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蛇足
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エルヒムが目を覚ますとハヤノが目の前にいたので声を上げてしまった。
「またこんな所で寝て、風邪ひくわよ」
面倒臭いのに見つかった「まだ夏だから大丈夫だよ」
「森はまだ寒いんだから毛布くらい持って来なさいよね、もうほんとに」
「母さんみたいな事言うな。毛布はかさばるから嫌なんだよ。ところで何しに来たの」
「あ、いや別に…あんたがちゃんと練習してるか監視しに来たの!」
「こんな早朝にねぇ」
「ん、、ほら、教えてあげるから早く起きなさい!」
「分かった、分かったよ。ヒーコーだけ飲ませて」
エルヒムは小枝を拾いマグネシウムで火をつけた。ハヤノが不思議そうに見る。
「なんでこんなもんで火をつけてるのよ。マッチとか火系魔法とかあるじゃない」
「これだから…」
「なによ」ハヤノはブスっとする。
「そんなので火をつけるくらいらそもそも野営しに来ないよ。ロマンだよ、ロ、マ、ン。分かんないかなー。ホゲッ!」
得意げな顔したエルヒムにハヤノはワンパンを食らわせた。
「早く飲んじゃいなさい」
「ふぁい…」
ヒーコーを飲み終わるとエルヒムとハヤノはに三フットほど離れ正面に向き合った。
「エルヒムはハーフエルフだから魔法が使えないってみんな言うけど、私は信じない。絶対使えるようになるよ」
「優等生は言うことが違うね」
実際ハヤノとヒュメは当校で一二を争う優等生だった。中には妬む先生もいるくらい。
「茶化さないの。多分人間成分が魔穴を塞いてるんだと思うのよね。だから訓練次第では開くはずなんだけど」
「誰の請け合いだ?」
「婆ちゃん。婆ちゃんは昔ハーフエルフの世話をしたことがあるんだって」
「使えるようにさせた実績は?」
「ない」
「ないんかーい」
「婆ちゃんはいつも正しいの!だから婆ちゃんの勘は間違ってない!」
「わかったわかった。お前の婆ちゃんは村一の長生きだからな。伊達に二千年も生きてないわな」
エルフの寿命は数百年から千年と言われている。物質的な炭素でできた人間とは違い、エルフはエーテル質でできているため寿命は長い。ハーフエルフはその半分くらいかな。ハーフだけに。なんてな。
「だから私が証明するの。婆ちゃんは正しいって」
「お前の婆ちゃんには世話になってるからな。付き合うよ」
「エルヒムは皮膚の表面に集中して」
「はいよ」と目を瞑り意識を表層に持ってくる。
ハヤノの詠唱が始まった。相手に魔力を補充する魔法。エルヒムに魔力を注いで無理やり魔穴に穴を開けようって寸法だ。
ハヤノの魔力が身体を舐める。蛇のように絡まって中に入ろうとする。集中するが一向に蛇は入ってこようとしない。蛇は消えた。
ハヤノはふぅと息を着く。
「やっぱりダメか。我ながらいい考えだと思ったのにな」
「まだ方法はあるさ、焦らない焦らない」
「あんたが一番焦らなきゃいけないんでしょうが!」
「いいよ、魔法道具があるし、体術も得意な方だし」
実際諦めていた。魔法の使えないハーフエルフが使えるようになったなんて聞いたことがない。
「まあ先生達はあんたが魔法使えないとわかってるから魔法道具の試験にしてくれてるけど他の生徒にまた虐められちゃうよ」
「慣れた」
「そんなのに慣れちゃダメ!絶対あんたは使えるようになるから」
ハヤノから何度も聞いた言葉。
「うるさいな!ほっといてくれ!使えないもは使えないんだ!使えるやつに何がわかるんだよ!」
ハヤノの眉間に皺が寄り、下唇を噛み走って行ってしまった。
