11 / 144
リアスの告白
しおりを挟む
朝から瀕死の重症を負った私は、猫耳お姉さんの回復魔法でなんとか一命を取りとめ、現在、もの凄く不機嫌なリアスさんと向かいあって朝食を取っている。
「おい、ど助兵衛。いつまで食べておるんじゃ、出発するぞ」
「はい」
いつのまにか、ど助兵衛にランクアップしてしまった。たしかにさっきのは私が悪かった、本当にすみませんでした。
「フィン?」
どうしたんですか?じゃないよ、こういう時こそ友達だったら助けてほしいものだ。マロフィノを抱き上げ私達は支払いのためカウンターへ向かった。
「お帰りですかニャ?ご精算は一緒でいいのかニャ?」
「こやつが支払うので一緒でかまわぬ」
「ちょっ、ちょっとリアスさん」
「何か文句でもあるのか?言っておくが妾は1ピックも持っておらぬぞ。それにあんな辱しめを受けたんじゃ、ここぐらいおぬしが支払って当然じゃろう」
なっなんですとぉ!?ちょいまち、ちょいまち、私は高速再生で昨日の出来事を思い出す……。怖っ、この女、怖っ。街まで送らせようとしたり、慰謝料請求しようとしたり、挙句の果てには無一文で高級な宿泊施設に泊まろうとしたり。つーかあのまま、ノコノコと入ってたらそれも私に支払わせる気だったのか?
何がおぬしが心配で付いてきただ、金がないからタカリに来ただけじゃねぇか。怒りをこらえきれず握り拳を作った私に猫耳お姉さんが耳打ちをした。
「こういう時は男がスッと支払うもんニャ、それにいくら仲良しさんでもさっきの迫りかたは良くないと思うニャ」
私はガックリうなだれた、もう何も言うまい。私が悪いのだ、全て私が。
「合計1万4200ピックだニャ」
一応、ポケットから取り出すそぶりをしながらアイテムボックスからお金を取り出す。
「うむ、なかなかいい宿じゃった、機会があればまた来てやろう」
そういうのは、金を払ってから言え。このガッカリエルフめが。
「ありがとうございますニャ、皆様の一日にアクリス神のご加護がありますように。いってらっしゃいませニャ」
「フィンッ!」
お姉さんは私達が見えなくなるまで手を振ってくれていて、その姿をマロフィノが私の頭の上で、後ろを向きながら名残惜しそうに見つめている。それにしてもまだ午前10時にもなっていないというのに、この疲労感はなんだろう。これからの手続きに備えて軽くストレッチをしながら歩く。
「怒っておらぬのか?」
ストレッチをする私が機嫌良く見えたのか、リアスさんが疑心暗鬼の視線でたずねてきた。まぁ、怒ってるっちゃあ、怒ってるけど、私も悪いところがあったのでそこはこれで手打ち、ということにしていただければ別段問題はない。ただ、どうしても言っておかなければいけないことが一つある。
「お金なかったんなら先に言ってくださいね」
リアスさんは顔を赤くしながら言った。
「だって、だって。もし、もしじゃ。お金ないなんて言ったら、タタラがさ、妾にさ、その……金払ってやってるから、えっちぃことさせろとかさ……」
「いっ、言うわけないでしょうが!バカなこと言わないでください」
私の言葉を聞いたリアスさんは目に涙を溜めながら。
「じゃって、昨日、馬車に乗せてくれた男はそう言ったんじゃ、妾の持ってる金が足りないからって……じゃから服を脱げって。それから、それから……妾は怖くなって、恐ろしくなって、男に財布を投げつけて逃げたんじゃ。そしたらそこでタタラに会って」
男に襲われかけ、無一文でひとり途方にくれ、そこにやってきた私に仕方なくも頼るしかなかった彼女は、昨日どんな想いで一夜を過ごしたのだろう。彼女の横暴な態度はきっと、男性への疑念や不安からくるものだったのだろう。もう少し、配慮ある行動をしてあげれば良かったという想いと、彼女を陥れようとした馬車の男への嫌悪感から、私は奥歯が砕けてしまいそうなほど歯を食いしばっていた。
「タタラ、やっぱり怒っておるのか」
「フィーン?」
みんなが心配そうにしているので、深く深呼吸をして心を落ち着かせた。よし、今はまず、リアスさんが安心するようなことを言ってあげなければ。
「大丈夫ですって怒ってないですよ、それに私は高身長の巨乳のお姉さんがタイプなので安心してください」
私は満面の笑みで言い放った。すると不安そうだったリアスさんの表情はみるみるうちに鬼の形相へと変わっていく。
「おっ、おぬしと言うヤツは……最低じゃ!」
リアスさんは全力で私の股間を蹴り上げ去っていった。そして私は崩れ落ちるように前かがみに倒れ込み、死んだ。
「おい、ど助兵衛。いつまで食べておるんじゃ、出発するぞ」
「はい」
いつのまにか、ど助兵衛にランクアップしてしまった。たしかにさっきのは私が悪かった、本当にすみませんでした。
「フィン?」
どうしたんですか?じゃないよ、こういう時こそ友達だったら助けてほしいものだ。マロフィノを抱き上げ私達は支払いのためカウンターへ向かった。
「お帰りですかニャ?ご精算は一緒でいいのかニャ?」
「こやつが支払うので一緒でかまわぬ」
「ちょっ、ちょっとリアスさん」
「何か文句でもあるのか?言っておくが妾は1ピックも持っておらぬぞ。それにあんな辱しめを受けたんじゃ、ここぐらいおぬしが支払って当然じゃろう」
なっなんですとぉ!?ちょいまち、ちょいまち、私は高速再生で昨日の出来事を思い出す……。怖っ、この女、怖っ。街まで送らせようとしたり、慰謝料請求しようとしたり、挙句の果てには無一文で高級な宿泊施設に泊まろうとしたり。つーかあのまま、ノコノコと入ってたらそれも私に支払わせる気だったのか?
