【完結】僕とばーちゃん

クリスマス

ばーちゃんは昔の人なので、クリスマスをお祝いする習慣はなかった。そもそもばーちゃん仏教徒だし。
でも小さい僕がいたから、祝うようになったらしい。

クリスマスは毎年、料理でお祝いする。プレゼントもある。
ツリーはないけどね。

そういえばクリスマスの鶏肉料理っていうとオーブンとかで炙ったのが主流みたいだけど、うちのは何故か煮込みだ。
よく煮込まれた鶏のもも肉が、骨付きで出てくる。シチューの中にドン！って。豪快だよね。
昔、学校の友達に話したら驚かれた。

あ、あとケーキもある。一番ちっちゃいやつ。二人暮らしだから。
僕は小さい頃、大きなケーキがホールで食べたいと駄々をこねてばーちゃんを困らせたことがあるらしい。食べきれるわけないのに。
大きくなってから、たびたび揶揄われるけど記憶にない…。
そろそろ時効だと思うので勘弁して欲しい。恥ずかしいよ…。


今年もいつも通り、シチューとケーキでお祝いした。ばーちゃんの分のシチューの肉は、いつの頃からか手羽とかちっちゃいやつになってた。食べきれないからって。
僕もそっちでいいのにって言ったら、

「おまえは食べられるだろう？」

って。
そりゃ食べれるけどさ。
美味しいし好きだけどさ。
シチューが絡まってて、ちょっと食べにくいんだよ。


ニャンコさんは、味なしササミとばーちゃんお手製の小さな鞠をもらってご機嫌だった。
明日一緒に遊ぼうっと。