「あ…やっちゃった…」
時間が経ち冷静になると喪失感に襲われた。
ハヤノの蛇の感触がまだ残っていた。
「またこんな所で寝て、風邪ひくわよ」
面倒臭いのに見つかった「まだ夏だから大丈夫だよ」
「森はまだ寒いんだから毛布くらい持って来なさいよね、もうほんとに」
「母さんみたいな事言うな。毛布はかさばるから嫌なんだよ。ところで何しに来たの」
「あ、いや別に…あんたがちゃんと練習してるか監視しに来たの!」
「こんな早朝にねぇ」
「ん、、ほら、教えてあげるから早く起きなさい!」
「分かった、分かったよ。ヒーコーだけ飲ませて」
エルヒムは小枝を拾いマグネシウムで火をつけた。ハヤノが不思議そうに見る。
「なんでこんなもんで火をつけてるのよ。マッチとか火系魔法とかあるじゃない」
「これだから…」
「なによ」ハヤノはブスっとする。
「そんなので火をつけるくらいらそもそも野営しに来ないよ。ロマンだよ、ロ、マ、ン。分かんないかなー。ホゲッ!」
得意げな顔したエルヒムにハヤノはワンパンを食らわせた。
「早く飲んじゃいなさい」
「ふぁい…」
ヒーコーを飲み終わるとエルヒムとハヤノはに三フットほど離れ正面に向き合った。
「エルヒムはハーフエルフだから魔法が使えないってみんな言うけど、私は信じない。絶対使えるようになるよ」
「優等生は言うことが違うね」
実際ハヤノとヒュメは当校で一二を争う優等生だった。中には妬む先生もいるくらい。
「茶化さないの。多分人間成分が魔穴を塞いてるんだと思うのよね。だから訓練次第では開くはずなんだけど」
「誰の請け合いだ?」
「婆ちゃん。婆ちゃんは昔ハーフエルフの世話をしたことがあるんだって」
「使えるようにさせた実績は?」
「ない」
「ないんかーい」
「婆ちゃんはいつも正しいの!だから婆ちゃんの勘は間違ってない!」
「わかったわかった。お前の婆ちゃんは村一の長生きだからな。伊達に二千年も生きてないわな」
エルフの寿命は数百年から千年と言われている。物質的な炭素でできた人間とは違い、エルフはエーテル質でできているため寿命は長い。ハーフエルフはその半分くらいかな。ハーフだけに。なんてな。
「だから私が証明するの。婆ちゃんは正しいって」
「お前の婆ちゃんには世話になってるからな。付き合うよ」
「エルヒムは皮膚の表面に集中して」
「はいよ」と目を瞑り意識を表層に持ってくる。
ハヤノの詠唱が始まった。相手に魔力を補充する魔法。エルヒムに魔力を注いで無理やり魔穴に穴を開けようって寸法だ。
ハヤノの魔力が身体を舐める。蛇のように絡まって中に入ろうとする。集中するが一向に蛇は入ってこようとしない。蛇は消えた。
ハヤノはふぅと息を着く。
「やっぱりダメか。我ながらいい考えだと思ったのにな」
「まだ方法はあるさ、焦らない焦らない」
「あんたが一番焦らなきゃいけないんでしょうが!」
「いいよ、魔法道具があるし、体術も得意な方だし」
実際諦めていた。魔法の使えないハーフエルフが使えるようになったなんて聞いたことがない。
「まあ先生達はあんたが魔法使えないとわかってるから魔法道具の試験にしてくれてるけど他の生徒にまた虐められちゃうよ」
「慣れた」
「そんなのに慣れちゃダメ!絶対あんたは使えるようになるから」
ハヤノから何度も聞いた言葉。
「うるさいな!ほっといてくれ!使えないもは使えないんだ!使えるやつに何がわかるんだよ!」
ハヤノの眉間に皺が寄り、下唇を噛み走って行ってしまった。
「あ…やっちゃった…」
時間が経ち冷静になると喪失感に襲われた。
ハヤノの蛇の感触がまだ残っていた。
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