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シロ村の策略
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開いた門の先には50代くらいの男が一人立っていて、その奥の広場には村人達が集まっている。
軽装のおよそ門番とは思えないその男がニヤニヤしながら口を開く。
「おお、冒険者の皆様。ワタクシはこの村の村長でございます。この度はワタクシの出した依頼を受け、ゴブリンどもを殲滅していただき、誠にありがとうございます」
そのセリフにブチ切れたジーティが斬りかかりそうになるが、メンバーがなんとか押さえ込んでいる。
「おい、オッサン。依頼を出したのはテメェで間違いないんだな?」
声量を抑え質問を投げかけたスカイさんの声は明らかに激昂しているのを感じさせるものだった。
「はい、そうですが何か?」
あっけらかんと答えた村長にスカイさんは胸を大きく張りながら見下ろすようにゆっくりと歩み寄り、血管が浮きでるほど握り込んだ拳を大きく振りかぶり、それを村長の顔面に叩き込んだ。
ものすごい勢いでぶっ飛ばされた村長は糸の切れた操り人形のように手足を曲げて地面に転がっている。
「何かじゃねぇぞ!テメェがたかだか100万ケチったせいで俺のパーティーが全滅するところだったんだぞ!!このクソが!!」
「あなたは、たかだかと言いますが。100万ですよ100万。この村でそれがどれほどの大金か分かりますか?」
寝転んだままの村長の言葉に私の怒りが頂点に達した。
その時、後ろから背筋が凍るような声が響く。
「テメェ。私のギルドなめてんのか?」
怒りに肩を上げ大きく腕を振り、漆黒の黒い長い髪をなびかせ、鬼の形相のギルドマスター、エヴァ・フリゲートが冒険者を4人を引き連れ、私の横を通り過ぎる。
「タタラァ、テメェも覚悟しておけよ」
「はっ……ひぃ」
忘れてたぁぁぁぁ!!セリカさんの警告を無視してクエストも受けずに飛び出して来てたんだったぁぁぁぁ!!やばい、やばいよ、さっきの怒りかた、ただごとじゃないよぉ。いっそ追放だけで勘弁してくれないかな、いや絶対無理だ。それだけ済むはずがないィィィ。
私が頭を抱えて座りんだその時だった。
「来た」
「あっ?」
「来たぁぁぁぁ!!あなた!!エヴァ・フリゲートですよね?」
地面に転がっていた村長はその格好のままむくっと起き上がり。
「ヒャハハハハハ!!答えなくても結構。ワタクシ【解析】使えますからぁ!!」
急にキャラが変わったように高笑いを始め、オーケストラの指揮者のように腕を振り上げクネクネとポーズを取り出した。
その様子に私達はドン引きし、何が起こったのか状況が把握できずにあっけにとられてしまった。
ただ一人を除いては。
「いつからこの村の村長は魔者になったんだ?」
エヴァさんの言葉に、私は急いで【解析】を使う。すると、村長の姿が歪み始め、白髪のピエロのような姿に一瞬だけ変わりまた元の村長の姿に戻った。
【 名前 】 スノウ
【 レベル 】 189
「うーん。ゴブリンの巣穴風トンネルを掘り終えてからですから……。一週間ほど前ですかね」
村長に化けているスノウは答え終えた後、ニヤッとムカつく笑顔を作る。
何がしたいんだ?エヴァさんを呼び寄せるために、わざわざトンネルを作りゴブリンの大群をどこからか率いて、嘘のクエストを流し、コイツの目的は一体なんなんだ。
「おやおや?黒髪のあなた、ワタクシの目的ですか?」
「ああ、来るか来ないかわからないエヴァさんのために随分と回りくどいことするもんだな」
「アハハハハ!さては黒髪のあなた新人ですね?来るんですよ!エヴァ・フリゲートは、自分のギルド冒険者のためなら。それが、普段は決して街から出ることのないギルドマスターの役目、役割、義務なのです」
まだまだベラベラと喋り続けるスノウの言葉を要約すると、ギルドマスターは自分のギルドのある街の守護者としての役割があるため、領主との協定により別な街や村に行くことをいくつかの例外を除き禁止されている。
その例外の一つが所属冒険者の救助依頼である。なぜなら死亡率の高いギルドは、運営方法に問題有りとしてギルド本部より解体命令が出されてしまう場合があり、ギルドが無くなれば当然、クエストを別な街のギルドに依頼するハメになり、治安悪化や経済力の低下に繋がってしまうからだ。
「ごちゃごちゃうるさいんだよ、要件はなんだ!」
思わずビクッとしてしまった。私じゃなくてスノウに怒ったんですよね?
