異世界異話 天使降臨

yahimoti

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第2話 天使降臨2

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教会の前の広場に差し掛かったエイエルカはなんの気もなく空を見上げた。

丁度教会の真上に見える垂れ込めた雲に丸くくり抜いたような穴が開きそこから光が射し込んで来た。

教会に飾られている神の降臨の絵に見られるゴッドレイと呼ばれる光にそっくりだ。

その円形の雲の穴の中央に黒い粒の様なものが現れた。

黒く見えたのは逆光のためだろう。

その黒い粒には翼があるようだ。

それはゆっくりと弧を描きながら降りてくるようだ。

少しずつ広場にいた通行人にも気づく者が増え始める。

「天使?天使様が降臨される?」

だが、何か様子がおかしい。
それは翼を広げ仰向けに落ちて来るようだった。

エイエルカは何かに惹かれるように広場の中央に立って落ちて来る天使らしきものを受け止める体勢をとってしまう。

それは仰向けになっているせいで大きな白い翼に手足がついているようにしか見えない。

差し出されたエイエルカの腕に収まる前に翼はそれの体を包み込むようにたたみこまれて消えた。

ふわりとエイエルカの腕に受け止められたそれはエイエルカが想像していた以上に軽かった。

慌てて教会から出てきた神父がエイエルカに駆け寄る。

広場にいた人々はまだ様子がわからない事もあって遠巻きに見ている。

「シスター エイエルカそれは....。」

エイエルカの腕に乗っているのはまだ幼い顔をした子供。
人間ならば6・7才ぐらいだろうか?
肌も髪も白い。
見た目からは性別はわからないし、そもそも性別があるのかどうかもわからない。
胸が上下しているのでたぶん呼吸はしている。
眠っているようだ。

駆け寄って来た神父がエイエルカの腕の中を覗き込んだタイミングで子供がぱっと目を開いた。

急に子供は手足をばたばたとさせてエイエルカの腕から降りる。

「何、ここ。おっちゃん達誰?」

子供はその場でぐるりと周囲を不思議そうな顔をして見回す。

「あれ、ボクはどうなったんだ?」

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