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「ああ~。土方さんのせいですよ~。どう責任とるのですか~」
風呂場から聞こえる悲痛な泣き声は僕の胸まで痛い。
「だが!元は言えばあいつが芹沢の暗殺を阻止したのが悪い!」
「土方さんが何を考えてるかは知りませんけど~。暗殺でも~捕縛でも~、どちらでもいいじゃないですか~?」
邪魔者を排除出来たんだから、それでよしでしょう。何を暗殺に拘ってるのだか~。僕には分からないや。
最近は近藤先生のことも分からない。
暗殺なんて、そんな事をする人じゃなかったと思うけど、京に来てから変わった。
「それより~、桂小五郎の拷問に行きましょう~」
他の長州藩の人の隠れ場所を吐かすため土蔵に入れてある。
土蔵に行くと桂小五郎は逆さ吊りにされていた。そこに木刀を持った土方さんが行き、一発殴る。
そこからは容赦ない拷問が始まった。だけど、桂小五郎は何一つ吐かない。
「土方さ~ん、それ以上は死んじゃいますよ~?」
僕は土方さんを止めるためだけにいる。桂小五郎が死んでも僕は痛くないけど、天女さんが体を張って捕まえた人だ。簡単に死なせる訳にはいかない。
「はっ。新撰組は本当に恐ろしいものばかりいますね。犯しても涙ひとつ見せず、真相を明かさなかった女子に、顔色ひとつ変えず拷問をし続ける男たち。化け物だらけですね」
僕は思わず、自分が斬った桂小五郎の肩を蹴り上げた。
「土方さんが鬼なのは認めますけど~、天女さんのことは撤回してくれます~?天女さんが泣けるのは一君の腕の中だけです~。決して泣かない強い女ではないです~。そんな健気な女子をあんたたちは穢したんだよ!?」
もう一度、蹴り上げる。痛みのあまりか桂小五郎の目から涙が流れてた。天女さんだったら、これも我慢するんだろうな~。本当に健気だよね~。
「沖田。お前の方が酷いぞ?」
「何です~?鬼の副長には言われなくないですね~」
殺さないでくださいね~と土方さんに言ってから土蔵を出た。
気分転換に甘味処でも行こうな?と思ってる凛という女中にかちあう。
「沖田さぁん。麗奈ちゃん、犯されちゃったのですよねぇ?これって不倫ですよねぇ?そうなるとぉ斎藤さんとは離婚ですかねぇ?」
何、嬉しそうにしてるの?
そんなことで2人が離縁する訳ないでしょう?この子、頭大丈夫?
「きっと麗奈ちゃん、物好きなんですよぉ。きっとぉ今までもぉ他の人としてたと思うんですぅ。女の勘ですけどぉ」
「黙ってくれる?」
天女さんのことを悪く言う凛という女に腹が立って殺気がもれた。だけど、この女は鈍感なのか、それにも気が付かず、わざとらしげに首を傾げてる。きっと僕に可愛く見られてると思ってるんだけど、少しも可愛くないからね。
平助もこれのどこがいいのか?僕には理解出来ないや。
天女さんが強姦されたことは駆けつけた隊士だけの話だったが、あの女には露見してるし、あの女はいいふらすだろう。それも悪い方向に。
あ~あ、試衛館にいたころは幸せだったのにな……。
それから、間者の始末が行われた。一君は天女さんのこともあって、一瞬で2人も斬り殺した。
一君、元気だよな~。ここ数日、隊務に天女さんとのこと。最近、毎晩朝まで何だよね。僕まで睡眠不足だよ。でも、あんなことがあったし、するなとは僕も言えないんだよね。出来れば出会茶屋に行って欲しいというのが本音だ。
天女さんも昼間は普通に女中の仕事をしてる。天女さんの美貌もあって今までそういう目で見てる隊士は多かったが、今はその色が濃く見えてた。土方さんには伝えたが、あいつなら平気だろと言った。土方さんは鳥頭なのかな?あんな悲痛な泣き声を忘れたらしい。
なので、土方さんがダメなら近藤先生だよね?
僕は隊士の状況を近藤先生に伝えた。
「うーむ。やはり血気盛んな男どもの中に女子はまずいか……。でもな……、彼女たちは……」
彼女たちは未来から来てる。それが外に出せない理由だ。天女さんなら、今回の件で口を割らないって分かったからいいけど、もう1人はその保証がない。
「とりあえず副長助勤に隊士たちの規律が乱れないように指示を出そう」
今はそれぐらいしか手がないか。
女子を抱きたいと思わないぐらい稽古を厳しくしてみるのもいいかもしれないね。余裕があるから、そんなことを考えるわけだし、まだまだ精進が足りないという証拠でもある。
「あと麗奈君には影で護衛を付けよう」
これ以上、天女さんに何かあると、公方様のお怒りをかう可能性もあると近藤先生は言った。天女さんは公方様に気に入られてるとのこと。公方様は天女さんが殴られたことを知っていてお叱りの手紙が届いたというのだ。公方様はどこでその事を知ったんだろうか?