「えっ?ああ……もう、済みました」
「あ゛っ!?」
完全にキレたエヴァさんは、地面を蹴ってスノウに殴りかかり、渾身の右ストレートがスノウの胸を貫いた、かに見えたが、スノウの体は揺らめきながらどこかに消え去ってしまった。
「幻影スキルか」
エヴァさんは素早く振り向いて空を見上げる。その視線の先で、村長の姿から、【解析】の時に見えた白髪のピエロの姿になったスノウが宙を浮いてクネクネと体をよじっていた。
「ふーっ。ギリギリでしたが上手にかわせました。ああ、そうだ名乗り遅れました、ワタクシ、魔王軍幻影部隊、副隊長のスノウと申します」
「魔王……テメェ、そういうことかよ」
エヴァさんが何かに気づき、表情を曇らせる。
「今ごろ、我が隊長、ヴァン・ピエール様がレジバン様と共に目的を果たしている頃でしょう。それでは、皆様サヨウナラ。転移【トランスバニラ】」
空中でスノウの体が青白い光に包まれ
「えっ?なぜ?どうして?どーーーーして、あなた様がこんなところに!?転移ストップ!ちょっとまっ
誰かに驚き、転移をやめようともがきながら、白い光の粒を放ちながら光とともに消えた。
「最後アイツ何に驚いたんでしょう?」
「さぁな、それより私は急いでイザベルに戻る。それから、私を追って来る必要はないが戻ったら全員ギルドに来ること!わかったね!?」
『はい!!』
私達の返事とほぼ同時にエヴァさんは走り出した……はっや。もう見えないし。
その姿をボーッと見ていると、エヴァさんの連れてきた冒険者の一人が喋り出した。
「凄いね、君。タタラ君だっけ?ケン君がギルドに駆け込んできてから僕達がここに着くまで40分もかからなかったっていうのに救援どころか殲滅まで終わっているなんて」
紺と青の中間のような色の短い髪、まるで俳優の様な端整な顔立ちの剣士風の男のスカイブルーの瞳が私を見つける。
「すみません、せっかく来ていただいたのに無駄足にしてしまって、えっと……」
「ああ、俺はイーグル・コロナ。全員無事だったみたいだし、こういう無駄足は大歓迎さ」
「ありがとうございます、イーグルさん」
「街の様子も気になるが、あの村人達なにかおかしくない?」
確かに、さっきの騒ぎでも誰一人声ひとつあげなかったし、今も軍隊のように綺麗に整列している。
「精神支配かな?だったら俺たちが来たかいがあるかもね、タック頼む」
タックと呼ばれた魔道士風の男がゆっくり歩いて村人達に近づく。
んっ?イーグルさんと同じ髪の色。よく見るとエヴァさんが連れてきた四人全員同じ髪と目の色だ、兄弟か?
「兄さん、レベルの低い支配魔法ですね、解除しちゃいますね」
「よろしく」
「魔道スキル【マジックフィールド】展開、範囲……確定」
タックさんが空に手を掲げ、指先から放たれた光が空から村をすっぽりと覆った。
「治癒魔法【アンチドミネ】」
村人達から白い光の粒が溢れて出し、眩しく光出す。
数秒後、光がおさまると、ざわざわと声が聞こえ出した。つーかこの人凄い、一瞬で200人以上いる村人を治療するなんて。
「俺たちはパニックにならないように村に残って事情の説明と調査をしてから帰るから、タタラ君達は先にイザベルに戻って街の警護を」
「わかりました、よろしくお願いします」
私は頭を下げ立ち去る間際イーグルさんの顔を見ると、どこか寂しそうにスカイさんを見つめていた。
「その腕じゃ、もう勝負にならないな。スカイ」
「ガハハハ、ならないかどうか今度試してみるか?」
「ああ、そうだな」
どうやら二人は友人というか、ライバルのような関係のようだ。私にそんな友人がいた経験はないが、確かに今のスカイさんの姿を見たら悲しく寂しい気持ちになるだろう。
「フィン」
「どうした?」
マロフィノが困ったように私の足に前足を突っ張って立ち上がり、リアスの方を何度も振り返る。
「リアス大丈夫?」
「ああ、ちょっと疲れただけじゃ」
そうだな、さすがに私もクタクタだ。だが、まだこの事態は終わってはいない。
急いで戻ったエヴァさん、そして、魔王軍の幹部が襲来したイザベルはいったいどうなっているのだろうか?そんな思いを抱えながら、私達はイザベルへの帰路へとついた。