何がおぬしが心配で付いてきただ、金がないからタカリに来ただけじゃねぇか。怒りをこらえきれず握り拳を作った私に猫耳お姉さんが耳打ちをした。
「こういう時は男がスッと支払うもんニャ、それにいくら仲良しさんでもさっきの迫りかたは良くないと思うニャ」
私はガックリうなだれた、もう何も言うまい。私が悪いのだ、全て私が。
「合計1万4200ピックだニャ」
一応、ポケットから取り出すそぶりをしながらアイテムボックスからお金を取り出す。
「うむ、なかなかいい宿じゃった、機会があればまた来てやろう」
そういうのは、金を払ってから言え。このガッカリエルフめが。
「ありがとうございますニャ、皆様の一日にアクリス神のご加護がありますように。いってらっしゃいませニャ」
「フィンッ!」
お姉さんは私達が見えなくなるまで手を振ってくれていて、その姿をマロフィノが私の頭の上で、後ろを向きながら名残惜しそうに見つめている。それにしてもまだ午前10時にもなっていないというのに、この疲労感はなんだろう。これからの手続きに備えて軽くストレッチをしながら歩く。
「怒っておらぬのか?」
ストレッチをする私が機嫌良く見えたのか、リアスさんが疑心暗鬼の視線でたずねてきた。まぁ、怒ってるっちゃあ、怒ってるけど、私も悪いところがあったのでそこはこれで手打ち、ということにしていただければ別段問題はない。ただ、どうしても言っておかなければいけないことが一つある。
「お金なかったんなら先に言ってくださいね」
リアスさんは顔を赤くしながら言った。
「だって、だって。もし、もしじゃ。お金ないなんて言ったら、タタラがさ、妾にさ、その……金払ってやってるから、えっちぃことさせろとかさ……」
「いっ、言うわけないでしょうが!バカなこと言わないでください」
私の言葉を聞いたリアスさんは目に涙を溜めながら。
「じゃって、昨日、馬車に乗せてくれた男はそう言ったんじゃ、妾の持ってる金が足りないからって……じゃから服を脱げって。それから、それから……妾は怖くなって、恐ろしくなって、男に財布を投げつけて逃げたんじゃ。そしたらそこでタタラに会って」
男に襲われかけ、無一文でひとり途方にくれ、そこにやってきた私に仕方なくも頼るしかなかった彼女は、昨日どんな想いで一夜を過ごしたのだろう。彼女の横暴な態度はきっと、男性への疑念や不安からくるものだったのだろう。もう少し、配慮ある行動をしてあげれば良かったという想いと、彼女を陥れようとした馬車の男への嫌悪感から、私は奥歯が砕けてしまいそうなほど歯を食いしばっていた。
「タタラ、やっぱり怒っておるのか」
「フィーン?」
みんなが心配そうにしているので、深く深呼吸をして心を落ち着かせた。よし、今はまず、リアスさんが安心するようなことを言ってあげなければ。
「大丈夫ですって怒ってないですよ、それに私は高身長の巨乳のお姉さんがタイプなので安心してください」
私は満面の笑みで言い放った。すると不安そうだったリアスさんの表情はみるみるうちに鬼の形相へと変わっていく。
「おっ、おぬしと言うヤツは……最低じゃ!」
リアスさんは全力で私の股間を蹴り上げ去っていった。そして私は崩れ落ちるように前かがみに倒れ込み、死んだ。
0
あなたにおすすめの小説
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~
月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」
猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。
彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。
チート能力? 攻撃魔法?
いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。
「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」
ゴブリン相手に正座で茶を勧め、
戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、
牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。
そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……?
「野暮な振る舞いは許しません」
これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる