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君の喜ぶ顔が見たくて
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ルイス編序盤のメインイベント、食事会。第二図書室での交流によって、主人公はルイスから自宅の庭園で行う食事会に招待される。その食事会の最後に、ルイスは主人公へ日頃の感謝を込めてプレゼントを贈る。実はそのプレゼントの内容がルイスとの親密度によって変わるのだ。
親密度が低いとお菓子、次はブレスレット、そして最高レベルはネックレス。私というイレギュラーがあるとはいえ、ルイスとリアナの親密度は高まっていると信じてる。
私の今日の任務はイベント完遂とルイスによるアピールのサポート。気合をいれていこう!
リアナと待ち合わせて、二人でルイスの家まで向かう。見慣れた学園での服装とは違うから、新鮮な感じがする。
「ルイスの家、楽しみだね」
私の言葉にリアナは頷いた。
「うん、どんなごちそうが出てくるか楽しみ」
「リアナはいつでもブレないね……」
花より友より団子ですよ、この美少女は。
「冗談。休みの日に三人で会えるのが一番楽しみ。最初は『なんでエマは私とこの人を会わせたかったんだろう』って疑ったりもしたけど、今はちょっと分かる気がする。ルイスはいい人」
「それはよかった」
でも、「いい人」っていう表現はちょっと引っ掛かる。それなら今日、私とルイスの特訓の成果を見せて、「いい人」から「気になる人」にレベルアップさせてやるんだから!
「二人とも、今日は来てくれてありがとう。楽しんでいってね」
ルイスと合流して案内された場所は、新緑と鮮やかな花々が美しい、立派な庭園だった。
そんな庭園の中ほどにはテーブルセットがあり、様々な料理が並んでいる。
「さあ座って。たくさん食べてね」
フルーツやチーズが乗ったサラダ、ピクルス、こっちはアクアパッツァみたいな魚料理。どれも色鮮やかで目にも楽しい。
「美味しそう……!」
席に着いたリアナは目の前の料理を見て目を輝かせていた。これはいいぞ……
「リアナ、この料理はルイスが作ったんだって。ね、ルイス?」
そう言って私はルイスの方を向いた。
「ああ、うん。お口に合えばいいけど」
「ルイス、そういうことはもっと早く言うべき。学校にも持ってきて」
「あはは、気に入ってもらえてよかったよ……それじゃあ、食べようか」
「「「いただきます」」」
私はまずサラダを取り分けて口に運んだ。
「美味しい! このかかってるソースがいいね!」
「ありがとう。野菜やフルーツは新鮮で美味しいから、その素材の良さが生きるようなソースを作ったんだ」
「へぇ、手が込んでるね」
「それはもちろん、喜ぶ顔が見たかったからね」
リアナの方を見ると、珍しく興奮気味だった。
「エマ、これが美味しい! 早く食べてみて!」
そう言って大皿の魚料理を指さした。これだけ喜んでいればルイスも努力の甲斐があっただろう。
私はリアナに言われた通り、その魚料理を口にした。
「うん! すっごく美味しい」
「二人とも喜んでもらえたみたいでよかったよ。なんだか図書室以外のところで会うのは不思議な感じがするね。リアナは学園生活にもう慣れた?」
「エマとルイスと話すのは楽しいし、知らない人達に詰め寄られることもなくなったから快適。エマのおかげ」
よかった、前みたいに絡まれることはなくなったんだ。
「知らない人に詰め寄られるってどういう話!?」
ルイスが心配そうに尋ねる。
「大丈夫。エマが追い払ってくれた」
「もちろん、平和的に解決しましたよ?」
まさか回し蹴りを寸止めして脅したなんて口が裂けても言えない。
「そうだったんだ。エマはすごいね」
「あ、でも……」
リアナが何かを言いかけた。
「でも?」
ルイスが尋ねる。
「ちょっと面倒な人達に目をつけられてる。赤髪ツンツン男と茶髪ゆるふわ男。見つかるとなかなか開放してもらえなくて困る。あと、それとは別で誰かに後をつけられてる気がする」
赤髪ツンツン男……これはジキウスのことだろう。もう名前忘れられてるよ。茶髪の方はおそらく「わんこ系攻略キャラ」のテムル。ルイスとジキウス以外のキャラもリアナへのアピールで動き出しているみたいだ。
それにしても「誰かにつけられてる」って、一体誰の事なんだろう。そんなシーン、ゲームではなかった。
「赤髪と茶髪には私から注意しておくよ。あと、ストーカーのことも調べてみる」
「ありがとう、エマ」
「僕にもなにか出来ることある?」
ルイスが尋ねてくる。ありがたいけど、攻略キャラ同士で対面して揉めたりなんかしたら面倒だ。
「じゃあ、また美味しい料理を作ってほしいな。ね、リアナ?」
「うん。すっごく喜ぶ」
「そっか。それならまた作らないとね」
私達の間に穏やかな空気が流れた。
親密度が低いとお菓子、次はブレスレット、そして最高レベルはネックレス。私というイレギュラーがあるとはいえ、ルイスとリアナの親密度は高まっていると信じてる。
私の今日の任務はイベント完遂とルイスによるアピールのサポート。気合をいれていこう!
