THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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タタラの後悔

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「タタラ!聞いておるのか!」
「へいへい、聞いておりますよぉ」
「なんじゃその態度は!!だいたいお主はいつもそうじゃ!!適当なことばかり言いおって……

 クラーケン討伐から3日、その間に船員達と悲願達成を祝した大宴会をして一時的に機嫌が良くなったリアスだったが、自分(マロフィノも含め)だけが眠らされている間に巨大魔獣を討伐されてしまったことを現在も相当根に持っている。
 私は最初こそ真面目に謝っていたがキリがないのでテキトーに聞き流しながら魔導機関式電動二輪装甲車両の製作に打ち込んでいるのだが、彼女の怒りはおさまる様子はない。

 ……なんじゃぞ!!もういい!!疲れたから休む!!」
「部屋に戻るんだったらチョコがあるので持って行きますか?」
「わーい!チョーコ!チョーコ!」
「マロフィノにはこの干し肉を。いいですかマロフィノには絶対にチョコを食べさせちゃダメですよ」
「はーい!」

 オヤツを貰ってご機嫌になったリアスは飛び跳ねるように作業部屋を立ち去る。

「そうじゃ!」

 リアス戻って来る。

「何ですか?」
「お説教の続きはまだまだあるからな!」

 リアス立ち去る。

「はぁ……」

 あっさりしてると思ったらしつこく根に持ったり……あの人はよくわからん。

 さて、ようやく静かになった作業部屋で魔導機関式電動二輪装甲車両のクラフトを急ピッチで進める。エンドーレに着くまでにディテールはともかくとしてなんとか走行可能な状態まで持っていきたいのだが、進捗率は現在60%一度作った物の再制作部品も多いので作業効率は悪くはないが、あと3日かぁ……今夜も徹夜になりそうだ……。

 ♦︎

 三日三晩作業し続け魔導機関式電動二輪装甲車両サイドカー付きはほぼ完成していたが、二輪車とサイドカーのブレーキの調整に手間取り4時間、私は何が正解なのかわからなくなっていた。

「テストモード起動……ブツブツ……出力80%まで……ブツブツ……ブレーキレバー操作……ブツブツ……」

 組み上がった車両上部に表示されたホログラムが実際に動いた際のデータを表示しながら動いたり止まったりを繰り返す。

「よしっ!!高速走行時でもブレずに止まるぞ!!ヤッタァ終わったぁぁ……はぁ……」

 達成感をはるかに超える疲労感、やばい意識が飛びそう。

「失礼します。タタラさん、夕方にはエンドーレ王国の港町ラッハに到着します……って、タタラさん?」

「どうしたっすか?カブさん」

「顔がほぼ死んでますよ……」
「はははぁ……ここ3日くらい寝てないからねぇ、それよりどうよ!コレ」

「どうって言われても……凄いは凄いっすけど……凄すぎて何なのか僕にはさっぱりわからないです」

 はははぁ……そりゃぁそうだよねぇ……帆船が活躍する世界に電動車両なんてぶっこんでも意味不明ですよねぇ。

「タタラ!できたのか!」

 完成の気配を嗅ぎつけてリアスがマロフィノを抱きながら作業部屋に駆け込んで来た。

「はい、なんとか間に合いました」
「ふぉお……わらわとマロが乗る場所が中々広くて良いではないか……前乗ったときのように風を感じれる設計は良いんじゃが雨が降ったらどうするんじゃ?」

 わかってますよと言わんばかりにサイドカー後部に折りたたんであった幌を引き伸ばしサイドカーに屋根を付けた。

「おおおお!!さっすがタタラじゃコレなら雨でも安心じゃな!!」
「フィン!!」
「気に入ってくれたようでなによりです」

「ただ……操縦席に屋根がないのはなんだか申し訳ないのう……この屋根のかかるほうに操縦席も入れれなかったのか?」

「はははぁ何をおっしゃいますか、それじゃバイクじゃなくて、くる……」

 ……………はっ!!

「くる?なんじゃ」

 そっそうだ……私は魔導式電動二輪装甲車両の復元ばかりに意識がいって大事なことを失念していた……。

 わざわざ調整の難しいサイドカーを作るくらいなら……車作った方が良かったんじゃねぇ?……。

「くる……くるしいっすねぇ……それは……ちょっと無理だったんで……す……」

 自分の初期構想からの致命的なミスを認めたくない私は苦し紛れに嘘を言い放った。

「そうか!そうじゃな、こんなに凄い物を作ったんじゃこれ以上贅沢を言ってはバチが当たるな」
「そっそうっすよぉ」
「じゃあ、わらわ達は荷物整理をしてくるから片付けが終わったらタタラも来るんじゃぞ」

「うい……」

 リアス達が作業部屋を立ち去るのを見送り私はその場に膝から崩れ落ちた。

「だっ大丈夫っすか」

「……全然」

 流線型のサイドカーを装着しガンメタリックカラーの装甲を装備した二輪車を見つめながら、私は少しだけ涙目になっていた。

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