3 / 8
笑顔
しおりを挟む
9月ともなれば、やることはやまずみだった。
ましてや私たちは来年にはもう、進路とか色々考え始めなきゃいけない。
9月は体育祭。
10月には文化祭がひかえていた。
私と理穂が所属する美術部では毎年、体育祭時に使う旗?的なのを描いてるらしい。
「私絵下手だしなぁ…。
絵の上手な理穂に線画は任せるよ!」
絵は描けないのに、色塗りときたら物凄いやる気が湧いてくる。
それこそ前世は色付け師とか、そういう仕事をしてたと思うくらいに。
「別にいいけど色塗りは全部、美緒がやってね。」
「もちろん!私を誰だとお思いで??」
わざとおどけてみせる。
理穂は少し冷めた目をしていた。
そんな目をしなくてもいいのに…。
「ところで、どんな絵を描けとかもう決まってるの?」
理穂が私に問う。
「あー、なんか、なんだろ。
情熱的な絵を描いてほしい!
とは言われたよ。」
あまりにもざっくりしすぎていたのか、理穂が珍しく悩んでいる。
いつも突っ走っていくような性格で、それで大丈夫なの!?ってぐらい斬新に絵を描くこともあるくらいだ。
「いつもみたくバーッ!って描いちゃえばいいじゃない。
何を悩んでるのよ。理穂らしくない。」
理穂は少しムッとして言う。
「そりゃ、悩むに決まってるじゃない。
全校生徒に見られるのよ?
学校に訪れる保護者だって見る。
それをバーッ!て描けるわけないでしょ。」
ますます理穂らしくない。
まぁ理穂が描かなければ私は何も出来ないし、暇だったこともあって校内をうろつくことにした。
まだ入学して3?5ヶ月?くらいだから、この学校内がどんな造りをしてるのかはっきりはしらない。
だからこその校内散歩だ!
中学とは違って学校に携帯を持っていくことがOKなこの環境は素晴らしいと思う。
あの人も、本当なら高校に通えていたのかな。
なんて暗いことを考え出してしまったのでわざと大きい声を出す。
「うー!がぁぁぁぁ!!!!」
いくら静かすぎるからって大声を出すのはまずかった。
角のところでは隼人くんが座って寝ていた、ところだった。
「でっけぇ声…。」
ボソッと、言われた。
「や、これはその、ほら、この校内が静かすぎていろいろ考えちゃうから!
決して変な訳では無いから…!!」
急いで言い訳を並べる。
「ふっ、はは…!そんな慌てなくても、変なやつだってことは十分わかったから。」
なんでだろう。
彼の見せた笑顔は、私が見たかった笑顔に、そっくりだった。
ましてや私たちは来年にはもう、進路とか色々考え始めなきゃいけない。
9月は体育祭。
10月には文化祭がひかえていた。
私と理穂が所属する美術部では毎年、体育祭時に使う旗?的なのを描いてるらしい。
「私絵下手だしなぁ…。
絵の上手な理穂に線画は任せるよ!」
絵は描けないのに、色塗りときたら物凄いやる気が湧いてくる。
それこそ前世は色付け師とか、そういう仕事をしてたと思うくらいに。
「別にいいけど色塗りは全部、美緒がやってね。」
「もちろん!私を誰だとお思いで??」
わざとおどけてみせる。
理穂は少し冷めた目をしていた。
そんな目をしなくてもいいのに…。
「ところで、どんな絵を描けとかもう決まってるの?」
理穂が私に問う。
「あー、なんか、なんだろ。
情熱的な絵を描いてほしい!
とは言われたよ。」
あまりにもざっくりしすぎていたのか、理穂が珍しく悩んでいる。
いつも突っ走っていくような性格で、それで大丈夫なの!?ってぐらい斬新に絵を描くこともあるくらいだ。
「いつもみたくバーッ!って描いちゃえばいいじゃない。
何を悩んでるのよ。理穂らしくない。」
理穂は少しムッとして言う。
「そりゃ、悩むに決まってるじゃない。
全校生徒に見られるのよ?
学校に訪れる保護者だって見る。
それをバーッ!て描けるわけないでしょ。」
ますます理穂らしくない。
まぁ理穂が描かなければ私は何も出来ないし、暇だったこともあって校内をうろつくことにした。
まだ入学して3?5ヶ月?くらいだから、この学校内がどんな造りをしてるのかはっきりはしらない。
だからこその校内散歩だ!
中学とは違って学校に携帯を持っていくことがOKなこの環境は素晴らしいと思う。
あの人も、本当なら高校に通えていたのかな。
なんて暗いことを考え出してしまったのでわざと大きい声を出す。
「うー!がぁぁぁぁ!!!!」
いくら静かすぎるからって大声を出すのはまずかった。
角のところでは隼人くんが座って寝ていた、ところだった。
「でっけぇ声…。」
ボソッと、言われた。
「や、これはその、ほら、この校内が静かすぎていろいろ考えちゃうから!
決して変な訳では無いから…!!」
急いで言い訳を並べる。
「ふっ、はは…!そんな慌てなくても、変なやつだってことは十分わかったから。」
なんでだろう。
彼の見せた笑顔は、私が見たかった笑顔に、そっくりだった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる