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第三十八話_イクシア先生、再び
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机と椅子を用意し終えたイクシアはポケットから伊達メガネを取り出すとスチャッと装着し、キリッと表情を変えた。
―― あ、役に入ったっぽい。
「それでは授業を始めます。 起立っ!」
「ん?」
「授業を始める前の儀式です、お母さま。 起立と言ったら立って下さい」
「え? いや、立ってるけど」
「今はいいですが、起立・礼・着席というワンセットの儀式ですのでこれからはよろしくお願いします」
―― これからもやるんだね、イクシア。
娘の遊びに付き合うのも大切よねと思うビオラ。イクシアは「それでは気を取り直しまして」と仕切りなおす。
「起立っ!」
ビオラはペリウィンクルを抱いたままピンッと背筋を伸ばす。
「礼っ!」
ビオラはお辞儀をする。
「着席っ!」
ビオラは椅子に座った。
「ふぅ…… さすがです、お母さま。飲み込みが早いですね。 ゼフィたちとは大違いです」
―― あの子らと比べられてもなぁ……
ちょっと心外だと思いながら、満足そうな娘を見て、まぁいいかと流すビオラ。
「それでは授業を開始します。 ここからは先生と生徒ということから、失礼ですけれどビオラさんとお呼びしますね」
「うん、いいよ」
―― 凝るなぁ、イクシア。
「それではまず魔法植物についてですが、魔法植物はすべて世界樹の種から派生したものです」
「うんうん」
イクシアは『魔法植物』と彫られた蜜蝋版をピシッと差し棒で示しながら言い、ビオラは頷いて聞く。
「どの魔法植物に育つかは種が植えられた場所の気候や栄養素によって変わります。 例えばミニ世界樹であれば豊富な魔力の籠った土壌と、これもまた魔力が多く籠った花粉が大量に必要です。非常にシンプルですがその分管理が難しいですね。 ちなみにミニ世界樹は本物の世界樹に育つことが出来なかった成り損ないなのです。本物は育成状況を完璧に整えたとしても、それこそ天文学的な確率でしか発育しません」
「ふむふむ」
「ですので、発芽してミニ世界樹に育つと確定するまではプランターなどで環境を整え、他の要素が入り込む可能性を極力少なくして育てることが重要です。 苗として十分に育ったら目的の場所に植え替えます」
「なるほど~」
「防衛のためにもショット大豆も育てたいところですが。 ビオラさん、種は幾つありますか?」
―― そうよね、防衛も考えないと。オババみないなのが襲ってきたらわたしたちじゃ太刀打ちできないし。 っていうか、ショット大豆でも太刀打ちできなかったし。あの元気な婆さん、筋肉だけで弾き返してなかったっけ?
イクシアに問われてビオラはポケットから種を六個とりだす。
「六個です、先生」
「では二個をミニ世界樹、残り四つをショット大豆に育てましょう。 ところでビオラさん、ショット大豆を育てるのに必要な栄養素をもつものは何でしょうか? ヒントはこのビオランド王国内にあります」
突然質問を振られたビオラはビクッとなり、焦りながら答える。
「えっと…… この国の中に? や、薬草とか?」
「残念! 不正解です。 正解は岩場のお花畑に生えているクローバーなどのマメ科の植物です。普段は雑草として抜いていますが、これを乾燥させて粉末状にし肥料に混ぜ込みます」
不正解をだしてちょっとヘコんだビオラにスススッとイクシアが寄って来て小声で言う。
「素晴らしいです、お母さま。 授業にはこういった不正解を出す生徒というのは必要なのです。授業の円滑な進行の為、わざと学力の低い生徒役をこなすお母さまの演技力に、わたし感服しています!」
―― わたしたち二人なんだし小声で言わんでも…… っていうか、学力の低い…… えぐってくるなぁ、イクシア。
素で間違えたことを娘に学力が低いと言われたビオラはガッツリとヘコんだ。ただ、イクシアは本気でビオラの演技と思っているようで、充実した学校ごっこを楽しんでいた。
「それでは実習に移りましょう!」
そう言うイクシアの指示に従い、プランターをオロロして作った二人は倉庫から肥料を持って来てイクシアが示した配合通りに調合していく。六つのプランターそれぞれに肥料を入れると最後に種を植えてジョウロで水を注いだ。
「これで大丈夫です。無事に芽が出るといいですね、お母さま」
「うん、そうだね、イクシア」
―― 先生ごっこは終わったのかな?
