【完結】死神(仮)と少女

まだ

私の内臓は、もうあといくつも残っていないらしい。
大半は、世界のどこかにいる化け物たちに少しずつ食べられて、その身体の一部になってしまった。

肉体はあるけれど、それと重なって存在していた霊体の方を喰われたのだそうだ。
最近になって、彼がもう一度詳しく説明してくれた。

本来、霊体を喰われてしまうと肉体との接続ができなくなって動けなくなってしまうのだそうだ。でも今、私の身体は、その霊体の代わりとなるものを彼が中に入れて肉体と繋いで、動けるようにしてくれているらしい。

…相変わらず彼の説明は難しいけれど、何となく実感として理解できた。
彼の言葉が事実だと。

だって手足の感覚が変だ。
意識と身体の間に何かが挟まっているようなおかしな感覚。きっと内臓もそんな感じなのだろう。

けれど動けるし喋れるし食べれる。

だから構わない。
私はまだ、彼と一緒にいられる。

だから構わない。