転生勇者は異世界でもゲーム気分

yahimoti

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第24話 レイス

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げーっ、魔法が弾かれる。

その上ダークビュレットとか闇魔法で攻撃してくるし、呪いの様な状態異常を使うって中級ダンジョンのボスにしては強すぎないか?

剣で攻撃しようにも高いところに浮かんでいて届かない。

どうすんだ、これ?

「ちっちゃいから届かないんだ。あははは。」

ユリアが笑っている。

なんでこいつがついて来てんだ?

魔法障壁を使う魔物には初めて遭遇した。

これ聖属性魔法が付与されたこのミスリルの剣がなかったらどうすんだよ。

ミュツスもユリアも手出しをしないで見物している。

ゴツンっと鎧にダークビュレットが当たる。

ミスリルの鎧に弾かれはするががウツミの体も弾け飛ぶ。

「ちっちゃいからね。」

とユリアが呑気な事を言う。

ミュツスはと言うとウツミの様子が歯痒いのか剣に手をかけてうずうずしている。

こうなったらレイスのいるところまでジャンプするしかない。

ウツミは肉体強化のバフをかけて助走をつけて飛ぶが全然刃先が届かなくてぴょんぴょん飛び跳ねている。

「バカ、頭を使いなさいよ。」

ミュツスが言う。

頭?頭で飛び跳ねるんか?

ウツミは助走をつけていったん頭から地面に突っ込んで強引に背筋を使って飛び跳ねようとするけれどぜーんぜーん飛び跳ねられない。

頭がくらくらするだけ。

「ダメじゃん。」

「バカバカ、そのまんまの事してどうすんのよ。壁を走って上に上がるのよ。」

ミュツスが呆れて言う。

「あ、そうか。ミュツス頭いいね。」

ユリアは涙を流して笑い転げている。

ウツミはまた助走をつけてダンジョンの壁面を駆け上がってジャンプする。

「届いたー。」

ミスリルの剣がレイスの体を切る。

これに調子づいてウツミはまた壁面を走る。

「よーし、もういっぺん。」

とジャンプしながら剣を振りかぶるとたった一太刀しか当たっていないのにレイスが光の粒になって消えてしまう。

勢い余ったウツミは着地に失敗して地面をゴロゴロ転がる。

以外と脆かったのね。

「攻撃を受けない事が強みの魔物だから攻撃を受けた時のダメージは大きいのよ。」

「そうなんだ。」

「あははは。ウツミってば面白い。」

ユリアは笑ってばかりだ。

「頭でジャンプって最高。」

「うるさいよ。」


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