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アイテムボックスで魔王城蹂躙偏

『九番』

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 -計算。





















 『九番』の計算通り。その結果だ。

 『九番』は理性的な戦闘狂の集り。

 『九番』は個では戦わない。

 『九番』は集団で1と捉える。

 『九番』の連携は狂いがない。

 『九番』は各々おのおのが頭を使う。各自の考え方が同じで、自分の役割を正しく

 
「レヴも俺達に掛かればこんなもんになってしまうのか。」

 『隊長』が呟く。この『九番』にいる『隊長』とは一番前にいるやつのこと。それ以上の役割はこの『九番』にはいない。作戦上、前に出て何かを話すやつが『隊長』だ。話す内容は誰が話しても一緒。多少話し方が違うが、内容は全く同じで『九番』全員が同じ解釈をしている。

 そして『九番』の個の強さは一芸に秀でていること。
 
 『剣』使いは物体として認識でき、剣の届く範囲内であれば何でも両断することができる。現在の『隊長』。

 『鈍器』使いは相手が生物であれば的確に内臓を打ち抜き、身体の内部を的確に破壊する。内臓の破壊の仕方も千差万別だ。外傷も酷くすることも出来るし、外傷はわからないようにし、内部だけを、内臓を潰す・破裂させる・壊さず苦しみだけを与える…等、自由に調節することができる。


 『盾』使いは目で見える範囲内の味方は守る。
 たとえ手が届かなくても魔法の盾を作り出し、敵の攻撃から守る。たとえ敵の数が多く、攻撃の量が多くても守る。たとえ攻撃力の高い攻撃が来ようとも守る。たとえ味方と敵との距離が近く、割り込みようがほとんど無かろうが守る。たとえ両手両足が無くなろうとも生きている限りは守る。
 彼の目で見える範囲で、彼の目が黒い内は敵の攻撃は味方には届かない。

 『弓』使いはスナイパーだ。寸分たがわず狙った所に狙ったタイミングで撃ち抜くことができる。そして固有能力を持っている。能力は『力のベクトルはそのままに矢射やいった矢を空中に固定できる』という能力。空中に固定できる矢のストックは少ない。だがそれで十分。
 彼は息を殺し、気配を殺し、相手を殺す。

 『魔法』使いは臨機応変が出来る万能型。火力に秀でている訳でも無ければ、回復魔法の回復能力が極めて高い訳でも無い。
 だが、使える魔法の種類が豊富だ。器用貧乏と言える。『九番』に彼がいることで作戦の幅が広がり、相手に作戦を読まれづらくなる。






 これが『九番』。

 彼らが自らの役割を的確に演じ、やりこなす。意思の疎通ももはや言葉も合図も不要。おそらくこの連携の右に出るものはいないだろう。
 
 そんな彼らが作戦通りに行動し、役割をただこなした。その結果がこれだ。

 という結果。この結果を作り出せるのが『九番』という部隊。































 だが、そんな彼らでもどうやら


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