼ばれた王子か……少し話を聞いただけなのにもし彼が生きていたなら、戦争が起こりそうな今の現状を一気に解決してしまいそうな気がしてならない。
「タタラさんこれを」
私は立ち上がりヨーコさんが差し出した封書を受け取った。
「ご依頼承りました」
「よろしくお願いします。これをヌエに見せていただければ大丈夫だと思いますが、少し変わった子なので一応気をつけてくださいね」
「少し?」
「ええ……」
そう言ってヨーコさんは遠くを見つめた。どうやら相当な変人のようだ、気をつけよう。
依頼を受けた私達はイザベルの領主城を後にした、さて昼食を済ませたらいよいよ旅客飛竜とご対面だ。
やっべェ超楽しみなんですけど。
♦︎
「ねぇ似てたでしょ」
「あなたがそういうなら絶対そうよ」
「見た目は全然違うし、雰囲気だって……でも、フェンリルもきっと彼にテイルズを感じたと思うの」
「楽しみね、彼がこの世界に何をもたらすのか」
「ごめんね、黙っていたわけではないの。だって誰からか聞いていると思うじゃない、もうほんとにあの子達ったらイタズラ好きなんだから」
確かに、ここに至るまでに何人かに聞きながら来たのに誰も領主様にご用ですか?とか言わなかった。きっと余所者だからヨーコさんが領主だって知らないと思って驚く顔を想像して笑っているに違いない。
「でも、みんな仲良しでいい子達だから怒らないであげてね」
ヨーコさんの言う通り、この街の人はみんな人が良く仲が良い印象だ。前の世界だったらこれほどの規模の街ではありえないほどに。
「領主様がお一人で居酒屋なんてやっていて大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ。だって私こう見えて結構強いのよ、本気を出せばリコウさんにだって負けないわよ!ねっアナタ」
無言で頷くリコウさん。そういえば前に解析した時にヨーコさんのレベル500オーバーだったな。
「そう、それで、しばらくしたら私が本気を出さなきゃいけない時が来そうだから今回のお願いをしたのよ」
「それは……戦争ですか?」
「そうね、そうならないなら一番良いのだけれど……ちょっと難しい状況になってきたみたいにね」
そっとリコウさんの膝に手を置くヨーコさんはとても悲しそうな表情をしていた。
その顔を見て少しためらいはしたが、シロ村のゴブリン事件の時の疑問を投げかける。
「魔王軍は何故ここにあなたを勧誘しに来たのですか?」
ヨーコさんは一瞬うつむき、ためらったような仕草をしたが。
「その話をするなら、私が何者なのかをお話ししなければいけませんね……少し昔話をしましょうか……この話は、【英雄】と呼ばれた王子の話……」
今から40年ほど前まで、この大陸【ディアンタ】では、乱立する国家どうしによる大陸の覇権争う戦争が100年以上続き【血の大陸】と呼ばれていた。
その100年戦争を終わらせたのがアスガルズ王国の亡き王子【テイルズ】だった。
戦争を終わらせるため当時16歳のテイルズ王子はある策を思い付き実行に移したのだが、その策というのがディアンタ大陸で自身の支配領域を持つ魔者を自軍に招き入れるという大それたものであり、さらにテイルズ王子が候補にあげた魔者は【三獣王】と呼ばれる強力な力を持つ魔者ばかりで自殺行為のようなその策に協力しようとするものはほとんどいなかった。
しかし、テイルズ王子はたった一人の部下とともに何度も三獣王の元を訪れて、時に瀕死の重傷を負いながらもたった2年でなんと三獣王全てをアスガルズ軍に引き入れてしまった。
その三獣王というのが、コープスマウンテンの支配者【屍山の魔狼】。ガラン平原の雷帝【雷の千獣】。そして、イザベル大森林の大妖【九尾の妖狐】である。
「ちょっ、イザベル大森林!?大妖!?って……まさか」
「そう……今は人の姿に化けているけど、本当の私は九本の尻尾を持つ狐の魔者……」
そうか、それでヨーコさんはフェンリルのことをあんなに気にしていたのか!同じ軍にいた同じ境遇の仲間ならあの涙は納得できるな。
「テイルズ王子は私にこう言ったわ……」
テイルズ王子が九尾の妖狐の元を初めて訪れた時、彼が九尾の妖狐にした提案は、イザベル大森林に難民の為の街を作りたいというものだった。
街を作るということは当然、森を切り払うということであり、戦線布告ととらえた九尾の妖狐はテイルズ王子と交戦した。
