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間章 I
???年ぶりの再会
しおりを挟む「逃亡?どうして?」
「お前その戦いの引き金だろ?話とか少し思い出せよ、俺には分からないんだからよ」
そう言われても、俺はあの戦いでは生きる事を考えるだけで精一杯だし、父が死にそうになってるのに物語の考察なんか出来る訳、、
「俺が想像するに10傑が関係してると思うがそんな話あった?」
「ああ!あった!
なんか昔、お父さんも所属しててお母さんとの結婚を理由に引退したらしくて、」
「ビンゴだな
その団体は恐らく脱退は許されていないはずだ。
だから殺そうとしていたのか」
全ての謎が解けたかの様にドヤっとするルイス、それより俺は知りたい事がある。
「それよりお父さんは生きてるって事であってる?」
「ああ!間違いねぇ!
伝説が俺以外に殺されるなんてあり得ねえだろ」
何を言っているんだこいつは最強の人間に勝てるとでも思っているのか、どこまで頭が主人公でいるんだ。
「まあそれより俺はお前に気になってるんだよね」
「どうして?俺が弱すぎるから?」
俺は少しずつだけど自虐を言うようになって自然と自分から下の立場に移動した。
ちょっと話を聞いても良いかなってなったからかな。
「Do you understand this word?
(この言葉が理解できるか?)」
「何?英語?」
俺は咄嗟に英語と答えてしまった。
おかしな事だ。
ここには英語が無い、だがこいつは英語を話した。
と言う事は………
「ウィルお前やっぱ異世界人か!」
「ルイスもしかして転生した?」
つい、言葉が被ってしまった。
言葉は一致しなかったけど言ってるニュアンスは完全に一致していた。
それにしてもルイスが転生者なら言いたい事は山ほどあるよ。
ルイスにも、そして神様にもね。
「ウィルはどの国から転生したんだ?」
そう聞かれても困る。
だって俺はこれが8回目?の転生だからな。
そこまで詳しくはどこからの転生かなんて覚えてられないっての。
しかし、こいつとなら上手くやっていけそうと思ったのと、
こいつの近くにいれば俺の望んだ最期を見せてくれそうと思って出来るだけ協力しようと、分かる限り前世の話をする。
「うーん俺は沢山転生したから全部は難しいけど…アメリカとかオーストラリア、日本、ここでは無いどこかにも転生したかな?」
「そんなに転生ってするもんなのか?
俺の知識的には転生は一度だけだったはずなのだがな…そんな事があるのか」
それは創作の中ではって事だろ?
事実は小説よりも奇なりという言葉があるだろ?
と言うか、こいつそんな知識があるなんて、まさかオタクか?もしかして前世日本人か?
俺はそう思って日本の話を入れる事にした。
「そりゃアニメとか小説の中での話だろ?
もしかして、前世オタクか?」
俺は少しカマをかけてみる。
「お、おい俺はそんな奴じゃねえぞ…」
「図星かよ面白いな」
「年下のくせに」
「俺は合計したら50は生きてるからな歳上だ」
こいつも少し特殊な転生をしたそう。
交通事故に遭った。ここは同じ、でも転生したのに親はいない。捨てられたわけでは無くいない。
けど赤ん坊の体で何とか生き抜いて15になったそうだ。
流石異世界チート転生だぜ。
「俺は日本にいた時はかなりアニメには熱中してたなあ
異世界転生モノはかなり好きだった。
まあ俺がこうなりたいとは思わなかったけどな」
「そりゃ、俺もそうよ」
「ほう…お前やはりオタクだな?転生した人間の苦悩を分かってやがる──
大体のにわかは転生はチートスキルが常備だと思ってるし実際多い、お前もそうだしな。
けど、そうならなかった奴もいる。
見てたら分かるよ、チートハーレムにはなりたいけど俺みたいになる可能性があるなら転生なんてしたく無いって思うのがオタクの心理だ。」
日本での俺はまあこんな世界に行きたいってずっと思ってた。
最初は念願だったけど、すぐに分かった。
俺はちょっと違うみたいだ、と。「ああ、これは頑張らなきゃいけないタイプのかよ」って思った。
死んだらやり直せるけど、別に同じ世界とは限らない。
知識は蓄積されるけど有用出来るかはその世界自体。
魔法を覚えても、アメリカとかに来たら魔法の概念は存在しないから無駄となるし、言語なんか俺以上に特殊な言葉を沢山話せる奴なんてどの世界線にも存在しない。
逆に考えれば、他とは一線を画すと言う点ではチートかも知れないけど、ゴミすぎる。使えないのだから。
「でも俺はこの世界が好きだ。
何たって俺が最強だからな、不条理な事なんて力でねじ伏せれば大抵黙るし、金はここにいるメイド達が工面してくれてるから問題も無い。
最高だね、現世に戻りたいって思う奴の気がしれないね」
「誰も現世に戻るなんて話してないぞ?
やっぱ異世界転生作品好きじゃねえかよ、因みに俺は戻りたいね、最後に1番の親友に別れの挨拶も言えなかったからな」
それは本心だ。
別に大した理由ではない。けれど俺はそいつといた時間が俺の中で1番充実した人生だった。
最後は交通事故でもう1人の奴はどうなったかすらも知らん。
(いや?この展開、もしかしてこいつが俺の親友か?)
ご都合展開を期待した俺は思い切って聞いてみる事にした。
「ルイスはもしかして前世、俺の唯一の親友の…高畑?」
「………な、おま、八神か?」
「久しぶりだな!」
なんかやっと転生者っぽいカッコいい事ができた気がしてしょうもない事だけど嬉しかった。
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