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隠し事
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店の事務所のような所に通された。書類は乱雑に置かれていたが衣服はハンガーにちゃんとかけられている。
唐突にホメイが顔を覗き込む。
「お前、ハーフだろ」
「はい、分かりますよね」
「だから裏に呼んだってのもある。ハーフは災いを呼ぶからな」
産まれてこの方、言われ続けていた言葉。中には近寄らないエルフもいるくらいだ。ただ僕は平和に暮らしたいだけなのに。
「僕が…僕が何したって言うんですか!」つい声を荒らげてしまった。
「おっと待てよ。話は最後まで聞くもんだろ。なんでハーフが嫌われるのか分かるか?」
「だから災いを…」
「じゃあその災いって何だ?」
「何って…僕が聞きたいです」
「いいか」とホメイは一息つく。
「迷い人は素性が分からねえ、そこなんだよ。もしだよ、どこかの偉い人だったら、王様だったらな、権力争いに使われるんだよ。人間の勝手な争いにエルフが巻き込まれるのを防ぐために一応ダメということになってる」
「一応…ですか」
「一応だ。男と女ってのはダメと言われてもできちまう」
「それ、だけ?」
「それだけだ。そんなもんだよ規則なんてもんわよ」
「えぇ、じゃあ遺伝的にどうのこうのとかは…」
「ない!」
「僕はその為だけに嫌な思いをしてるのか…」
そんなの嘘だ。嘘にきまってる。大の大人がそんな保身で決まり事を作るものか。
「まあよ、能力が未知数ってとこもあるけどな、それはプラスの要素だから前向きに生きろよ」
「生きてますよ!…というかホメイさんって人間…」
ホメイは少し考え込む。「んーまー、一応な」
「一応?」
「一応だ。そんなことよりよ、お前の聞きたい情報なんだが。占ってやるよ」
「占いで分かるんですか?」
「俺の占いは昔っから当たるんだよ。まあ見てなって」
ホメイはカードを卓上に並べエルヒムの顔をじっと見る。五芒星に配置されたカードを捲る。
「お前、隠してるな」
「何をです?」
「それはお前が一番分かってるはずだが。奥底に氷に閉じ込めて…」
ホメイの視線がエルヒムの体に入ってくる。変な感覚。
奥底に…僕の…
はっと我に返る。
「そうじゃなくて村の!」
「だからよー!俺の占いはお前の一番知りたいことが出てくるんだっつーの!」
「僕が知りたいのは…」なんなんだろう?
唐突にホメイが顔を覗き込む。
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「何って…僕が聞きたいです」
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「ない!」
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そんなの嘘だ。嘘にきまってる。大の大人がそんな保身で決まり事を作るものか。
「まあよ、能力が未知数ってとこもあるけどな、それはプラスの要素だから前向きに生きろよ」
「生きてますよ!…というかホメイさんって人間…」
ホメイは少し考え込む。「んーまー、一応な」
「一応?」
「一応だ。そんなことよりよ、お前の聞きたい情報なんだが。占ってやるよ」
「占いで分かるんですか?」
「俺の占いは昔っから当たるんだよ。まあ見てなって」
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「お前、隠してるな」
「何をです?」
「それはお前が一番分かってるはずだが。奥底に氷に閉じ込めて…」
ホメイの視線がエルヒムの体に入ってくる。変な感覚。
奥底に…僕の…
はっと我に返る。
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