テイルズ王子は戦闘力だけをみると高く見積もってもBランク冒険者相当でしかなかったが、彼にはひとつだけ得体の知れないスキルなのか魔法なのかすらわからない特殊技があった。
それは2秒だけ時間を止め自分だけが行動できるというもので、瞬間移動のごとく消えるテイルズ王子とたった一人の部下の凄まじい戦闘力に押され、死を覚悟した九尾の妖狐にテイルズ王子が言った言葉に衝撃を受けた。
「王子は私にイザベルの領主として街を納めて欲しいって言い出したのよ!魔者に人の街の領主をさせようなんておかしくて笑っちゃった……それでひとつだけ条件を出したの」
九尾の妖狐は人間の身でありながら自分と互角に渡り合える存在に興味……というか好意……ようは戦闘の最中に今まさに自分を打ち倒そうとしている相手を好きになってしまったのだ。その相手というのがテイルズ王子……ではなく。
「その条件は王子の護衛をしていた当時のアスガルズ王国軍の騎士団長のリコウさんとお付き合いすることです♪」
まったく理解が出来ないのだがとても幸せそうでなによりです。
「それから軍のお手伝いをしたんだけど驚いたわ、だってすでに他の【三獣王】も引き入れていたんだもの」
【三獣王】を全員味方につけたアスガルズ軍の軍事力は圧倒的で、それからわずか半年で戦場を掌握し、テイルズ王子の天才的とも言える交渉能力でディアンタ大陸全ての国と和平交渉を完了してしまった。
「圧倒的な軍事力を手にしてもテイルズ王子は一貫して和平を貫いたのそして、戦争から解放された大陸でテイルズ王子は【英雄】として称えられるようになったの」
しかしテイルズ王子の凄いのはここからであった。
終戦に向けて活動するなか戦争復興の為の準備も怠っていなかったのだ。すでに着工が進んでいたイザベル大森林の街造りは戦争難民のためのもので、全ての難民はイザベルの開発工事に携わり、報酬として完成した街で住居を与えられた。
「敵、味方、種族に関わらずに集めた難民達がどういう行動にでるか心配だったけど、みんな私の言うことを聞いてくれたので思っていたより凄く楽だったわ」
それはそうだ、戦争の最中でもたった一体で領土を死守し続けた魔者に逆らおうなんて根性のある難民がいるはずがない。
「それから三獣王はそれぞれ別の道を進んだわ。フェンリルとなずけられた屍山の魔狼のその後はあなたも知っての通り」
軍に残ったフェンリルはテイルズ王子の死後、地下ダンジョンに幽閉され、ヨーコさん九尾の妖狐はイザベルを発展させ、残りの一体。
「ヌエと名ずけられた雷の千獣は、戦争の最中、武器に魅了されたの、そして……」
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例えばゴブリンの棍棒や腰ミノなんかがそれだ、通常【魔道具】は所有する個体が死亡にドロップアイテムとして残る以外は所有する個体から離れると数分で消滅してしまうのだが、ヨーコさんの鉄扇はかなり特殊な魔道具のようだ。
「これで昔話はだいたい終わりかな、そして魔王軍がなんでここに来たのかわかったでしょ?」
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「そういうこと」
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テイルズ王子はおそらく三獣王という存在が人の営みに興味あることを直感的に悟っていたのだろう。英雄と呼ばれた王子か……少し話を聞いただけなのにもし彼が生きていたなら、戦争が起こりそうな今の現状を一気に解決してしまいそうな気がしてならない。
「タタラさんこれを」
私は立ち上がりヨーコさんが差し出した封書を受け取った。
「ご依頼承りました」
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「少し?」
「ええ……」
そう言ってヨーコさんは遠くを見つめた。どうやら相当な変人のようだ、気をつけよう。
依頼を受けた私達はイザベルの領主城を後にした、さて昼食を済ませたらいよいよ旅客飛竜とご対面だ。
やっべェ超楽しみなんですけど。
♦︎
「ねぇ似てたでしょ」
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