【完結】番(つがい)だと思ったら!

オリハルコン陸

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1 通知が来たよ!

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ある日、ひらりと政府から通知が届いた。
そこには

『おめでとうございます!あなたの番です!』

と大きなゴシック体のポップな文字で書かれていた。
ちょっと怪しい詐欺サイトみたいなノリだとは思ったけど、最近はお役所が『民間』に擦り寄ろうと努力してるっぽいので、こういう間違いも犯すのかもしれないと、そこはスルーした。
そんなことはどうでもいい。

だって「つがい」だよ?「番」!!!
みんなの憧れ!運命の相手!!

ひとたび会えば惹かれあい、生涯決して離れることなく互いのみを求め続けるって噂の!あの!「番」が!私にっ!!!

テンションもMAXになろうってものだ。だって番が見つかる確率は10万人に一人。総人口100万人足らずのこの国では、10人いるかいないかなのだから!
国内でたった10人しかいない。
そんな幸運にありつけるなんて!!

一体、どんな人なんだろう?格好いいかな?格好いいよね?だって私の「運命の番!」なんだもん。

お金持ちかな?だといいな。
優しい人がいいけど、ちょっと…いや、だいぶSが入っていても、それはそれで歓迎します!
できればイケボがいいな。低めのゾクっとするような声の人。その声で、「今日は寝かさないよ?」なんて言われてみたいっ!

「っきゃー!どうしようっ!!!!!」

ドンドンドンドン!!!

「うるっせーぞ!今何時だと思ってやがる!!!」

「すいませーん…」

「ちっ」

お隣さんに、壁ドン&舌打ちされた。
残業終わって駅の近くの飲み屋でご飯ついでに飲んで帰って来たから、家に着いたのは夜中の2時を回っていた。それからドアのポストに入ってた手紙を開けて読んで、その興奮を酔いの回ったテンションで全部声に出して全力で叫んでたから、今の苦情もやむを得ない。
明日もまだ平日だしなー。

いやー、番のいない一般人のお隣さん、申し訳ないっ!ひゃっはー!!!

再び大声で叫びそうになったけどなんとか堪えた。
大家さんにまた叱られてしまう。

まあ、お金持ちでイケメンで私にメロメロな番がもうすぐ私を迎えに来るはずだから!追い出されたって困らないけどね!!!

なんて小声でつぶやきつつも、一生番のできないであろうご近所の可哀想な人達に配慮して静かにした。

ほら、私ってばもう番がいて?満ちたりてるから?周りへの配慮なんて当たり前にできちゃうっていうか?


その夜は、ハネムーンに月に行く夢を見た。
ハネムーンでムーンに行く。
いやー、やっぱり番のいる人間は、夢の中でも冴えてるわ!

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