リアナと待ち合わせて、二人でルイスの家まで向かう。見慣れた学園での服装とは違うから、新鮮な感じがする。
「ルイスの家、楽しみだね」
私の言葉にリアナは頷いた。
「うん、どんなごちそうが出てくるか楽しみ」
「リアナはいつでもブレないね……」
花より友より団子ですよ、この美少女は。
「冗談。休みの日に三人で会えるのが一番楽しみ。最初は『なんでエマは私とこの人を会わせたかったんだろう』って疑ったりもしたけど、今はちょっと分かる気がする。ルイスはいい人」
「それはよかった」
でも、「いい人」っていう表現はちょっと引っ掛かる。それなら今日、私とルイスの特訓の成果を見せて、「いい人」から「気になる人」にレベルアップさせてやるんだから!
「二人とも、今日は来てくれてありがとう。楽しんでいってね」
ルイスと合流して案内された場所は、新緑と鮮やかな花々が美しい、立派な庭園だった。
そんな庭園の中ほどにはテーブルセットがあり、様々な料理が並んでいる。
「さあ座って。たくさん食べてね」
フルーツやチーズが乗ったサラダ、ピクルス、こっちはアクアパッツァみたいな魚料理。どれも色鮮やかで目にも楽しい。
「美味しそう……!」
席に着いたリアナは目の前の料理を見て目を輝かせていた。これはいいぞ……
「リアナ、この料理はルイスが作ったんだって。ね、ルイス?」
そう言って私はルイスの方を向いた。
「ああ、うん。お口に合えばいいけど」
「ルイス、そういうことはもっと早く言うべき。学校にも持ってきて」
「あはは、気に入ってもらえてよかったよ……それじゃあ、食べようか」
「「「いただきます」」」
私はまずサラダを取り分けて口に運んだ。
「美味しい! このかかってるソースがいいね!」
「ありがとう。野菜やフルーツは新鮮で美味しいから、その素材の良さが生きるようなソースを作ったんだ」
「へぇ、手が込んでるね」
「それはもちろん、喜ぶ顔が見たかったからね」
リアナの方を見ると、珍しく興奮気味だった。
「エマ、これが美味しい! 早く食べてみて!」
そう言って大皿の魚料理を指さした。これだけ喜んでいればルイスも努力の甲斐があっただろう。
私はリアナに言われた通り、その魚料理を口にした。
「うん! すっごく美味しい」
「二人とも喜んでもらえたみたいでよかったよ。なんだか図書室以外のところで会うのは不思議な感じがするね。リアナは学園生活にもう慣れた?」
「エマとルイスと話すのは楽しいし、知らない人達に詰め寄られることもなくなったから快適。エマのおかげ」
よかった、前みたいに絡まれることはなくなったんだ。
「知らない人に詰め寄られるってどういう話!?」
ルイスが心配そうに尋ねる。
「大丈夫。エマが追い払ってくれた」
「もちろん、平和的に解決しましたよ?」
まさか回し蹴りを寸止めして脅したなんて口が裂けても言えない。
「そうだったんだ。エマはすごいね」
「あ、でも……」
リアナが何かを言いかけた。
「でも?」
ルイスが尋ねる。
「ちょっと面倒な人達に目をつけられてる。赤髪ツンツン男と茶髪ゆるふわ男。見つかるとなかなか開放してもらえなくて困る。あと、それとは別で誰かに後をつけられてる気がする」
赤髪ツンツン男……これはジキウスのことだろう。もう名前忘れられてるよ。茶髪の方はおそらく「わんこ系攻略キャラ」のテムル。ルイスとジキウス以外のキャラもリアナへのアピールで動き出しているみたいだ。
それにしても「誰かにつけられてる」って、一体誰の事なんだろう。そんなシーン、ゲームではなかった。
「赤髪と茶髪には私から注意しておくよ。あと、ストーカーのことも調べてみる」
「ありがとう、エマ」
「僕にもなにか出来ることある?」
ルイスが尋ねてくる。ありがたいけど、攻略キャラ同士で対面して揉めたりなんかしたら面倒だ。
「じゃあ、また美味しい料理を作ってほしいな。ね、リアナ?」
「うん。すっごく喜ぶ」
「そっか。それならまた作らないとね」
私達の間に穏やかな空気が流れた。
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