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無事到着
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教会につくと大司教と司教に出迎えられる。
大司教がいるだけあって、とても立派な教会で敷地も大きい。
ルシアーノとアレクと一緒に行ったからか、さすが聖職者というべきなのか。
悪役令嬢が来ても眉ひとつ動かさず、笑顔で迎えてくれた。
挨拶もそこそこにどうやら献金の話になるようだ。
「ではここからは私が話をしますのでお二人は先に孤児院の方へ行ってください。」
とアレクが言う。
ギロっとルシアーノがアレクを睨む。
エリザベスはいたたまれなくなった。
恋人がいるルシアーノがエリザベスと交流を深めたいわけがないのだ。
だがエリザベスとの結婚は王族命令。決定事項だ。
覆らないのだから、せめて仲良くしてほしい、と周りは思っているのだろう。
「では行ってまいります。護衛と共に参りますのでご心配には及びません。」
持ってきた荷物を護衛に頼み、エリザベスは1人で応接室を後にした。
「ああ!悪役令嬢が来た!」
孤児院に入るやいなやエリザベスに言われた言葉がこれである。
でもこれはエリザベスの想定内。むしろ話しかけてくれるならいくらでも交流できる。
なので滑り出しは上々ね、なんてエリザベスは内心ほくそ笑んだ。
慌てる職員たちを尻目にエリザベスは
「まあ、ひどい事言うのねえ。」とコロコロと笑うとうっと怯んだ様子の男の子。
すかさず「私はエリザベスというの。リズと呼んでね。あなたは?いくつかしら?」
と聞くと思ってたリアクションと違ったのか、完全にエリザベスにペースを持っていかれた様子で
「お、、おれは!パムだ!年は!ぐぬ、教えない!!」
精一杯の抵抗だろうか。
エリザベスはおかしくなってウフフと笑うと周りの女の子達が面白くなったのかあははと笑い出し
「名前教えたなら年も教えたらいいのに!」
「俺が追い返してやる!なんて言ってたくせにぃ」
と口々に言い出した。
「まああ、私を追い出す気だったの?でもそんなのつまらないわ。一緒に遊びましょう」
とエリザベスが手を差し出すとすっかり出鼻が挫かれたのかおずおずとパムも手を差し出した。
きゅっと2人が手を握る。「さあまずはみんなで孤児院を案内してちょうだいな」
とエリザベスがいうとワッと他の子たちもエリザベスに群がりあいてるもう一方の手を奪い合い、あぶれた子は腰に抱きついたり腕に絡みついたりしながら
「リズ様!こっちこっち!」とエリザベスを引っ張って行き始めた。
エリザベスは王都にいる頃からよく孤児院に行っていたため子供の扱いはそこそこうまい。
職員もほっとしたように護衛と後からついていく。
いろんな所に引っ張り回されてるうちに孤児院を一周したようだ。
「ねえ!あの大きな袋はなあに?」と誰かが言う。
「そうそう、そろそろ出そうと思っていたのよ、皆で開けてごらん」
こういうおもちゃはくたびれた頃に出すのが良い。
勝手に遊び出してくれるのですこし休憩できるのだ。
「わあ耳?尻尾!!」
「そうよ、正解」とエリザベスはうふふと笑った。
王都の孤児院で仮装パーティする際エリザベスのアイデアで耳だけでなく尻尾も作ることにしたのだ。それが耳よりも盛り上がり、大好評だった。
「ええ、そうよ。しっぽつけてごらん」
ワッと群がりあっという間にみんなつけるとお尻をフリフリしながら
皆でキャーキャー言い出した。
公爵家で余った尻尾を保管していたのを全て持ってきたのだ。
狐や狸やさまざまな動物のしっぽ。
公爵家のみんなで作ったもの。
こんなに笑顔で喜んでくれたのだから持ってきてよかったな、と目を細めて子供のはしゃぐ様をエリザベスは見ていた。
王都の孤児院ではパーティが終わって何日経っても尻尾をつけてる子供がいるくらい気に入られた。
ここでもそうなればいいな、などとエリザベスが考えていると
「皆さんそろそろお昼ご飯ですよーーー!」
と呼ぶ声が。
「あら、もうそんな時間だったのね!そろそろお別れね」
「ええー!リズ様、帰っちゃうの?!」
「一緒にご飯食べようよ!」
流石に孤児院の食事をエリザベスが奪うわけにはいかない。
「そんなふうに言ってくれて嬉しいわ。でももう帰らなくては。」
ええーと騒ぐ子供達を職員が諌めて食堂に行く。
「絶対またきてね!」「絶対だよ!」「すぐにだよ!」
口々に叫びながら子供達が遠ざかる。
