THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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背後に忍びよれ

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 龍の頭をか形づくったオーラが私の全身を包み、踏み出す足に爆発的な推進力を加える。

「二人とも!左右に散れ!」

 ヌエさんとマロオニが私の言葉を合図に夜叉から距離をとった。

 そして、私の駆けた後ろにオーラが尾を引くように流れ、最高速度に達した【龍剣】は【夜叉】に直撃。

 だが、夜叉の体を数センチ後退させただけだった。

 私はその結果に驚くこともなくバックステップ、その瞬間、私の眼前を夜叉の鋭い爪のような指先が右から左へと通過した。

(やはり、正面は防御すらしないか)

 夜叉は、素早く態勢を立て直した私に追撃を加えることなく私達三人を自身の正面に捉えれる位置まで後退。

「マロオニ!!そっちに行くぞ!!」
「マロ!?」

 次の瞬間、夜叉は私の予想通りマロオニに襲いかかった。
 だが、私の言葉とほぼ同時にヌエさんがマロオニのフォローに入る。

「マロッ!コイツただ腕を振り回してるだけなのになんて威力だよ!オニ」
「ヌハハハッ!マロ君もなかなかさばくのが上手いじゃないかっテイッ!!」

 マロオニが夜叉の猛攻を剣で受けている隙にヌエさんが巨大金槌で夜叉を打つ、だがその攻撃も鐘をついたような音を響かせるだけで夜叉にダメージを与えた様子はない。

 (側面も防御無しっと)

 そんな様子を見つつ、私は夜叉の後方に回り込もうと走り出した瞬間、夜叉はマロオニをつき飛ばし私の方に瞬時に移動、私の動きを牽制するように下に構えた腕を振り上げ強引に私を後退させ、私の側面に回り、また三人を正面に見える位置に立った。

「ヌハッ!?なんだか」

 どうやらヌエさんは何かを感じとったようだ。

「イテテテ、つき飛ばすなんて痛い、オニ」

 尻もちをつくように倒れていたマロオニが起き上がったのを横目に、私は夜叉から距離をとり二人の方に後ずさりする。

「戦人君、アレの動きがずいぶん鈍いが何かしたのかい?」
「たしかにそうかも、オニ」
「俺が何かしたというより、俺が入ったことで三人になったからだと思います」

「?どういうこと、オニ」

 マロオニは首を傾げたが、どうやらヌエさんは私の狙いに気づいたようだ。

「ヌハッ!!背中か!!?」
「おそらく」

「?どういうこと、オニ」

 マロオニは今度は逆方向に首を傾げた。

「いいかマロオニ、たぶんアイツの弱点は背中にあるってことだ」
「そんなの最初からわかっているオニ!!マロが聞いてるのはなんで三人になるとアイツの動きがにぶくなるのってこと!!オニ」

 えっ?ああ、それに引っかかる?つーか弱点に最初から気づいてたのかいっ!!いやでもまぁ、ごちゃごちゃ説明してる暇はない。

「いいか、アイツは三人が苦手なんだ!!」

 と、適当に言い切ってやった。マロオニよ別に馬鹿にしてるわけじゃないからな。ただ時間がないだけで。

「そうなんだ!!すげいぜタタラ!!オニ」

 あっ、凄く納得してくれた……良かった……。

「それでだ戦人君よ、何か策でもあるのかい?」
「策というか……」

 私は夜叉に視線を向けた。
 夜叉は私達を正面に見据え動く気配は無い。

「三人でこのまま正面から突撃します」
「ヌハッ!?」
「ただし、マロオニは攻撃に参加せず隙をついて背後に回るんだ」
「ヌァるほどね、僕と戦人君は囮というわけか」

 作戦というほどのものではないが、正面の攻撃の集中させれば夜叉の後方に対する警戒が緩む瞬間ができるはずだ。
 そして、今までの戦闘で夜叉に一番ダメージを与える一撃を放てるのはマロオニの攻撃だ、たぶん。

「できるよなマロオニ?」
「うん!!後ろから思いっきり叩けばいいんだよね!?オニ」
「そういうことだ。頼むぞ」

「マロに任せるオニ!!」

 私達はそれぞれ武器を構えた。

「あっ!!ちょっと待ってください」
「ヌハッ!?なんだい戦人君、危なく突っ込んでいくところだったじゃないか」
「すみません。今のうちに回復を」

 私は全員に【ハイパーヒール】をかけ、魔法薬を渡した。

「ヌハハハッ!収納魔法にこんな大量の【霊薬ソーマ】だなんて、クレイジーすぎやしないか戦人君」
「タタラはいつもコレをがぶ飲みしてるよ?」
「おい、馬鹿。余計なことを言うんじゃない!!」
「ヌハハハッ!!まさか自分で調合できるなんて言わないよね?」

 私はヌエさんから目をそらした。

「さぁ!!みんな行くぞ!!」
「ヌハッ!!オーケーだよ!!」
「マロもオーケーだよ!!オニ」

 私達は再び武器を構え。

「行くぞ!!」

 夜叉に向け突撃を開始した。

 


 
 
 
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