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むひ

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出会いとは何か

イヤザザ地区

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 水が底を尽きた。歩く疲れが溜まり視界がぼやける。
「ねえ、エニス。蜃気楼が見えるね」
「そうだな。何回騙されたことか」
寒かったはずの砂漠が急に暑くなった。気候がおかしい。
キールが座り込んだ。
「もうダメ。歩けない」
「水がないんだ、歩かないと。立ち止まれば必ず死ぬ、どうせ死ぬなら歩き疲れて死にたい。とにかく進むしかないんだ。万が一にあの蜃気楼が本物かも…ん?」
「どうしたの?」
エニスは目を凝らした。
「本物だぞ。本物の街だ!」
キールが飛び上がる。
「ほんとにー!急ごうエニス!」
二人は疲れを忘れたかのように走った。

レンガで作られた高い壁に巨人が開けるのかと思うくらいの扉。相当な大きさの街だ。
門番がいかめしい顔で出てきた。
「ここで何をしている」
キールが前に出る。
「イヤザザのギルドマスターに用事で参りました。通して頂いたく存じます」
門番の顔色が変わった。
「こ、これはこれはアイネ家の坊ちゃんではありませんか。失礼をお許しください。ここはイヤザザ地方の入口『ガーデン』です。どうぞお入り下さいませ」
エニスは驚く。
「顔パス。そんなに凄い家だったのか」
キールは「ふん」と鼻を鳴らす。
「これでも全国に名が知れてるからね」

 門番に通され街に入った。栄えている。流石ナーナ国の中でも最大の都市。人が賑わい、まるで祭りの様だった。奥には大きな城も見える。
通りを歩くと凄い勢いで人がぶつかってきた。
「あつ、すいません。急いでいるもので」
目鼻立ちのスッキリした高身長の青年。
「ああ、大丈夫ですよ」
エニスは胸の奥で何かを感じた。それが何なのかは分からなかった。
キールが急かす。
「エニス、急ごう」

「ここがギルドが集まる酒場か」
キールは扉を開け中に入る。酒場はガヤガヤ賑わっていた。大声で話す者。ビールを賭けて腕相撲をする者。ウエイトレスが忙しく酒を運ぶ中こっちに気付いた。
「いらっしゃいませ!ようこそギルドの酒場へ。ご注文は如何なされますか」
キールがメニューを見ながら。
「えーっと。ミルクで」
注文すると隣の客が笑った。
「酒場に来てミルクだと。笑わせるな。お母ちゃんのおっぱいでも吸って寝てろ!それよりスパルちゃんこの後どっか行かないか」
ウエイトレスは言い寄られ「止めてください」と困っていた。
キールが立ち上がる。
「無礼者!当家をなんだと心得える!僕はアイ…」
いきり立つキールをエニスは「まあまあ」となだめ。ミルクを二つ注文しスパルと酔っ払いと離した。
キールはまだ怒っている。
「全く、これだから礼儀を知らないものは」
「相手が誰だか分からないのにあの態度は無いよな。酔ってるとはいえ言っていい事と悪いことがあるからね。でもああいうのは相手にするだけ時間の無駄だ」
スパルは「お待たせしました」とミルクを運んできた。
エニスはここぞとばかりに聞く。
「あの、ギルドマスターに会いたいんですが」
「マスターですか。マスターは一番奥の席に座っています」
エニスはありがとうと言いミルクもそこそこに奥の席に向かった。
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