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アガルタの洗礼(?)
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天高くまっすぐに伸びる大樹、力強く葉を広げる草花、どこかへ流れてゆく透き通った小川、そして、遠くから聞こえる猛獣達の雄叫び。
後ろを振り返るとそこにはこの景色にはまったく不釣り合いなほど立派で巨大な門がある。
ここは、【アガルタ】の第1階層。
「タタラよ、こんな所で本当に24時間以内に下へ降りる階段を見つけれるのか?」
「さぁ……」
私とリアスは真っ青な空を見上げながら途方に暮れていた。
「フィン!フィン!!フィン!!」
マロフィノがとても嬉しそうに私達を呼んでいる。
どうやら趣旨を理解して下層へ続くルートを察知したようだ。もはやこの空間で頼れるのは彼だけである……って。
「おい!勝手に一人で行くな!!ステータスの確認してからだ!!」
「フィーン?」
私の怒鳴り声にしょんぼりと戻って来たマロフィノを抱き上げて、怒鳴ってごめんという気持ちで優しく額を撫でる。危ない危ない、このアホみたいに巨大な空間に意識を持って行かれてつい、いつものようにマロフィノを自由にするところだった。
私はステータスウィンドウを開いた。さて、レベルは……。
タタラ(Lv1)スキルメイカー
HP:3203/3250 OP:1708/1708
右手: ウインドソード
左手: マン・ゴーシュ
体: マスタングジャケット
体下: シュバルツデニム
腕: シュバルツグローブ
足: シュバルツウィングチップ
マロフィノ(Lv1)
HP:180/180 OP:5/5
首: レッドチョーカー
体: マスタングベスト
リアス・アーバン(Lv1)
HP:120/120 OP:98/98
右手: 退魔の短剣
左手: ヨルズ・ステッキ
体: アダマンプレートミーノーワンピース
腕: 魔力のブレスレット
足: ミーノーブーティー
「これはダメだろ!俺っ!!」
「これ?タタラはだいたいいつもダメじゃが今頃気づいたのか?」
「フィン?」
ウルセーなコイツら、何を唐突に悪口ぶっ込んできてんの。
いや、そんなことよりまずこのステータスだ、レベル1でステータス据え置きってさすがにこれはチートすぎるだろ……まぁ危険度が下がってありがたいんですけど、こうなると仲間達のレベル上げを優先的に考えながら進むのがいいかな。
「さてマロフィノ、リアス、進み方ついていくつかお願いがあります」
「なんじゃ?」
「フィン?」
「道がまったくわからないため先頭はマロフィノ、ただし魔獣を察知した場合一旦俺のところまで下がって様子を見ること。それから、このダンジョンの敵の強さを把握しつつもレベル上げをしたいので階段を発見した場合はその周辺で魔獣討伐をします。討伐についても俺が魔獣の体力を削りますので合図があるまで後方待機していてください」
「なぜタタラばかり危険な役割なんじゃ!妾達はパーティーなんじゃからもっと均等に分担してじゃな」
「実は……なぜか俺だけレベルが下がってないんですよね」
本当はレベルは下がっているがその説明が面倒なのでそういうことにした。
「はぁ!?なんじゃそれは本当か?ズルではないか!!」
ズルではない!!
「いやぁ、まぁ、そういうことなので戦闘は任せてください」
「まぁそういうことなら任せた。じゃが!あまり無茶はするなよ!」
「フィン!」
「了解です!」
二人ともこういう時だけちょっと優しいのは何故だろう。
「それでは!【渡り鳥】アガルタ潜航!行くぞ!!」
『フィィィィウォォォォ!!』
と、雄叫びを上げた瞬間、近くの草むらで何かが動き葉が擦れる音が聞こえ真っ先にマロフィノが戦闘体勢に入った。
「魔獣か!?」
「リアス、門まで下がってください。マロフィノは……」
「フィグルゥゥゥ」
「……そこで待機で」
さて、【アガルタ】記念すべき第1魔獣は何かな?
「姿を見せろ!!【飛剣】」
ウインドソードの効果で速度と攻撃力が上昇した衝撃波が草むらを一気に刈り取った、が魔獣の姿はない。
「アレ?」
小走りで切り揃えられた草むらに駆け寄るとうっすら砂煙が上がっていた……やばい、もしかして。
ステータスウィンドウを開くと私のレベルが2に上昇……すると後方から先ほどとは比べ物にならないほどの殺意に満ちた気配が。
「タァ……タァ……ラァァ」
恐る恐る振り返ると鬼の形相のリアスが近づいてきていた。
「いや、その、アレですね、えっとぉ、何もいませんでした……よ?」
「嘘をつくでない!!なんじゃその煙は!?えっ!?また一人で倒したんじゃろうが!!違うか!?だいたいタタラは妾の話を聞いておるのか!?ついさっき無茶するなと言ったばかりじゃろうが!!それをなんじゃいきなり飛剣じゃと!?そんなの倒すに決まっておるじゃろうが!!タタラは阿呆か!?それとも馬鹿か!?」
「いやぁ……すみませんでした」
「聞き飽きたわ!!」
「ヘゴッ!!」
リアスの強烈なローキックが私の膝に叩き込まれ、私は倒れるように崩れ落ちた。
「タタラなんぞもう知らん!行くぞマロフィノ!」
「フィン!!」
激怒したリアスがマロフィノを連れ、去っていったが、今のひと蹴りでリアスのレベルが3になったのは絶対言わないようにしようと心に誓った。
しかし、リアスの蹴りはなぜもこんなに痛いのだろうか?もしかしてリアスはスキル【タタラキラー】とか持っているのではないだろうか?
