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第59話ダンジョンマスター
しおりを挟むダンジョンの中だったとはいえスタンピードになろうかと言う量の魔物をきれいさっぱり片付けてしまったのと王様にもらった経験値2倍の腕輪のおかげでレベルが一気に62まで上がった。
ミュツスに追いついたんじゃないかと思ったらミュツスはレベル64になっていた。
いつも一緒にいるんだからオレの半分とは言っても経験値が得られるんだから当たり前か。
それにしてもレベル60を超えているのは人族では勇者ユウトやユリア、剣聖トゥルムの他は数えるほどしかいないんじゃないかな。
復刻版RPGゲーム「ロストヒストリーワールド」では上限が100だったけれどゲームクリアに必要なレベルは50だった。
ただロストヒストリーワールドはエンドロール後も続けて遊べる仕様になったいたので引き続き集めきれなかった装備や魔導具、素材などのアイテムを集める事が出来たし、同時にレベルアップも継続出来た。
しかもエンドロール後も続けているとダンジョンの宝箱やラスボス、魔王まで復活する。
ウツミは何度も上限突破を繰り返して転生する前にはレベル999になっていた。
残念だけどそれ以上はカウンターが表示出来なかったんだ。
ベルナール騎士団長や騎士、冒険者が呆然として立ち尽くしているのを後にして勇者ウツミとミュツスはなんだかんだとじゃれあいながら王都に帰って行った。
「あー、なんだ?何だったんだ?スタンピードはどうなった?」
ベルナール騎士団長は確認のために何人かの騎士と冒険者を引き連れてダンジョンの中を調査に入った。
ダンジョンの中は通常は壁面がぼんやりと光る程度なのだが、今は煌々と光って眩しい程だ。
「おーい、お前なんて事すんだー。」
ギルドの食堂で一休みしていると額に角の生えたお姉さんに声をかけられた。
「うん?何が?」
「お前、せっかく私が用意した魔物を綺麗さっぱり片付けてしまっただけじゃなくてダンジョンそのものもつるピカにしてしまっただろう。」
「ダメなの。」
だってスタンピードなんかになったら大変だろうって、本当はただの成り行きだし面倒くさかったので適当な魔法ぶっ放しただけなんだけど。
「ダメに決まってるじゃない。せっかく用意したボーナスステージを独り占めして、その上ダンジョンをしばらく使いものにならなくするってひどくない?」
「あのダンジョンでレベリングしていたり、アイテム集めしてた冒険者に迷惑でしょう?」
うーん。おっしゃる通り。
この人たぶん魔族であのダンジョンのマスターなんだろうな。
「どうしてくれんのかな?」
ウツミの頭に手を置いて顔を覗き込むようにしてくる。
かっこいいお姉さんだけにめっちゃ怖い。
ミュツスもめっちゃひいてる。
「ええと、どうしたら....。」
「あんた魔力は余っているわよね。んで、ドロップアイテムは独り占めなのかしら?」
うわー。でも経験値までは返せとは言わないみたいだ。
なんとか復元されたダンジョンからとぼとぼと歩いて出て来る。
「自業自得ね。」
ミュツスは、ぐったりとなって背中におんぶされているウツミに言う。
そんな言葉この世界にもあったんだ。
あのあと、ウツミはダンジョンコアのあるところまで魔族のお姉さんに連れて行かれた。
ダンジョンっていうのはこのコアの力で魔物や宝箱を作り出しているそうだ。
そして何十年もかけて溜め込んだ魔力が空っぽになってしまったらしい。
ウツミはダンジョンコアに魔力の充填をさせられた上にドロップアイテムも返却させられた。
「今までにない程ダンジョンコアが魔力でいっぱいになったからまた近いうちにスタンピードが用意出来るわ。でもあんたは出禁ね。よそのダンジョンに行ってちょうだい。」
お姉さんはとても満足そうだった。
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