異世界最強の俺 〜生まれ変わった俺が世界を変える〜

霜月優

文字の大きさ
2 / 56

初計測①

しおりを挟む
ポータルに入るとそこは大きな建物がそびえ立っていた。
「で、デカい」
 俺の建物を見た第一の感想はデカいだった。
俺はこの建物にテンションが上がりまくっていた。
「さっそく兄さんの職場へGO」

 俺は兄さんのことを忘れて、建物の中に入ろうとした。
「あれっ開かないどうして?」
 いくらドアの開こうとしても開かなかった。ドンドンとドアを叩いて、中の人に開けてもらおうとするが、誰も俺に気づいてくれない。
 いつまで経っても開かないドアに立ち向かう俺におそらくここの人らしき人が隣の入り口に
「ピッ」
と何かのカードをかざした。

「えっ」
 驚愕した。
 俺の人生最大の力を振り絞っても開かなかったドアがあんな紙切れ一枚に開かれるなんて、
 「カードに負けた、」

 落ち込みながらも建物の中に入ろうとすると、

「侵入者、侵入者を確認しました。」
 警報音が聞こえる。

「えっ侵入者誰だ?」
 周りには俺と兄さんしかいない。もしかして、俺?
そう戸惑っていると建物の中から黒服の男数人が俺を捕らえた。

「えっちょ、俺今からここに用事があるんだけど?」
 振り解こうとするが、黒服の奴らもかなりのパワーがある。俺はもうどうすることもできなかった。

「わりぃ。こいつ俺の弟でさ、今日ここにくるの初めてでさ、よく分かって無いんだ、許してくれないか?」

「はっ! 悪かったな少年」
兄さんの一言で黒服の男達は俺に謝って部屋に戻って行った。

「た、助かったーありがとう兄さん。」
 気を取り直して入ろうとするもまたもや開かない。

「くそ、俺だってカードには負けない!」
 
「………」
 俺は魔法を詠唱し始める。このドアをぶち壊そうとした。
ここはそういう場所なんだと理解した上での行動、俺はもう試されている。

 「お前が行くのはこっちじゃないあっち」
兄さんが横にある小さな建物を指差す。

「まだお前はここの社員じゃない、まずはあっちで登録《レジスト》して来て、証明書《ライセンス》を受け取らんとあの中には入れん」

 そういうことだったのか、何ともお恥ずかしいことを、俺の顔が赤くなる。

「俺はあの中には入れん、ここからは一人だけど、いけるよな、」

「ああ、いけるよ」

 二人はグータッチで分かれて行った。
兄さんはさっき俺が入ろうとしたデカい建物の中に、俺は小さな建物に向かって行った。
 
 ここからは俺一人でやって行かなきゃいけない、いつもそばにいてくれた兄さんもいない。少し不安もあるけれども、兄さんみたいになるにはこんなとこで立ち止まってはいけない!
 俺は心も数年で成長していた。特訓する前には一人は怖い気持ちしかなかった。けれど、今は一人で何かすることにワクワクしている感情が俺にはあった。

 このドアを開ければ俺の人生が始まる。
 俺の2度目の人生のスタートだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

処理中です...