じんじんする膝をさすりながら早くも【アガルタ】の洗礼(?)を受けた私なのであった。
それにしても、さっき魔獣は何だったのだろう?……。
後ろを振り返るとそこにはこの景色にはまったく不釣り合いなほど立派で巨大な門がある。
ここは、【アガルタ】の第1階層。
「タタラよ、こんな所で本当に24時間以内に下へ降りる階段を見つけれるのか?」
「さぁ……」
私とリアスは真っ青な空を見上げながら途方に暮れていた。
「フィン!フィン!!フィン!!」
マロフィノがとても嬉しそうに私達を呼んでいる。
どうやら趣旨を理解して下層へ続くルートを察知したようだ。もはやこの空間で頼れるのは彼だけである……って。
「おい!勝手に一人で行くな!!ステータスの確認してからだ!!」
「フィーン?」
私の怒鳴り声にしょんぼりと戻って来たマロフィノを抱き上げて、怒鳴ってごめんという気持ちで優しく額を撫でる。危ない危ない、このアホみたいに巨大な空間に意識を持って行かれてつい、いつものようにマロフィノを自由にするところだった。
私はステータスウィンドウを開いた。さて、レベルは……。
タタラ(Lv1)スキルメイカー
HP:3203/3250 OP:1708/1708
右手: ウインドソード
左手: マン・ゴーシュ
体: マスタングジャケット
体下: シュバルツデニム
腕: シュバルツグローブ
足: シュバルツウィングチップ
マロフィノ(Lv1)
HP:180/180 OP:5/5
首: レッドチョーカー
体: マスタングベスト
リアス・アーバン(Lv1)
HP:120/120 OP:98/98
右手: 退魔の短剣
左手: ヨルズ・ステッキ
体: アダマンプレートミーノーワンピース
腕: 魔力のブレスレット
足: ミーノーブーティー
「これはダメだろ!俺っ!!」
「これ?タタラはだいたいいつもダメじゃが今頃気づいたのか?」
「フィン?」
ウルセーなコイツら、何を唐突に悪口ぶっ込んできてんの。
いや、そんなことよりまずこのステータスだ、レベル1でステータス据え置きってさすがにこれはチートすぎるだろ……まぁ危険度が下がってありがたいんですけど、こうなると仲間達のレベル上げを優先的に考えながら進むのがいいかな。
「さてマロフィノ、リアス、進み方ついていくつかお願いがあります」
「なんじゃ?」
「フィン?」
「道がまったくわからないため先頭はマロフィノ、ただし魔獣を察知した場合一旦俺のところまで下がって様子を見ること。それから、このダンジョンの敵の強さを把握しつつもレベル上げをしたいので階段を発見した場合はその周辺で魔獣討伐をします。討伐についても俺が魔獣の体力を削りますので合図があるまで後方待機していてください」
「なぜタタラばかり危険な役割なんじゃ!妾達はパーティーなんじゃからもっと均等に分担してじゃな」
「実は……なぜか俺だけレベルが下がってないんですよね」
本当はレベルは下がっているがその説明が面倒なのでそういうことにした。
「はぁ!?なんじゃそれは本当か?ズルではないか!!」
ズルではない!!
「いやぁ、まぁ、そういうことなので戦闘は任せてください」
「まぁそういうことなら任せた。じゃが!あまり無茶はするなよ!」
「フィン!」
「了解です!」
二人ともこういう時だけちょっと優しいのは何故だろう。
「それでは!【渡り鳥】アガルタ潜航!行くぞ!!」
『フィィィィウォォォォ!!』
と、雄叫びを上げた瞬間、近くの草むらで何かが動き葉が擦れる音が聞こえ真っ先にマロフィノが戦闘体勢に入った。
「魔獣か!?」
「リアス、門まで下がってください。マロフィノは……」
「フィグルゥゥゥ」
「……そこで待機で」
さて、【アガルタ】記念すべき第1魔獣は何かな?
「姿を見せろ!!【飛剣】」
ウインドソードの効果で速度と攻撃力が上昇した衝撃波が草むらを一気に刈り取った、が魔獣の姿はない。
「アレ?」
小走りで切り揃えられた草むらに駆け寄るとうっすら砂煙が上がっていた……やばい、もしかして。
ステータスウィンドウを開くと私のレベルが2に上昇……すると後方から先ほどとは比べ物にならないほどの殺意に満ちた気配が。
「タァ……タァ……ラァァ」
恐る恐る振り返ると鬼の形相のリアスが近づいてきていた。
「いや、その、アレですね、えっとぉ、何もいませんでした……よ?」
「嘘をつくでない!!なんじゃその煙は!?えっ!?また一人で倒したんじゃろうが!!違うか!?だいたいタタラは妾の話を聞いておるのか!?ついさっき無茶するなと言ったばかりじゃろうが!!それをなんじゃいきなり飛剣じゃと!?そんなの倒すに決まっておるじゃろうが!!タタラは阿呆か!?それとも馬鹿か!?」
「いやぁ……すみませんでした」
「聞き飽きたわ!!」
「ヘゴッ!!」
リアスの強烈なローキックが私の膝に叩き込まれ、私は倒れるように崩れ落ちた。
「タタラなんぞもう知らん!行くぞマロフィノ!」
「フィン!!」
激怒したリアスがマロフィノを連れ、去っていったが、今のひと蹴りでリアスのレベルが3になったのは絶対言わないようにしようと心に誓った。
しかし、リアスの蹴りはなぜもこんなに痛いのだろうか?もしかしてリアスはスキル【タタラキラー】とか持っているのではないだろうか?
じんじんする膝をさすりながら早くも【アガルタ】の洗礼(?)を受けた私なのであった。
それにしても、さっき魔獣は何だったのだろう?……。
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