軽装のおよそ門番とは思えないその男がニヤニヤしながら口を開く。
「おお、冒険者の皆様。ワタクシはこの村の村長でございます。この度はワタクシの出した依頼を受け、ゴブリンどもを殲滅していただき、誠にありがとうございます」
そのセリフにブチ切れたジーティが斬りかかりそうになるが、メンバーがなんとか押さえ込んでいる。
「おい、オッサン。依頼を出したのはテメェで間違いないんだな?」
声量を抑え質問を投げかけたスカイさんの声は明らかに激昂しているのを感じさせるものだった。
「はい、そうですが何か?」
あっけらかんと答えた村長にスカイさんは胸を大きく張りながら見下ろすようにゆっくりと歩み寄り、血管が浮きでるほど握り込んだ拳を大きく振りかぶり、それを村長の顔面に叩き込んだ。
ものすごい勢いでぶっ飛ばされた村長は糸の切れた操り人形のように手足を曲げて地面に転がっている。
「何かじゃねぇぞ!テメェがたかだか100万ケチったせいで俺のパーティーが全滅するところだったんだぞ!!このクソが!!」
「あなたは、たかだかと言いますが。100万ですよ100万。この村でそれがどれほどの大金か分かりますか?」
寝転んだままの村長の言葉に私の怒りが頂点に達した。
その時、後ろから背筋が凍るような声が響く。
「テメェ。私のギルドなめてんのか?」
怒りに肩を上げ大きく腕を振り、漆黒の黒い長い髪をなびかせ、鬼の形相のギルドマスター、エヴァ・フリゲートが冒険者を4人を引き連れ、私の横を通り過ぎる。
「タタラァ、テメェも覚悟しておけよ」
「はっ……ひぃ」
忘れてたぁぁぁぁ!!セリカさんの警告を無視してクエストも受けずに飛び出して来てたんだったぁぁぁぁ!!やばい、やばいよ、さっきの怒りかた、ただごとじゃないよぉ。いっそ追放だけで勘弁してくれないかな、いや絶対無理だ。それだけ済むはずがないィィィ。
私が頭を抱えて座りんだその時だった。
「来た」
「あっ?」
「来たぁぁぁぁ!!あなた!!エヴァ・フリゲートですよね?」
地面に転がっていた村長はその格好のままむくっと起き上がり。
「ヒャハハハハハ!!答えなくても結構。ワタクシ【解析】使えますからぁ!!」
急にキャラが変わったように高笑いを始め、オーケストラの指揮者のように腕を振り上げクネクネとポーズを取り出した。
その様子に私達はドン引きし、何が起こったのか状況が把握できずにあっけにとられてしまった。
ただ一人を除いては。
「いつからこの村の村長は魔者になったんだ?」
エヴァさんの言葉に、私は急いで【解析】を使う。すると、村長の姿が歪み始め、白髪のピエロのような姿に一瞬だけ変わりまた元の村長の姿に戻った。
【 名前 】 スノウ
【 レベル 】 189
「うーん。ゴブリンの巣穴風トンネルを掘り終えてからですから……。一週間ほど前ですかね」
村長に化けているスノウは答え終えた後、ニヤッとムカつく笑顔を作る。
何がしたいんだ?エヴァさんを呼び寄せるために、わざわざトンネルを作りゴブリンの大群をどこからか率いて、嘘のクエストを流し、コイツの目的は一体なんなんだ。
「おやおや?黒髪のあなた、ワタクシの目的ですか?」
「ああ、来るか来ないかわからないエヴァさんのために随分と回りくどいことするもんだな」
「アハハハハ!さては黒髪のあなた新人ですね?来るんですよ!エヴァ・フリゲートは、自分のギルド冒険者のためなら。それが、普段は決して街から出ることのないギルドマスターの役目、役割、義務なのです」
まだまだベラベラと喋り続けるスノウの言葉を要約すると、ギルドマスターは自分のギルドのある街の守護者としての役割があるため、領主との協定により別な街や村に行くことをいくつかの例外を除き禁止されている。
その例外の一つが所属冒険者の救助依頼である。なぜなら死亡率の高いギルドは、運営方法に問題有りとしてギルド本部より解体命令が出されてしまう場合があり、ギルドが無くなれば当然、クエストを別な街のギルドに依頼するハメになり、治安悪化や経済力の低下に繋がってしまうからだ。
「ごちゃごちゃうるさいんだよ、要件はなんだ!」
思わずビクッとしてしまった。私じゃなくてスノウに怒ったんですよね?