風呂場から聞こえる悲痛な泣き声は僕の胸まで痛い。
「だが!元は言えばあいつが芹沢の暗殺を阻止したのが悪い!」
「土方さんが何を考えてるかは知りませんけど~。暗殺でも~捕縛でも~、どちらでもいいじゃないですか~?」
邪魔者を排除出来たんだから、それでよしでしょう。何を暗殺に拘ってるのだか~。僕には分からないや。
最近は近藤先生のことも分からない。
暗殺なんて、そんな事をする人じゃなかったと思うけど、京に来てから変わった。
「それより~、桂小五郎の拷問に行きましょう~」
他の長州藩の人の隠れ場所を吐かすため土蔵に入れてある。
土蔵に行くと桂小五郎は逆さ吊りにされていた。そこに木刀を持った土方さんが行き、一発殴る。
そこからは容赦ない拷問が始まった。だけど、桂小五郎は何一つ吐かない。
「土方さ~ん、それ以上は死んじゃいますよ~?」
僕は土方さんを止めるためだけにいる。桂小五郎が死んでも僕は痛くないけど、天女さんが体を張って捕まえた人だ。簡単に死なせる訳にはいかない。
「はっ。新撰組は本当に恐ろしいものばかりいますね。犯しても涙ひとつ見せず、真相を明かさなかった女子に、顔色ひとつ変えず拷問をし続ける男たち。化け物だらけですね」
僕は思わず、自分が斬った桂小五郎の肩を蹴り上げた。
「土方さんが鬼なのは認めますけど~、天女さんのことは撤回してくれます~?天女さんが泣けるのは一君の腕の中だけです~。決して泣かない強い女ではないです~。そんな健気な女子をあんたたちは穢したんだよ!?」
もう一度、蹴り上げる。痛みのあまりか桂小五郎の目から涙が流れてた。天女さんだったら、これも我慢するんだろうな~。本当に健気だよね~。
「沖田。お前の方が酷いぞ?」
「何です~?鬼の副長には言われなくないですね~」
殺さないでくださいね~と土方さんに言ってから土蔵を出た。
気分転換に甘味処でも行こうな?と思ってる凛という女中にかちあう。
「沖田さぁん。麗奈ちゃん、犯されちゃったのですよねぇ?これって不倫ですよねぇ?そうなるとぉ斎藤さんとは離婚ですかねぇ?」
何、嬉しそうにしてるの?
そんなことで2人が離縁する訳ないでしょう?この子、頭大丈夫?
「きっと麗奈ちゃん、物好きなんですよぉ。きっとぉ今までもぉ他の人としてたと思うんですぅ。女の勘ですけどぉ」
「黙ってくれる?」
天女さんのことを悪く言う凛という女に腹が立って殺気がもれた。だけど、この女は鈍感なのか、それにも気が付かず、わざとらしげに首を傾げてる。きっと僕に可愛く見られてると思ってるんだけど、少しも可愛くないからね。
平助もこれのどこがいいのか?僕には理解出来ないや。
天女さんが強姦されたことは駆けつけた隊士だけの話だったが、あの女には露見してるし、あの女はいいふらすだろう。それも悪い方向に。
あ~あ、試衛館にいたころは幸せだったのにな……。
それから、間者の始末が行われた。一君は天女さんのこともあって、一瞬で2人も斬り殺した。
一君、元気だよな~。ここ数日、隊務に天女さんとのこと。最近、毎晩朝まで何だよね。僕まで睡眠不足だよ。でも、あんなことがあったし、するなとは僕も言えないんだよね。出来れば出会茶屋に行って欲しいというのが本音だ。
天女さんも昼間は普通に女中の仕事をしてる。天女さんの美貌もあって今までそういう目で見てる隊士は多かったが、今はその色が濃く見えてた。土方さんには伝えたが、あいつなら平気だろと言った。土方さんは鳥頭なのかな?あんな悲痛な泣き声を忘れたらしい。
なので、土方さんがダメなら近藤先生だよね?
僕は隊士の状況を近藤先生に伝えた。
「うーむ。やはり血気盛んな男どもの中に女子はまずいか……。でもな……、彼女たちは……」
彼女たちは未来から来てる。それが外に出せない理由だ。天女さんなら、今回の件で口を割らないって分かったからいいけど、もう1人はその保証がない。
「とりあえず副長助勤に隊士たちの規律が乱れないように指示を出そう」
今はそれぐらいしか手がないか。
女子を抱きたいと思わないぐらい稽古を厳しくしてみるのもいいかもしれないね。余裕があるから、そんなことを考えるわけだし、まだまだ精進が足りないという証拠でもある。
「あと麗奈君には影で護衛を付けよう」
これ以上、天女さんに何かあると、公方様のお怒りをかう可能性もあると近藤先生は言った。天女さんは公方様に気に入られてるとのこと。公方様は天女さんが殴られたことを知っていてお叱りの手紙が届いたというのだ。公方様はどこでその事を知ったんだろうか?
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