転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

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第2話 ひとさらい1

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で、気がつくと道の真ん中にぽつんと立ってた。

舗装はされていない。

地道。

でこぼこ。

両脇は草が生えていて、その奥は木が生えていて森になっている。

道幅は2車線の道路程度の広さがある。

やや蛇行しているのか道の先は森に隠れている。

貫頭衣のようなものを来てサンダルを履いている。

一応ごわごわしているけどこの世界のパンツは履いているみたいだ。

でもそれだけ。
手も小さい。
目線も低い。
子供になっているようだ。

鏡がないので容姿はわからない。
そして何もない道の真ん中。
これはすぐ死んじゃうんじゃないの。

途方にくれていると、突然目の前が真っ暗になった。

ひょいと持ち上げられてどこかに運ばれていく。

「なになになんなのじゃー。」

と声を上げると太い男の声で

「だまれ、殺すぞ。」

と言われたかと思うとゴツンと硬いもので頭を叩かれた。

叩かれた頭はなぜか痛くないけど状況がわからないのでおとなしくしておく。

いきなり人さらいかー。
生きていくハードル高いなー。
この袋生ゴミのにおいがして臭い。

ギイギイと扉を開ける音がして木の床らしい上に落とされた。

「子供が道でぼーっとしてんだからもうけもんだな。」

「女か?男か?」

「どっちでもいいだろ。」

「どっちにしろこんなのが好きな貴族がけっこういるんだよ」

「まあ、金にはなるんじゃないか。」

男たちが話しているのが聞こえる。
奴隷商人か。
お決まりだけどハードモードだな。
ガタゴトと馬車?たぶん馬車が動き始める。

もうちょっとましなところに転生させられなかったのかね。
ひどいなあの神様。

袋をかぶせられた上に紐でぐるぐる巻きにされているので身動きがとれない。

こういう時は異世界転生でお決まりのチートかなんかがあるんじゃないだろうか?

というわけで、「メニューオープン」と言ってみる。

あ!ほんとに出た。

なんだか見覚えのあるグラフィック。

これはけっこう長いこと遊んでいたアクションRPGの画面じゃないか。

ででで、ステータスは…。

うわあゲームしていた状態を突き抜けてぶち壊れたステータスになっている。

同じゲームばっかり10年近くやってたとはいえこれはひどいな。

レベルが9999 通常の冒険者でもだいたいレベル30位だからめちゃくちゃだね。

魔王でも500ぐらいだから本当にこの身体に反映されていたら人間やめてるよ。

インベントリは…ありったけのアイテムが各9999個。

お金も999,999,999,999Gか。

チートなのかバグったのかあの神様いいかげんなキャラ設定すんな。

まあこれなら簡単には死なないじゃろう。

感謝するところかな?これ。
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