THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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リアスの告白

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 朝から瀕死の重症を負った私は、猫耳お姉さんの回復魔法でなんとか一命を取りとめ、現在、もの凄く不機嫌なリアスさんと向かいあって朝食を取っている。

「おい、ど助兵衛。いつまで食べておるんじゃ、出発するぞ」
「はい」

 いつのまにか、ど助兵衛にランクアップしてしまった。たしかにさっきのは私が悪かった、本当にすみませんでした。

「フィン?」

 どうしたんですか?じゃないよ、こういう時こそ友達だったら助けてほしいものだ。マロフィノを抱き上げ私達は支払いのためカウンターへ向かった。

「お帰りですかニャ?ご精算は一緒でいいのかニャ?」
「こやつが支払うので一緒でかまわぬ」
「ちょっ、ちょっとリアスさん」
「何か文句でもあるのか?言っておくがわらわは1ピックも持っておらぬぞ。それにあんなはずかしめを受けたんじゃ、ここぐらいおぬしが支払って当然じゃろう」

 なっなんですとぉ!?ちょいまち、ちょいまち、私は高速再生で昨日の出来事を思い出す……。怖っ、この女、怖っ。街まで送らせようとしたり、慰謝料請求しようとしたり、挙句の果てには無一文で高級な宿泊施設に泊まろうとしたり。つーかあのまま、ノコノコと入ってたらそれも私に支払わせる気だったのか?
 何がおぬしが心配で付いてきただ、金がないからタカリに来ただけじゃねぇか。怒りをこらえきれず握り拳を作った私に猫耳お姉さんが耳打ちをした。

「こういう時は男がスッと支払うもんニャ、それにいくら仲良しさんでもさっきのせまりかたは良くないと思うニャ」

 私はガックリうなだれた、もう何も言うまい。私が悪いのだ、全て私が。

「合計1万4200ピックだニャ」

 一応、ポケットから取り出すそぶりをしながらアイテムボックスからお金を取り出す。

「うむ、なかなかいい宿じゃった、機会があればまた来てやろう」

 そういうのは、金を払ってから言え。このガッカリエルフめが。

「ありがとうございますニャ、皆様の一日にアクリス神のご加護がありますように。いってらっしゃいませニャ」

「フィンッ!」

 お姉さんは私達が見えなくなるまで手を振ってくれていて、その姿をマロフィノが私の頭の上で、後ろを向きながら名残惜しそうに見つめている。それにしてもまだ午前10時にもなっていないというのに、この疲労感はなんだろう。これからの手続きにそなえて軽くストレッチをしながら歩く。

「怒っておらぬのか?」

 ストレッチをする私が機嫌良く見えたのか、リアスさんが疑心暗鬼の視線でたずねてきた。まぁ、怒ってるっちゃあ、怒ってるけど、私も悪いところがあったのでそこはこれで手打ち、ということにしていただければ別段問題はない。ただ、どうしても言っておかなければいけないことが一つある。

「お金なかったんなら先に言ってくださいね」

 リアスさんは顔を赤くしながら言った。

「だって、だって。もし、もしじゃ。お金ないなんて言ったら、タタラがさ、わらわにさ、その……金払ってやってるから、えっちぃことさせろとかさ……」
「いっ、言うわけないでしょうが!バカなこと言わないでください」

 私の言葉を聞いたリアスさんは目に涙を溜めながら。

「じゃって、昨日、馬車に乗せてくれた男はそう言ったんじゃ、わらわの持ってる金が足りないからって……じゃから服を脱げって。それから、それから……わらわは怖くなって、恐ろしくなって、男に財布を投げつけて逃げたんじゃ。そしたらそこでタタラに会って」

 男に襲われかけ、無一文でひとり途方にくれ、そこにやってきた私に仕方なくも頼るしかなかった彼女は、昨日どんな想いで一夜を過ごしたのだろう。彼女の横暴な態度はきっと、男性への疑念や不安からくるものだったのだろう。もう少し、配慮ある行動をしてあげれば良かったという想いと、彼女を陥れようとした馬車の男への嫌悪感から、私は奥歯が砕けてしまいそうなほど歯を食いしばっていた。

「タタラ、やっぱり怒っておるのか」
「フィーン?」

 みんなが心配そうにしているので、深く深呼吸をして心を落ち着かせた。よし、今はまず、リアスさんが安心するようなことを言ってあげなければ。

「大丈夫ですって怒ってないですよ、それに私は高身長の巨乳のお姉さんがタイプなので安心してください」

 私は満面の笑みで言い放った。すると不安そうだったリアスさんの表情はみるみるうちに鬼の形相へと変わっていく。

「おっ、おぬしと言うヤツは……最低じゃ!」

 リアスさんは全力で私の股間を蹴り上げ去っていった。そして私は崩れ落ちるように前かがみに倒れ込み、死んだ。

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