その後ろ姿を見ながらエリザベスは嬉しい気持ちでいっぱいになり、心から来てよかった、と思ったのだった。
大司教がいるだけあって、とても立派な教会で敷地も大きい。
ルシアーノとアレクと一緒に行ったからか、さすが聖職者というべきなのか。
悪役令嬢が来ても眉ひとつ動かさず、笑顔で迎えてくれた。
挨拶もそこそこにどうやら献金の話になるようだ。
「ではここからは私が話をしますのでお二人は先に孤児院の方へ行ってください。」
とアレクが言う。
ギロっとルシアーノがアレクを睨む。
エリザベスはいたたまれなくなった。
恋人がいるルシアーノがエリザベスと交流を深めたいわけがないのだ。
だがエリザベスとの結婚は王族命令。決定事項だ。
覆らないのだから、せめて仲良くしてほしい、と周りは思っているのだろう。
「では行ってまいります。護衛と共に参りますのでご心配には及びません。」
持ってきた荷物を護衛に頼み、エリザベスは1人で応接室を後にした。
「ああ!悪役令嬢が来た!」
孤児院に入るやいなやエリザベスに言われた言葉がこれである。
でもこれはエリザベスの想定内。むしろ話しかけてくれるならいくらでも交流できる。
なので滑り出しは上々ね、なんてエリザベスは内心ほくそ笑んだ。
慌てる職員たちを尻目にエリザベスは
「まあ、ひどい事言うのねえ。」とコロコロと笑うとうっと怯んだ様子の男の子。
すかさず「私はエリザベスというの。リズと呼んでね。あなたは?いくつかしら?」
と聞くと思ってたリアクションと違ったのか、完全にエリザベスにペースを持っていかれた様子で
「お、、おれは!パムだ!年は!ぐぬ、教えない!!」
精一杯の抵抗だろうか。
エリザベスはおかしくなってウフフと笑うと周りの女の子達が面白くなったのかあははと笑い出し
「名前教えたなら年も教えたらいいのに!」
「俺が追い返してやる!なんて言ってたくせにぃ」
と口々に言い出した。
「まああ、私を追い出す気だったの?でもそんなのつまらないわ。一緒に遊びましょう」
とエリザベスが手を差し出すとすっかり出鼻が挫かれたのかおずおずとパムも手を差し出した。
きゅっと2人が手を握る。「さあまずはみんなで孤児院を案内してちょうだいな」
とエリザベスがいうとワッと他の子たちもエリザベスに群がりあいてるもう一方の手を奪い合い、あぶれた子は腰に抱きついたり腕に絡みついたりしながら
「リズ様!こっちこっち!」とエリザベスを引っ張って行き始めた。
エリザベスは王都にいる頃からよく孤児院に行っていたため子供の扱いはそこそこうまい。
職員もほっとしたように護衛と後からついていく。
いろんな所に引っ張り回されてるうちに孤児院を一周したようだ。
「ねえ!あの大きな袋はなあに?」と誰かが言う。
「そうそう、そろそろ出そうと思っていたのよ、皆で開けてごらん」
こういうおもちゃはくたびれた頃に出すのが良い。
勝手に遊び出してくれるのですこし休憩できるのだ。
「わあ耳?尻尾!!」
「そうよ、正解」とエリザベスはうふふと笑った。
王都の孤児院で仮装パーティする際エリザベスのアイデアで耳だけでなく尻尾も作ることにしたのだ。それが耳よりも盛り上がり、大好評だった。
「ええ、そうよ。しっぽつけてごらん」
ワッと群がりあっという間にみんなつけるとお尻をフリフリしながら
皆でキャーキャー言い出した。
公爵家で余った尻尾を保管していたのを全て持ってきたのだ。
狐や狸やさまざまな動物のしっぽ。
公爵家のみんなで作ったもの。
こんなに笑顔で喜んでくれたのだから持ってきてよかったな、と目を細めて子供のはしゃぐ様をエリザベスは見ていた。
王都の孤児院ではパーティが終わって何日経っても尻尾をつけてる子供がいるくらい気に入られた。
ここでもそうなればいいな、などとエリザベスが考えていると
「皆さんそろそろお昼ご飯ですよーーー!」
と呼ぶ声が。
「あら、もうそんな時間だったのね!そろそろお別れね」
「ええー!リズ様、帰っちゃうの?!」
「一緒にご飯食べようよ!」
流石に孤児院の食事をエリザベスが奪うわけにはいかない。
「そんなふうに言ってくれて嬉しいわ。でももう帰らなくては。」
ええーと騒ぐ子供達を職員が諌めて食堂に行く。
「絶対またきてね!」「絶対だよ!」「すぐにだよ!」
口々に叫びながら子供達が遠ざかる。
その後ろ姿を見ながらエリザベスは嬉しい気持ちでいっぱいになり、心から来てよかった、と思ったのだった。
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