私、片思いします

むひ

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春子の章

迷子の迷子の……

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 花火大会当日里美と待ち合わせて駅へ行った。少し準備に時間がかかったけどギリギリ間に合った。
 直樹達はもう既に待ちくたびれているようだった。
「おせーぞ。これだから女はよー」
「だったらあんた達だけで行ったら?女の子は時間がかかるのよ。それに時間には間に合っているけど?ねー、春子」
「う、うん」
「おっ、春子浴衣じゃん……まぁ馬子にも衣装だな」
「何よ!馬子って!これでも一生懸命着付けも髪もセットしたんだからね!バカ直樹!」
「ごめんて、怒るなよー」
 里美がニヤニヤしながら
「あんた達二人仲いいわねー」
「仲良くない!」
「仲良くねー!」
 あっ、揃った……

 そりゃさ、こんなに人がいたらはぐれるよね。皆どんどん先に行っちゃうしどうしたらいいんだろう。
 おまけにゲタなんて履き慣れないもの履いてるせいで足も腫れてるし…
 その時、誰かにグイッと腕を引っ張られた。
「おい、マヌケ。何やってるだよ」
直樹……
「気がついたらお前がいないからよ」
探してくれたんだ……
「ほら、行くぞ」
「あ、ありがと……」
「は?何だって?周りがうるさくて聞こえねーよ」
「何でもありません!」
 周りが振り向くくらいの大声で言ってしまった。とっても恥ずかしい。
「なんだこいつばかでかい声出して俺も恥ずかしいだろ。ほら手離すんじゃねーぞ!もう探してやんねーからな」
 直樹の手が私の手を包み込むように握ってくる。
 直樹と手を繋ぐという行為だけで私の胸の高鳴りがやまない。
 これ傍から見ると恋人同士みたいだよね…
 直樹の手、思てったより大きかった。

「ほらここに座れよ」
 少し歩いた先のベンチへと誘導してくれた
「へ?」
「そ、その足痛いんだろ?」
「いや、そのうん…」
 そんな小さな変化にも気付いてくれるなんて…
 なんだか勘違いしてしまいそう…
「えっと…出店で何か買ってきてやるから待ってろ」
「う、うん」
 そう言うと直樹は出店の方へ早々と駆けていった。
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