ビオラがそう思っていると「あっ!」とイクシアは声を出し蜜蝋版の前に戻る。
「授業の終わりにも儀式が必要です。 起立っ!」
「だから立ってるって」
「礼っ!」
ペコっとビオラとイクシアが向かい合ってお辞儀をする。ビオラが着席の号令を待っているとイクシアが「終了時には着席はありません」と教えてくれた。
「なんで?」
「さぁ?」
二人して首を傾げたあと、イクシアが口を開いてビオラに問いかける。
「お母さま。 これで花粉の在庫が無くなってしまいました。ペリウィンクルのご飯が備蓄されているロイヤルゼリーしかありませんが、よかったのですか?」
「え? うん、大丈夫よ。 ロイヤルゼリーばっかり与えてたわけじゃないから女王に育つわけないだろうし」
「いえ、そうではなく、ロイヤルゼリーは作る手間や必要な材料も多くて普通は働き蜂に与えたりしません。 わたしが赤ん坊の頃にも頂いていたようですが、何故お母さまは女王候補でもない働き蜂にロイヤルゼリーを与えるのですか?」
イクシアの言う通り、特別な理由がない限りは普通の妖精蜂は女王候補の個体にしかロイヤルゼリーを与えることはない。しかし元々そんな常識に頓着していないビオラはキョトンとして答える。
「だって、娘には健康に育って欲しいじゃない。ロイヤルゼリーは成長の促進と免疫効果もあるんでしょ?」
「それはそうですが――」
言いかけてイクシアは口をつぐんだ。普通は女王候補でもない働き蜂が病気になろうが事故で死のうがまた産めばいいという感覚なのだが、自分の母は違うようだとイクシアは嬉しく思った。
チラリと、首を回してイクシアは自分の背中に意識を向ける。あの火傷だって、普通の女王蜂だったら見捨てていただろう。女王自身が魔力切れや疲労で倒れるほうがリスクがあるのだから。
ふふっ、と嬉しそうに笑ったイクシアは思う。女王候補、働き蜂だからと関係なく一人一人の娘に愛情を注いでくれる母の元に産まれてよかったなと。
「そうですね、お母さま。 わたしもペリウィンクルが元気に育って欲しいです」
「うん、そうね!」
「ですが、お母さま……」
「ん?」
「ペリウィンクル、ちょっと大きすぎません?」
ビオラが抱えるペリウィンクルはもうすぐ立って歩いたり飛んだり出来る頃とはいえ、現在のイクシアよりもちょっとだけ小さいくらいの大きさである。
ちなみにイクシアは平均的な働き蜂の身長が七センチ程度のところ、ちょっと小さい六センチである。そしてこれ以上、年齢的にイクシアは大きくはならない。
今のペリウィンクルは五センチ強といったところだろう。薄い紫色の髪に青い瞳の子である。
「このままだと、わたしよりもちょっと小さいくらいまで成長しそうね」
「火事以降、花粉と花粉団子の備蓄が無くなったせいで一時ロイヤルゼリーばかりだった影響でしょうか?」
二人が見つめるビオラの腕の中、ペリウィンクルは元気に手足をばたつかせていた。
―― あ、役に入ったっぽい。
「それでは授業を始めます。 起立っ!」
「ん?」
「授業を始める前の儀式です、お母さま。 起立と言ったら立って下さい」
「え? いや、立ってるけど」
「今はいいですが、起立・礼・着席というワンセットの儀式ですのでこれからはよろしくお願いします」
―― これからもやるんだね、イクシア。
娘の遊びに付き合うのも大切よねと思うビオラ。イクシアは「それでは気を取り直しまして」と仕切りなおす。
「起立っ!」
ビオラはペリウィンクルを抱いたままピンッと背筋を伸ばす。
「礼っ!」
ビオラはお辞儀をする。
「着席っ!」
ビオラは椅子に座った。
「ふぅ…… さすがです、お母さま。飲み込みが早いですね。 ゼフィたちとは大違いです」
―― あの子らと比べられてもなぁ……
ちょっと心外だと思いながら、満足そうな娘を見て、まぁいいかと流すビオラ。
「それでは授業を開始します。 ここからは先生と生徒ということから、失礼ですけれどビオラさんとお呼びしますね」
「うん、いいよ」
―― 凝るなぁ、イクシア。
「それではまず魔法植物についてですが、魔法植物はすべて世界樹の種から派生したものです」
「うんうん」
イクシアは『魔法植物』と彫られた蜜蝋版をピシッと差し棒で示しながら言い、ビオラは頷いて聞く。
「どの魔法植物に育つかは種が植えられた場所の気候や栄養素によって変わります。 例えばミニ世界樹であれば豊富な魔力の籠った土壌と、これもまた魔力が多く籠った花粉が大量に必要です。非常にシンプルですがその分管理が難しいですね。 ちなみにミニ世界樹は本物の世界樹に育つことが出来なかった成り損ないなのです。本物は育成状況を完璧に整えたとしても、それこそ天文学的な確率でしか発育しません」
「ふむふむ」
「ですので、発芽してミニ世界樹に育つと確定するまではプランターなどで環境を整え、他の要素が入り込む可能性を極力少なくして育てることが重要です。 苗として十分に育ったら目的の場所に植え替えます」
「なるほど~」
「防衛のためにもショット大豆も育てたいところですが。 ビオラさん、種は幾つありますか?」
―― そうよね、防衛も考えないと。オババみないなのが襲ってきたらわたしたちじゃ太刀打ちできないし。 っていうか、ショット大豆でも太刀打ちできなかったし。あの元気な婆さん、筋肉だけで弾き返してなかったっけ?