「えっ?ああ……もう、済みました」
「あ゛っ!?」
完全にキレたエヴァさんは、地面を蹴ってスノウに殴りかかり、渾身の右ストレートがスノウの胸を貫いた、かに見えたが、スノウの体は揺らめきながらどこかに消え去ってしまった。
「幻影スキルか」
エヴァさんは素早く振り向いて空を見上げる。その視線の先で、村長の姿から、【解析】の時に見えた白髪のピエロの姿になったスノウが宙を浮いてクネクネと体をよじっていた。
「ふーっ。ギリギリでしたが上手にかわせました。ああ、そうだ名乗り遅れました、ワタクシ、魔王軍幻影部隊、副隊長のスノウと申します」
「魔王……テメェ、そういうことかよ」
エヴァさんが何かに気づき、表情を曇らせる。
「今ごろ、我が隊長、ヴァン・ピエール様がレジバン様と共に目的を果たしている頃でしょう。それでは、皆様サヨウナラ。転移【トランスバニラ】」
空中でスノウの体が青白い光に包まれ
「えっ?なぜ?どうして?どーーーーして、あなた様がこんなところに!?転移ストップ!ちょっとまっ
誰かに驚き、転移をやめようともがきながら、白い光の粒を放ちながら光とともに消えた。
「最後アイツ何に驚いたんでしょう?」
「さぁな、それより私は急いでイザベルに戻る。それから、私を追って来る必要はないが戻ったら全員ギルドに来ること!わかったね!?」
『はい!!』
私達の返事とほぼ同時にエヴァさんは走り出した……はっや。もう見えないし。
その姿をボーッと見ていると、エヴァさんの連れてきた冒険者の一人が喋り出した。
「凄いね、君。タタラ君だっけ?ケン君がギルドに駆け込んできてから僕達がここに着くまで40分もかからなかったっていうのに救援どころか殲滅まで終わっているなんて」
紺と青の中間のような色の短い髪、まるで俳優の様な端整な顔立ちの剣士風の男のスカイブルーの瞳が私を見つける。
「すみません、せっかく来ていただいたのに無駄足にしてしまって、えっと……」
「ああ、俺はイーグル・コロナ。全員無事だったみたいだし、こういう無駄足は大歓迎さ」
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確かに、さっきの騒ぎでも誰一人声ひとつあげなかったし、今も軍隊のように綺麗に整列している。
「精神支配かな?だったら俺たちが来たかいがあるかもね、タック頼む」
タックと呼ばれた魔道士風の男がゆっくり歩いて村人達に近づく。
んっ?イーグルさんと同じ髪の色。よく見るとエヴァさんが連れてきた四人全員同じ髪と目の色だ、兄弟か?
「兄さん、レベルの低い支配魔法ですね、解除しちゃいますね」
「よろしく」
「魔道スキル【マジックフィールド】展開、範囲……確定」
タックさんが空に手を掲げ、指先から放たれた光が空から村をすっぽりと覆った。
「治癒魔法【アンチドミネ】」
村人達から白い光の粒が溢れて出し、眩しく光出す。
数秒後、光がおさまると、ざわざわと声が聞こえ出した。つーかこの人凄い、一瞬で200人以上いる村人を治療するなんて。
「俺たちはパニックにならないように村に残って事情の説明と調査をしてから帰るから、タタラ君達は先にイザベルに戻って街の警護を」
「わかりました、よろしくお願いします」
私は頭を下げ立ち去る間際イーグルさんの顔を見ると、どこか寂しそうにスカイさんを見つめていた。
「その腕じゃ、もう勝負にならないな。スカイ」
「ガハハハ、ならないかどうか今度試してみるか?」
「ああ、そうだな」
どうやら二人は友人というか、ライバルのような関係のようだ。私にそんな友人がいた経験はないが、確かに今のスカイさんの姿を見たら悲しく寂しい気持ちになるだろう。
「フィン」
「どうした?」
マロフィノが困ったように私の足に前足を突っ張って立ち上がり、リアスの方を何度も振り返る。
「リアス大丈夫?」
「ああ、ちょっと疲れただけじゃ」
そうだな、さすがに私もクタクタだ。だが、まだこの事態は終わってはいない。
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