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旅立ちとは何か
いざイヤザザ
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翌日、一同を集めるとエニスは夜あったことをみんなに話した。
ハーチが悲しげな顔をする。
「そっか、ここでお別れなんだね」
エニスはハビモズと別れの握手を交わす。
「大丈夫さ。また会えるよ。何でかは分からないけどそんな気がするんだ」
そんな気がする。何でだろう。
さっき途中で抜けたキールが装備をして出てきた。
「僕が行くよ。一人じゃ大変だろ」
ヒューコが後を押す。
「そうね、それがいいわ。この子これでも腕がたつのよ」
ニャモチは支給人を呼んだ。
「はい、これお弁当。何かと大変だと思いますが、頑張ってください。あっ、それと紹介状を書いておきましたわ。イヤザザにはギルドマスターがいます。是非お渡し下さい」
エニスは紹介状と弁当をもらった。
「ありがとうございます。こんな知らない旅の者に優しくしてくれるなんて」
ヒューコは当然と言う顔で。
「袖振り合うも多生の縁と言います。当家の習わしですのでお構いなく」
エニスはもう一度お礼を言い、キールとアイネ家を後にした。
門の前で「また会おう」とハビモズと別れ、西へと向かう。
砂漠地帯に入った。風が冷たい。砂漠も夜になれば氷点下になる。だがこんな昼中から寒かった。キールがマントの襟を立てる。
「エニス寒くないかい。僕は寒いのが苦手で」
「大丈夫。荷物の中に厚手の服を入れてくれていたから助かったよ。気が利くお姉さん達だね」
キールは姉の話になると嬉しそうに。
「うん、可愛がってくれるんだ。自慢の姉さ。アイネ家は千年続く旧家で教えも厳しいんだよ。人の繋がりは大事にしなさいって。どんな人だろうが人生に必ず意味をもたらしてくれる。回り回って必ず帰ってくるってね」
そんな旧家に招き入れられたとかとエニスは少し困惑した。
「その通りかもしれないね。僕はいろんな人の助けが無ければ死んでいたかもしれない。だからその人たちの為に何かしなきゃって思うよ。うわ!」
突然足元が崩れた。もがいても上がれない。
「エニス!手を出して!」
エニスは手を出すが指先が触れるのが精一杯だった。
砂はすり鉢状に窪んでいてその中心に影が見えた。
「エニス!これは砂地獄だ。ギルドの報告書に書いてあった。引きずり込まれるぞ」
「うわあ!上がれない。ダメだ」
エニスが下を見ると顎に鋭い牙を持った茶色いモンスターが見えた。
キールが剣を抜く。
「エニス!今助ける!」
キールはすり鉢の下に飛び込んだ。モンスターの目が光る。
「危ない!やめろキール!」
突然キールの胸元が光り剣の先から閃光が飛んだ。閃光はモンスター目掛け、爆発を起こした。
キールとエニスはその爆風で飛ばされた。
エニスは被さった砂を払い除けキールの元へ駆け寄った。
「大丈夫か、キール」
「ああ、何とか生きてる。僕にこんな力があったのか。あれは剣技魔法の類いだった。こんなの初めてだ」
「とりあえず助かったようだな」
エニスはキールに怪我がないかチェックすると胸を撫で下ろした。
「キールに何かあったらお姉さん達に合わせる顔がないよ」
「その時は転んだと言うさ」
危険から開放されたからなのか二人は笑いが止まらなかった。
ハーチが悲しげな顔をする。
「そっか、ここでお別れなんだね」
エニスはハビモズと別れの握手を交わす。
「大丈夫さ。また会えるよ。何でかは分からないけどそんな気がするんだ」
そんな気がする。何でだろう。
さっき途中で抜けたキールが装備をして出てきた。
「僕が行くよ。一人じゃ大変だろ」
ヒューコが後を押す。
「そうね、それがいいわ。この子これでも腕がたつのよ」
ニャモチは支給人を呼んだ。
「はい、これお弁当。何かと大変だと思いますが、頑張ってください。あっ、それと紹介状を書いておきましたわ。イヤザザにはギルドマスターがいます。是非お渡し下さい」
エニスは紹介状と弁当をもらった。
「ありがとうございます。こんな知らない旅の者に優しくしてくれるなんて」
ヒューコは当然と言う顔で。
「袖振り合うも多生の縁と言います。当家の習わしですのでお構いなく」
エニスはもう一度お礼を言い、キールとアイネ家を後にした。
門の前で「また会おう」とハビモズと別れ、西へと向かう。
砂漠地帯に入った。風が冷たい。砂漠も夜になれば氷点下になる。だがこんな昼中から寒かった。キールがマントの襟を立てる。
「エニス寒くないかい。僕は寒いのが苦手で」
「大丈夫。荷物の中に厚手の服を入れてくれていたから助かったよ。気が利くお姉さん達だね」
キールは姉の話になると嬉しそうに。
「うん、可愛がってくれるんだ。自慢の姉さ。アイネ家は千年続く旧家で教えも厳しいんだよ。人の繋がりは大事にしなさいって。どんな人だろうが人生に必ず意味をもたらしてくれる。回り回って必ず帰ってくるってね」
そんな旧家に招き入れられたとかとエニスは少し困惑した。
「その通りかもしれないね。僕はいろんな人の助けが無ければ死んでいたかもしれない。だからその人たちの為に何かしなきゃって思うよ。うわ!」
突然足元が崩れた。もがいても上がれない。
「エニス!手を出して!」
エニスは手を出すが指先が触れるのが精一杯だった。
砂はすり鉢状に窪んでいてその中心に影が見えた。
「エニス!これは砂地獄だ。ギルドの報告書に書いてあった。引きずり込まれるぞ」
「うわあ!上がれない。ダメだ」
エニスが下を見ると顎に鋭い牙を持った茶色いモンスターが見えた。
キールが剣を抜く。
「エニス!今助ける!」
キールはすり鉢の下に飛び込んだ。モンスターの目が光る。
「危ない!やめろキール!」
突然キールの胸元が光り剣の先から閃光が飛んだ。閃光はモンスター目掛け、爆発を起こした。
キールとエニスはその爆風で飛ばされた。
エニスは被さった砂を払い除けキールの元へ駆け寄った。
「大丈夫か、キール」
「ああ、何とか生きてる。僕にこんな力があったのか。あれは剣技魔法の類いだった。こんなの初めてだ」
「とりあえず助かったようだな」
エニスはキールに怪我がないかチェックすると胸を撫で下ろした。
「キールに何かあったらお姉さん達に合わせる顔がないよ」
「その時は転んだと言うさ」
危険から開放されたからなのか二人は笑いが止まらなかった。
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