イクシアに問われてビオラはポケットから種を六個とりだす。
「六個です、先生」
「では二個をミニ世界樹、残り四つをショット大豆に育てましょう。 ところでビオラさん、ショット大豆を育てるのに必要な栄養素をもつものは何でしょうか? ヒントはこのビオランド王国内にあります」
突然質問を振られたビオラはビクッとなり、焦りながら答える。
「えっと…… この国の中に? や、薬草とか?」
「残念! 不正解です。 正解は岩場のお花畑に生えているクローバーなどのマメ科の植物です。普段は雑草として抜いていますが、これを乾燥させて粉末状にし肥料に混ぜ込みます」
不正解をだしてちょっとヘコんだビオラにスススッとイクシアが寄って来て小声で言う。
「素晴らしいです、お母さま。 授業にはこういった不正解を出す生徒というのは必要なのです。授業の円滑な進行の為、わざと学力の低い生徒役をこなすお母さまの演技力に、わたし感服しています!」
―― わたしたち二人なんだし小声で言わんでも…… っていうか、学力の低い…… えぐってくるなぁ、イクシア。
素で間違えたことを娘に学力が低いと言われたビオラはガッツリとヘコんだ。ただ、イクシアは本気でビオラの演技と思っているようで、充実した学校ごっこを楽しんでいた。
「それでは実習に移りましょう!」
そう言うイクシアの指示に従い、プランターをオロロして作った二人は倉庫から肥料を持って来てイクシアが示した配合通りに調合していく。六つのプランターそれぞれに肥料を入れると最後に種を植えてジョウロで水を注いだ。
「これで大丈夫です。無事に芽が出るといいですね、お母さま」
「うん、そうだね、イクシア」
―― 先生ごっこは終わったのかな?
ビオラがそう思っていると「あっ!」とイクシアは声を出し蜜蝋版の前に戻る。
「授業の終わりにも儀式が必要です。 起立っ!」
「だから立ってるって」
「礼っ!」
ペコっとビオラとイクシアが向かい合ってお辞儀をする。ビオラが着席の号令を待っているとイクシアが「終了時には着席はありません」と教えてくれた。
「なんで?」
「さぁ?」
二人して首を傾げたあと、イクシアが口を開いてビオラに問いかける。
「お母さま。 これで花粉の在庫が無くなってしまいました。ペリウィンクルのご飯が備蓄されているロイヤルゼリーしかありませんが、よかったのですか?」
「え? うん、大丈夫よ。 ロイヤルゼリーばっかり与えてたわけじゃないから女王に育つわけないだろうし」
「いえ、そうではなく、ロイヤルゼリーは作る手間や必要な材料も多くて普通は働き蜂に与えたりしません。 わたしが赤ん坊の頃にも頂いていたようですが、何故お母さまは女王候補でもない働き蜂にロイヤルゼリーを与えるのですか?」
イクシアの言う通り、特別な理由がない限りは普通の妖精蜂は女王候補の個体にしかロイヤルゼリーを与えることはない。しかし元々そんな常識に頓着していないビオラはキョトンとして答える。
「だって、娘には健康に育って欲しいじゃない。ロイヤルゼリーは成長の促進と免疫効果もあるんでしょ?」
「それはそうですが――」
言いかけてイクシアは口をつぐんだ。普通は女王候補でもない働き蜂が病気になろうが事故で死のうがまた産めばいいという感覚なのだが、自分の母は違うようだとイクシアは嬉しく思った。
チラリと、首を回してイクシアは自分の背中に意識を向ける。あの火傷だって、普通の女王蜂だったら見捨てていただろう。女王自身が魔力切れや疲労で倒れるほうがリスクがあるのだから。
ふふっ、と嬉しそうに笑ったイクシアは思う。女王候補、働き蜂だからと関係なく一人一人の娘に愛情を注いでくれる母の元に産まれてよかったなと。
「そうですね、お母さま。 わたしもペリウィンクルが元気に育って欲しいです」
「うん、そうね!」
「ですが、お母さま……」
「ん?」
「ペリウィンクル、ちょっと大きすぎません?」
ビオラが抱えるペリウィンクルはもうすぐ立って歩いたり飛んだり出来る頃とはいえ、現在のイクシアよりもちょっとだけ小さいくらいの大きさである。
ちなみにイクシアは平均的な働き蜂の身長が七センチ程度のところ、ちょっと小さい六センチである。そしてこれ以上、年齢的にイクシアは大きくはならない。
今のペリウィンクルは五センチ強といったところだろう。薄い紫色の髪に青い瞳の子である。
「このままだと、わたしよりもちょっと小さいくらいまで成長しそうね」
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